【事例270】うつ病|障害厚生年金3級(精神疾患で一人暮らしの事例)

うつ病の障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 年額 約75万円
障害の状態
  • 意欲減退や自己嫌悪、被害妄想、拒食といった多岐に渡る症状あり
  • 単身にて生活している
  • 申請時は休職中であった
  • 精神障害者保健福祉手帳2級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

50歳頃から体調が優れない日が続き、そのうち起きても意欲が湧かず食事すら取れない程の強い倦怠感が出始めたそうです。

徐々に仕事にも出勤できない状態となり、半日または一日の有給を使い、療養することも増えていったとの事です。

それでも体調は悪化する一方で休暇も頻回となったことから、会社より精神科への受診を勧められました。

受診した結果『うつ病』との診断が下り、医師の指示により約2ヵ月間休職となったそうです。

それから復職と休職を繰り返すようになり、55歳頃からは長期休職となりました。

症状改善の目途が経たず日常生活もままならない状態で、復職への焦りも強くなっていった頃、会社から退職を促されたことをきっかけに将来に対する不安が広がり、主治医に相談。

主治医から「障害年金受給を検討してみては」との助言を受け、ネットで見つけた当事務所にご相談がありました。

 

申請結果

ご相談者様の通院歴は、初診病院と現病院の2軒のみであったことから、申請書類としては非常にシンプルでした。

しかし休職と復職を頻回に繰り返している等、病歴が複雑であることが申請上の課題となりました。

また休職中とは言え『会社に属していること』や『単身で生活していること』などが生活能力があると判断され、不支給となる可能性があることが懸念材料となりました。

複雑な病歴については、ご持参いただいた休職診断書を元にヒアリングを行い、休職期間中と復職中に分けて病歴就労状況等申立書に記載し、各時期の症状や様子、復帰後であれば就労状況などを反映。

診断書には『休職中』であることをしっかりと明記して貰い、加えて現在会社から退職を促されているという状況、今後の復職目途などを医師にお伝えして反映して貰いました。(ポイント①)

さらに『単身』であることについては、現時点の生活状況を詳細に医師に報告し、報告内容を元に生活能力を判断して頂いた上、診断書に明記して貰う等の対策を取りました。(ポイント②)

実態の詳細をしっかりと主張した結果、無事に『障害厚生年金3級』との認定を受けることが出来ました。

 

【ポイント1】休職中の障害年金申請(精神の障害)

精神の障害では『労働能力の有無』が認定基準に明記されていることから、重要な審査基準の1つとなります。

よって休職中である場合は、診断書等に『休職中であること』を必ず記入しましょう。

とくに社会保険に加入されている方は、休職中であっても診断書等で確認が取れないと、社会保険の加入状況により就労の有無を判断されるため、注意が必要です。

休職中であっても社会保険に加入していることをもって、就労中であると誤認される可能性があります。

なお、診断書内には休職中であることをチェックする項目が用意されていない為、休職中であることを医師に伝え、就労状況欄に記入して貰う必要があります。

 

【ポイント2】 『単身』で生活している場合(精神の障害)

精神の障害では、生活での支障が審査に大きく影響します。

認定される方の多くは、生活に大きな支障があるため周囲の支援や援助が必要な事が多く、単身で生活することが困難なケースが殆どとされています。

このような経緯から、一人暮らしをしている場合『自立した生活を送れている』と評価される可能性があります。

しかし単身生活であっても、家族等以外(ヘルパー等の生活支援)や日常生活が成り立っていない状況の場合は、申請内容に反映することで認定の確立を上げることができます。

 

その他の精神の事例

 

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