障害年金よくある質問・26選に完全回答

「障害年金についてもっと詳しく知りたいけど、何を調べればいいかわからない。」「そもそも何を質問したらいいかもわからない。」

一度はこのように考えたことはないでしょうか?

障害年金は「身体」「精神」と対象となる範囲が広いうえに、一人一人の症状によって支給される額までも変わってきます。

分かりにくいと思われるかもしれませんが、だからと言って「もしかしたらもらえる可能性があるお金」について知らずにいるのはもったいないと思いませんか?

それに、障害年金の知識をある程度持っておくだけで、自分だけではなく、家族や周りの友人を助けることにつながるかもしれません。

そこで本記事では、私が社労士として活動している10年間の中で、よく聞かれてきた合計25個の質問に一つずつ答えていきたいと思います。

「これについて知りたかった!」と思えるものがで出てくるかもしれないので、ぜひ最後までお読みください。

目次

Q1:軽度のうつ病で障害手当金を受け取ることはできますか?

うつ病で障害手当金を受け取ることはできません

うつ病で障害手当金を受け取ることはできません。

障害手当金とは初診日に厚生年金に加入していた方が受けれる障害厚生年金4級相当と言われる一時金のことです。

この「障害手当金」を受け取るには、以下の二つの点が重要になります。

  • その病気やケガが治った(症状固定した)事
  • 障害が残った状態

「症状固定する」とは、その病気がそれ以上よくなったり、逆に悪くなったりすることがない状態のことを言います。

うつ病は「症状固定しない病気」のため、障害手当金を受け取ることはできません

障害手当金に該当するのは、片目の視力が著しく下がった場合や片手の指の3本以上が使えなくなった場合などが該当します。

詳しく知りたい方は、障害認定基準で調べてご自身の障害の基準を確認してみてください。

Q2:障害年金の更新をスムーズに行うために事前に何を準備したらいいですか?

診断書

診断書の準備をしておきましょう。

更新の月は、誕生日月の月末までに手続きが必要になります。

年金機構から更新月の3か月前の月末に「診断書」が送られてきます。

もし2023年12月が更新月であれば9月末ころに届くということです。

つまり、そこから誕生日月末までが更新までの「準備期間」となります。

初めての更新の方は、年金証書の右下に次回の更新月が記載されています。

過去に更新をしたことがある場合は、前回の結果通知のハガキをみて次回の更新がいつなのかを確認しましょう。

更新月が近づいて診断書が届いたら、そのタイミングで病院の予約を入れて、計画的に診断書を書いてもらうのがおすすめです。

また、提出が早ければ早いほど審査は早くなります。

Q3社労士に障害年金の相談するとき自分でやっておくべき事はありますか?

相談に必要なもの

相談内容にもよりますがご連絡をいただく際に必要なものは特にありません。

相談の中でも一番多い内容は「今の状態で障害年金をもらえますか?」というご相談です。

この質問にお答えするのためには「今の症状によってどれだけ日常生活に制限があるのか」 ということが重要になります。

病気に応じたポイントにそって、当事務所から質問をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

Q4:うつ病で一人暮らしだと障害年金の審査が難しいってホントですか?

障害年金というのは、その病気やケガによって、「どれだけ日常生活に支障があるのか」という点がポイントです。

一般的なうつ病の症状は以下のような症状です

  • 気分が強く落ち込む
  • 憂うつになる
  • やる気が出ない

つまり、うつ病の症状が重たければ重たいほどに

  • ご飯が食べられなかったり
  • お風呂に入れない
  • 洗濯ができない

と、日常生活に大きな支障がでてきます。

それでは、一人暮らしをしている場合はどうでしょうか。

生活のことを全部自分でできてるという場合、そのうつ病は軽度なのでは?となるわけです。

しかし、一人暮らしをしてるからと言って、必ず不支給なるわけではありません。

たとえば、訪問看護や生活介護などの医療・福祉制度に助けてもらっている、実家で暮らすと症状が悪化するために仕方なく一人暮らしをしている、といったように「なぜ、一人暮らしなのか」をしっかりと表すことで実際に受給できた事例も多くありますので、心配な方は社労士に相談をしてみましょう。

Q5:障害年金の診断書はだいたい何日位で仕上げてくれるものですか?

