【事例220】うつ病|障害厚生年金3級(一般就労されている方の事例)

うつ病の障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 遡及金額 約58万円
障害の状態
  • 意欲低下や希死念慮といった症状が目立つ
  • 生活は同居の家族からの援助で何とか成り立っている
  • 仕事をしているものの週2日程度の出勤で、経済的な不安が多い
  • 精神障害者保健福祉手帳は持っていない
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

会社員として働くIさんは職場での人間関係に悩んでおり、25歳頃から気分の落ち込みや倦怠感等の症状が出始めたそうです。

そのうち眠りも浅くなり、日中は眠気からの集中欠如でミスを起こすようになったことを機に、心療内科を受診しました。

診察の結果「うつ状態」と言われ、薬物療法を開始。

一旦、症状は改善したそうですが、1年後に症状が悪化した為、休職となりました。

2ヵ月程で復職しましたが、業務についていけず自信を喪失してよりうつ状態に陥ってしまい、結局職場を退職したとのことです。

退職後、治療を続けながら新しい会社へと就職。

出来高制で勤務体系が自由な職場だったため、何とか働くことが出来たそうです。

ただ働き始めてから症状が不安定となり、日常生活は同居の家族の支えが必要でした。

また仕事についても出勤できる日数が少なく経済的にも強い不安感がありました。

そこで知人から教えて貰った障害年金制度を利用しようと考え、当事務所にご相談に来られました。

 

申請結果

症状は決して軽くは無い状態でしたが、就労しているという点が課題となりました。

精神の障害では『就労の有無等を審査にて考慮』する旨が、障害認定基準に明記されています。

そのため就労しているケースでは、不支給となる確率も高くなります。

よってヒアリングで、業務内容や勤務日数、支援状況、就労中の様子などの就労状況を詳しくお伺いしました。

すると出勤等は自由とされる完全出来高制の会社で、週に1日程度の出勤しか出来ていないことがわかりました。

さらに詳しくお聞きすると、意欲低下や倦怠感などの症状のため、働くのはこれが限度であるとのお話でした。

また恐怖心からバスや電車等の公共機関は利用できず、人と会う必要がある時は頓服と服用しているという事でした。

明らかに通常の勤務が出来ている状態ではなかったため、これらの情報をまとめ、診断書を作成してもらう現主治医に説明を行い、診断書の内容にも反映して頂くことにしました。

加えて、生活上の支障や制限などもヒアリングした内容をお伝えし評価をお任せしました。

申請内容には、仕事に制限・支障があることが把握できるよう、出勤簿等を参考資料として添付。

申立書にも就労中の様子や生活面での制限などを明記し主張しました。

結果は当方の主張が認められ『障害厚生年金3級』と認定を受けることができました。

 

【ポイント1】精神疾患と就労

必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。

とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。

就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。

たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。

また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。

 

【ポイント2】 医師への説明

医師に、ご自身のつらい症状を上手に話せなかったり、努めて明るく振舞おうとしたりして、実際の状態を診断書に反映していただけない場合があります。

口頭での説明が難しい場合は、日常生活の状況についてのメモを持参するなどして、医師に伝えることも大切です。

 

その他の精神の事例

 

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