【事例300】統合失調症|障害基礎年金2級(治療の過程で診断名が変った事例)

統合失調症基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 日常生活の殆どが家族の支えで成り立っている
  • 自分の部屋に閉じこもっている
  • 妄想や幻聴などの陽性症状がある
  • 精神障害者保健福祉手帳:なし
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

中学3年生の頃から「周りから文句を言われている」と感じパニック状態になることがありました。

動悸・過呼吸等の症状もあったため、ご両親に連れられてメンタルクリニックを受診しました。

高校はなんとか、保健室登校などで乗り越えたとのことでした。

高校を卒業した後は、すぐに就職をしましたが、1週間以内に出勤が難しくなり退職となりました。

それから30歳になる頃まで、自宅療養を続けられてきました。

約15年もの間、治療を行ってきましたが症状に改善は見られず、食事、掃除、通院などのほとんどの日常生活をお母様からの援助のお陰で行えている状態でした。

これまでの治療で、病名がパニック障害、うつ病、双極性障害、解離性障害、統合失調症と短期間で変わってこられました。

過去に障害年金を試みた際にパニック障害や解離性障害は対象外と聞き諦めていましたが統合失調症になったことで、受給の可能性を知りたいとご連絡を頂きました。

 

申請結果

今回のケースのようにメンタル系の疾患では治療の過程で診断名が変わるということはよくあります。

障害認定基準の47Pに精神疾患の特徴を以下のように記載されています。

精神の障害は、多種であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様である。
したがって、認定に当たっては具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断するとともに、その原因及び経過を考慮する。

このことから、精神疾患の枠内で治療を行ってきた場合、途中でうつ病、パニック障害などのように病名が変わった時も一つの繋がった病気と考え、最初に病院を受けた日を初診として手続きを行います。

統合失調症も、初診時の病名が今回のようにパニック障害などの神経症であっても、この両者には相当因果関係(ポイント①)が認められて神経症で初めて受診した日を初診日として認定されることが通常と考えられます。

しかし、過去の事例勉強の機会に同様のケースで神経症と統合失調症の相当因果関係を認められず不支給となったという事例を学んだ事がありました。

そこで、最悪のケースとして認められなかった時を想定して不服申立ても戦えるように準備をして審査に挑みました。

例えば、途中で病名の変更はあったものの、症状は一貫している事などを書類に盛り込んで作成していきました。

その結果、当初の主張通り、パニック障害による初診日が認められ、障害基礎年金2級に認定されました。

 

【ポイント1】相当因果関係について

「前発の傷病がなければ、後発の傷病は起らなかったであろう」と認められる場合は相当因果関係ありとして、前後の傷病が同一の傷病として取り扱われます。

つまり、前発の傷病で最初に医師の診療を受けた日が後発傷病の初診日として取り扱われることとなります。

例えば相当因果関係があるものとしては以下のようなものがあります。

  • 糖尿病→糖尿病性網膜症または糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈閉塞症等
  • 糸球体腎炎(ネフローゼ含む)、多発性のう胞腎、腎盂腎炎→慢性腎不全
  • 肝炎→肝硬変
  • 結核の化学療法による副作用として聴力障害
  • ステロイド投薬→大腿骨頭壊死
  • 事故または脳血管疾患→精神障害

他の傷病でも相当因果関係ありとされる傷病はある為、複数傷病を発症している場合は初診日の取扱いには注意が必要です。

 

【ポイント2】強迫性障害などの神経症

強迫性障害、PTSD、パニック障害などを神経症と呼びます。

これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。

但し、うつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。

 

その他の精神の事例

 

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