診断書が完成するまでの平均的な期間は、2∼3週間程度です。

ただ、あくまで平均です。

今までの事例で1日で完成した場合もありましたし、逆に半年以上掛かったというケースもあります。

Q6:障害年金の診断書を書いて貰ったけど読めません。このままで大丈夫?

手書きの診断書

最近はパソコンで作成されているものが多く、手書きの診断書はほとんど見なくなりましたが、私が初めた10年前は手書きの診断書が多かったです。

これに関しては社労士によって見解が色々とあると思います。

正直、正解は分かりません。

当事務所がどのように考えているのかを紹介します。

障害年金は「書類審査」です。

面接はなく、提出した書類だけで審査されます。

そして、その審査をするのは「人」なんです。

AIではありません。

毎日、数百件の審査が届いている中で、中身が読めない診断書が届くとどうすると思います?

審査する担当の方によっては、病院に「何って書いてるか教えて?」って聞いてくれる方もいるかもしれませんが、逆の担当の方もいる可能性もありますよね?

それによって、本来通るはずの審査が通らないということもあると思います。

だからこそ、当事務所では何と書いてるか分からない診断書を、そのまま提出するってことはありません。

Q7:障害年金の結果は何日に発送されるとか決まってますか?

木曜日

日本年金機構のスケジュールには、木曜日に「決定通知を発送する」と表記されています。

そのため、皆さまのご自宅に届くのは、金曜日から月曜日の間ってことが多いです。

最近は、普通郵便が土曜日に配達されなくなったりで、届くのに時間がかかるようになってきていますが、結果は早くほしいですよね。

Q8:どこの年金事務所に提出すると障害年金の受給率が上がりますか?

全国の年金事務所で提出された書類は東京の「日本年金機構障害年金センター」というところに集められて審査されます。

つまり、A年金事務所に提出したら落ちたけど、B年金事務所に提出したら通ったというようなことはありません。

Q9:不支給決定後は何ヶ月経てば再チャレンジできますか?

すぐに再申請できます

「額改定請求」の場合は基本的には一年たたないと請求ができませんが、不支給の場合はすぐにでもできます。

極端にいえば、不支給通知が届いた翌日に提出してもOK。

実際、すぐに申請して通ったという事例もありますので、不支給通知が来ても審査請求ではなく、最初から申請しなおすという「再申請」も選択肢の一つです。

ただ、期間が短いことが理由で「前回の申請からあまり期間が空いて無いから症状に変化がないはず」という理由で不支給になったっていうこともあります。

Q10:年金事務所へ相談へ行くとき何があったらスムーズに進む?

年金事務所に相談に行かれる場合、以下の2つを用意して行かれると良いと思います。

  • 「年金番号がわかるもの」または「マイナンバーカード」
  • 「身分証明書」

持ち物ではないのですが、以下のことを当日必ず聞かれますので、事前に準備しておきましょう。

  • 病名
  • その病気で初めて病院へ通ったのはいつ頃か
  • 今の症状

Q11:障害年金の更新の審査って、認定医は30秒しか見ないってホントですか?

障害年金の更新審査

以前、元認定医だった先生にお話を聞いたことがありますが、30秒から1分くらい目を通す程度だそうです。

今がどうかはわかりませんが、毎日数百件の申請が届く中で、1件あたりに10分や20分も掛けてるとは考え難いので、同じような感じかなと考えています。

逆に言えば、その短時間でいかに、障害等級に該当しているのかを伝える書類を作成するにはどうすれば?って考えればいいわけです。

Q12:更新のときって診断書以外に何か提出するものはありますか?

