【事例604】うつ病|障害共済年金2級(廃院となった病院の紹介状に初診日の記載がなかった事例)

うつ病|障害共済年金2級

うつ病で障害年金を申請される場合の注意点などは『【社労士が解説】うつ病で障害年金を申請するポイント』でも詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。

 

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 年額 約164万円
障害の状態
  • 家事だけでなく清潔保持など身の回りの事にも家族のサポートが欠かせない状態である。
  • 引きこもり傾向が強く、外出は通院に限られている。
  • 傷病が原因で就労できない。
  • 精神障害者保健福祉手帳
申請結果 障害共済年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、20年程前に激務が続いたことで、ストレスを感じ、食欲不振、不眠、不安感、イライラ感等の症状が現れたそうです。

暫く様子を見ますが、症状は改善せず、仕事も休みがちになるなど支障が出てきたため、受診することにしました。

外来加療で薬物療法、精神療法を受けていましたが、症状は一向に改善せず、医師の勧めで1年間休職となります。

しかし、休職後も症状の改善は見られず、退職となりました。

その後は、何度かアルバイトなどをしますが、長続きはしません。

また、初診病院が廃院となり転院することになります。

転院後も薬物療法、精神療法を継続していますが、症状は徐々に悪化し、今では、就労も全くできなくなり、日常生活も家族のサポートが欠かせない状況で、1日中、部屋に閉じこもり無為な日々を過ごしています。

ただ、経済的にも家族に負担をかけていることを常に心苦しく思っておられました。

そんな時、病院で障害年金の事を教えてもらい、申請することを決断されます。

そこで、共済組合にご相談に行かれますが、初診の病院が廃院していると申請は難しいと聞き、藁をもつかむ思いで当事務所に代行のお問い合わせを頂く事になりました。

 

申請結果

本事例のポイントは、初診日の証明でした。

ご相談者様は、初診のA病院は廃院となり、紹介状を貰い受けB病院に転院され現在まで受診を続けておられます。

まず、A病院で頂いた紹介状を拝見しましたが、肝心な初診日の記載がありませんでした。(ポイント①)

また、初診病院の診察券や領収書、お薬の処方箋などもお持ちではないとの事でした。(ポイント②)

初診日証明が暗礁に乗りかけましたが、ここで閃いたのが、「5年以上前のカルテに本人申立の初診日が記載されており、それをもとに作成された診断書などがあれば、その診断書単独で初診日を認めることができる」という取扱いです。

早速、B病院に確認したところ、5年以上前のカルテに本人申立のA病院の記載があることがわかりました。

すぐに、B病院に診断書を依頼し、カルテに基づいたA病院の初診日を記載して頂きました。

これで、初診日の証明に関しては問題がないと判断し申請しました。

なお、ご相談者様は、初診日に共済組合に加入されており、書類は共済組合に提出することになります。(ポイント③)

ところが、提出書類だけでは初診日の確認ができないとの返戻が届きました。

そこで「第三者証明」を提出することにしました。

ただ、初診日が20年前ということで、書いて頂ける方を探すのに苦労しましたが、職場の方のご協力も頂き、当時の人事部所属の2名の方に書いて頂けるようになりました。

記載して頂いた内容はどちらも初診日に関して信憑性が高い内容となっており、自信をもって提出しました。

その後、共済組合独自の方針か、「第三者証明」の内容を確認するために休職時に提出した診断書など追加書類の提出を求められ、結果が出るまでに時間を要しましたが、初診日も主張通り認められ、「障害共済年金2級」に認定されました。

 

【ポイント1】初診日が大切な理由

障害年金では、初診日が最も重要とされています。

なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。

 

①制度加入要件

初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。

 

②保険料納付要件

障害年金を申請するには、初診日の前々月から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。

 

③障害認定日の起算点

原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。

これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。

初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】初診日の証明が出来ない場合

障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。

この受診状況等証明書は必ずカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。

そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。

この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。

申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。

客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所等の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳、領収書、診察券
  • 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

など

受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント3】障害共済年金の手続きについて

初診日の段階で共済年金に加入していた場合、障害共済年金での請求となります。

障害共済年金による請求の場合、一般的な基礎年金や厚生年金の請求と比べて、必要な書類や提出のタイミングが異なる事があります。

まずは加入していた共済組合へ連絡して手続きの方法を確認してから着手することとなります。

 

その他のうつ病の事例

 

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