障害年金では、「20歳前傷病の障害年金」というものがあります。
これは、「初診日が20歳より前にある」場合の障害年金のことで、通常の障害年金と異なる点がいくつかあります。
障害認定日の考え方
障害認定日は「初診日から1年6カ月を経過した日」が20歳到達日の前か後かがポイントになります。
20歳到達日とは、20歳の誕生日の前日のことを言います。
20歳到達日の後の場合
初診日から1年6カ月を経過した日が、20歳到達日(20歳の誕生日の前日)より後にある場合は、「初診日から1年6カ月を経過した日」が障害認定日になります。
例えば、初診日の時点で19歳の場合、「初診日から1年6カ月を経過した日」は「20歳到着日」よりも後になりますので、「初診日から1年6カ月を経過した日」が障害認定日になります。
20歳到達日の前の場合
初診日から1年6カ月を経過した日が、20歳到達日(20歳の誕生日の前日)より前にある場合は「20歳到達日(20歳の誕生日の前日)」が障害認定日になります。
例えば、初診日の時点で15歳だった場合、1年6カ月後は16歳又は17歳ですので、「初診日から1年6カ月を経過した日」は「20歳到着日」よりも前になります。
その場合は「20歳到達日(20歳の誕生日の前日)」が障害認定日になります。
障害等級
20歳前傷病の場合、障害「基礎」年金の対象となるため、「2級」以上で受給となります。
3級はありません。
診断書
20歳前傷病の障害年金請求時に必要な診断書ですが、「20歳到達日の前後3カ月」以内を現症日とする診断書が必要となります。
「前後3カ月」ですので、19歳10カ月~20歳3カ月の間=6カ月間
この期間内の現症日で記載されたもの、ということになります。
また、「特別児童扶養手当」を受けている場合、その申請時に提出した診断書があれば、そちらを提出することも可能です。
ただし、提出したからといって必ずしも認定されるとは限りませんのでご注意ください。20歳の認定日頃の診断書が取れない場合などに活用できます。
保険料納付要件
20歳までは、国民年金の加入義務はありませんので、保険料を納めているかどうかの納付要件は問われません。
ただし、20歳よりも前にお勤めをされていて、初診日に厚生年金に加入していた場合は、注意が必要です。
「20歳前傷病の障害基礎年金」ではなく、「通常の障害厚生年金」の請求となりますので、納付要件が問われることになります。
所得制限
保険料の納付要件は問われないのですが、20歳前傷病の障害年金には所得制限があります。
次の2段階で支給停止が設定されています。
①所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合:年金額の2分の1相当額の支給停止
②所得額が500万1干円を超える場合:全額支給停止
(日本年金機構HP「20歳前傷病による障害基礎年金にかかる所得制限」より)