診断書

障害年金の更新は原則的には診断書だけでOKです。

ただ、その診断書だけで「今の状態、今の日常生活や就労状況」といったことを「しっかり伝えることができるか」が重要となってきます。

診断書だけでは不安な方はは、必要に応じて申立書や補足資料を添付するとよいでしょう。

例えば、就労しているケースでしたら、働いている会社の上司の方などから仕事中の様子などを書いてもらうこともあります。

Q13:親がビル・ゲイツ並みの金持ちでも子供が障害年金の対象であれば申請できる?

障害年金は本人が障害年金の等級に該当さえしていればもらうことができます。

また、配偶者(旦那さんや奥さん)が多く稼いでいても、同様に受給することができます。

ただ、配偶者や子どもの所得が多い場合で、その方々が加算の対象となっている時は、加算については停止されることもあります。

Q14:退職して国民年金に切り替わった人でも障害厚生年金を申請できますか?

障害年金は、あくまで初診日主義です。

初診日にどの制度に加入していたかによってもらえる年金が変わってきます。

初診日の段階で厚生年金に該当していたのであれば、そのあと仕事を辞めていても、その病気での申請は障害厚生年金になります。

逆に国民年金の期間に初診日がある場合、そのあと厚生年金に加入したとしてもその病気での年金は障害基礎年金でしかもらえません。

Q15:本当ですか?主治医に障害年金の相談したら「通院頻度が少ないから落ちる」と言われました。

通院頻度だけを理由として落ちるということは無いと思います。

通院頻度よりも「なぜ診察の頻度が少ないのか 」という点が審査の上で重要になってきます。

例えば、すごく症状が重たくて外に出れないから通院頻度が少ないという場合は、比較的審査は通りますが、逆に体調がすごく良くて通院頻度が少なくなったっという場合は審査は通りにくいです 。

ただ、病気の種類にもよります。

例えば精神疾患であれば先程の説明の通りです。

人工関節や知的障害であれば、病院はほとんど行かないでしょう。

てんかん発作のように定期的に通院して薬を貰わないと行けないような病気で通院してなければ「どうして通院していないの?」となります。

Q16:障害年金の申請には回数制限があると噂で聞きましたが、本当ですか?

障害年金の申請は特に制限はありません。

何回でも申請することができますが、前回なぜ落ちたのかの理由が重要です。

例えば、初診日の証明ができず落ちたのであれば、次の申請ではそこをしっかりと証明する必要があります。

前回引っかかったポイントが、今回解決できるのであれば再チャレンジしてみるといいと思います。

Q17:偶数月に振り込まれた年金って、いつ分の障害年金ですか?

障害年金の支給は、原則、偶数月の15日です。

この年金は、振り込まれる月の前月と前々月分の年金です。

Q18:転院するのですが、障害年金の更新のためにも紹介状は必須ですか?

病院を移る時のポイントは、新しい病院の先生にいかにスムーズに自分の症状を把握してもらうかという点です。

その点で考えると、やはり紹介状は書いてもらったほうが良いと思います。

それ以外にも、おくすり手帳や前回申請した時の障害年金の診断書や、口頭での説明で先生にしっかりと自分の状態を知ってもらうようにしましょう。

あとは、病院を変わってすぐに診断書を書いてもらえることはまれです。

数ヶ月様子をみてからようやく書くというケースもありますので、更新期限の直前での転院は控えたほうが良いかと思います。

Q19:薬局でメンタルの漢方薬を買ったのは、障害年金の初診日になりますか?

初診日にならない

障害年金でいう初診日とは、年金を請求しようと思っている病気やけがで、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日のことです。

「医師または歯科医師の診察を受けた日」ということなので、薬局で薬を買ったという今回のケースは初診日とはなりません。

また、整骨院も初診日には該当しませんので要注意です。

Q20:精神福祉手帳3級でも障害年金2級は貰えますか?

