目次
対象者の基本データ
病名 | 統合失調症(とうごうしっちょうしょう) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約77万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
元々、小さな頃から几帳面な性格だったとのことです。
最初の発症は中学生の頃でした。
不潔に対する恐怖がひどくなり、水などの液体を怖がるようになりました。
トイレの後は体中をアルコールなどの除菌剤で数時間にわたり除菌殺菌したり入浴に5時間以上かかるといった症状が現れたため、両親に連れられてメンタルクリニックを受診したところ、「強迫性障害」として診断をされました。
10代の当時は症状が安定していた時期もあり、一旦は大学へ通っていましたが、症状の悪化に伴い中退となりました。
その後も治療を継続するも改善が見られなかったため転院をしたところ病名が「統合失調症」となりました。
通院以外は部屋から出ることが出来なくなり引きこもった生活となりました。
また、トイレも自室に、おまるを置いていたとのことです。
主治医からも入院を勧められていますが、母以外からの介護は受け入れることが出来ず、自宅療養を続けています。
今回はお母様からのご相談でしたが、普段は介護により家を離れることが出来ない為、
ご本人が眠るタイミングを見計らってご相談に来られました。
申請結果
最初から最後までご本人様とは会うことがなく、代理人であるお母様と手続きを進めていきました。
障害年金の為ですが、ご本人様と会うことによって症状の悪化を招く恐れがあるケースではこのように代理人にご協力をいただくことがあります。
今回は症状の一つとして他人に対する恐怖や不信というのが手続きのネックとなりました。
というのも、この症状は医師に対しても同様であったため、これまでに相当数の転院を繰り返してきていました。
精神で障害年金を申請する場合、診断書と病歴就労状況等申立書の中に、これまでの通院歴を記載する必要があります。
そこで、お母様と過去の病院の整理からはじめました。
お薬手帳、領収書、お母様の日記などを見ながらこれまでの治療の経緯をまとめる作業を行いました。
また、請求時の主治医も通院歴は把握しておられないため、診断書を作成する過程で上記のまとめ資料は大変役に立ちました。
それ以外にも診断書だけでは見えない日常の様子などについても、審査担当へ伝わるように表現を行っていきました。
その結果、障害基礎年金2級として認定を得ることが出来ました。
【ポイント1】強迫性障害などの「神経症」
強迫性障害、PTSD、パニック障害などを「神経症」と呼びます。
これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。
ただしうつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。
【ポイント2】統合失調症の特性にも注意
統合失調症には「病識欠如」といった特性があります。
自身が病気であるという認識が乏しい場合、症状や状況を正確に伝えることが難しくなってしまいます。
そのため障害年金の申請には、ご家族や職場といった周囲の支援が必要です。
統合失調症にて障害年金の申請を検討されている場合は、身近な方が窓口となることでよりスムーズに申請できる可能性があります。
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