障害者手帳と障害年金の等級が違うことはよくあります。

障害年金の認定基準と障害者手帳の交付基準は全く別というのが理由です。

1級の精神福祉手帳をもらっているからといって、1級の障害年金が必ずしも受け取れるわけでは無いということです。

Q21:障害年金は指定医がいる病院でないと手続きできないのでしょうか?

診断書を作成する医師

障害者手帳は指定医の先生しか診断書が書けません。

しかし、障害年金の受給に必要な診断書は、指定医以外の先生の書いた診断書でもOKです。

病院もどこの病院でも大丈夫です。

ただし精神での申請場合は、精神科・メンタルクリニック・心療内科で書いてもらう必要があります。

Q22:障害年金を申請する時の診断書も「開封厳禁の封筒」で貰うのですか?

診断書の受け取り方は、病院によって違ってきます。

診断書をそのままの状態で渡される場合もあります。

また封筒に入れて封をしていない場合や、逆に封がされて「開封厳禁」としている場合もあります。

ただ、開封しても審査には影響しません。

むしろ、封がしてあるからと言って、そのまま提出した結果、そこには実際の症状より軽い内容が書かれていて、それが原因で不支給ということもありますので、診断書の内容は必ず確認するようにしてください。

Q23:日本年金機構に提出される障害年金の申請数は、1日◯◯件?

厚生労働省の好評によると1年間で約11万件の申請があるそうです。

年金機構が年間で250日稼働だと考えると1日に大体440件の提出があるということになります。

それだけの件数をどうやって、対応しているのか、審査の内部を見てみたいです。

Q24:障害年金の審査ってどれくらいの時間がかかるの?

3ヶ月

障害年金の審査期間は、約3月か月といわれています。

早ければ2か月、遅いと半年以上かかることもあります。

審査が遅れる場合は「審査遅延の通知」が届きます。

遅延通知が届いていないということは審査が進んでいるということですので、あまり不安に思いすぎないようにしましょう。

Q25:障害年金は老齢年金に影響する?

多くの方が障害年金が老齢年金に影響するのでは、と不安に感じられてます。

障害年金は老齢年金に影響しません

障害年金を受給した事を理由に、将来もらえる老齢年金が減額されることもありません。

老齢年金というのは年金を納めている限り、その状況に応じて受け取れる金額が決まります。

例えば障害年金を受給して法定免除をした場合は、将来もらえる年金が減額されることになりますが、それも法定免除をしたからであって、「障害年金を受給した=将来の年金が減る」ってことではありません。

法定免除に関しては「障害年金の受給者が国民年金を免除(法定免除)すべき理由」のページで詳しくご説明していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

Q26:初診日だけ厚生年金の場合、受給できる障害年金の種類はどれ?

障害年金は初診日に加入していた年金制度によって決まります。

初診日に厚生年金に加入している場合は「障害厚生年金」の対象となります。

初診日に国民年金、第3号または学生(20歳未満)だった場合は、「障害基礎年金」の対象となります。

そのため、もし初診日時点で厚生年金に加入していて、その後すぐに退職をしたとしても、その病気で受け取れる障害年金は「障害厚生年金」となります。

まとめ

本記事は「これ1本でOK、障害年金よくある質問26選」に完全回答していきました。

  • 直接問い合わせるのは気が引ける…
  • 障害年金について詳しくなりたいけど何を調べたらいいかわからない…
  • そもそもだけど何を質問したらいいかもわからなかった…  

本記事がそんな方のお力になれたらこれほど嬉しいことはありません。

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障害年金コンサルタントの松岡由将です。このチャンネルでは『障害年金』に関する、さまざまな情報を発信していきます。ぜひチャンネル登録をお願いします。また取り上げて欲しい話題などがあれば、コメント欄で教えてくださいね!【全国障害年金サポートセン...

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