はじめに
障害年金について調べていると、「障害基礎年金」という言葉を目にすることが多いと思います。
障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入していた方や、20歳前から障害のある方にとって中心となる障害年金です。
一方で、障害厚生年金との違いや3級がないことの意味、請求先や請求の期限は、分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、障害基礎年金の対象となる方、受け取るための3つの要件、等級と令和8年度の年金額、障害厚生年金との違い、20歳前に初診日がある場合の注意点、請求の方法を順に解説します。
障害基礎年金とは
障害基礎年金は、国民年金から支給される障害年金で、障害等級1級または2級に該当したときに受け取れます。
障害の原因となった病気やけがの初診日が、国民年金の加入期間、20歳前、日本国内に住む60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰上げ受給している方を除きます)のいずれかにあることが前提です。
あわせて、保険料納付要件を満たしている必要があります(20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合を除きます)。
障害年金の種類と障害基礎年金の位置づけ
障害年金には、国民年金の「障害基礎年金」と、厚生年金保険の「障害厚生年金」があります。
このほか厚生年金保険には、初診日から5年以内に病気やけがが治り(症状が固定し)、3級より軽い一定の障害が残ったときの一時金として「障害手当金」があります。
会社員や公務員の方は、厚生年金保険に加入すると同時に、国民年金の第2号被保険者にもなっています。
そのため、厚生年金保険の加入中に初診日があり、要件を満たして1級または2級に該当した場合は、原則として障害厚生年金とあわせて障害基礎年金も支給されます。
障害年金の全体像は、障害年金とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますで解説しています。
初診日にどの立場だった方が対象になるか
障害基礎年金の対象となるのは、初診日に次のいずれかにあたる方です。
- 自営業・フリーランス・学生・無職の方など(国民年金の第1号被保険者)
- 厚生年金保険に加入している会社員・公務員の方(第2号被保険者。1級・2級の場合は原則として障害厚生年金とあわせて支給されます)
- 会社員・公務員などに扶養されている配偶者の方(第3号被保険者)
- 20歳前で、年金制度に加入していなかった方
- 日本国内に住む60歳以上65歳未満で、年金制度に加入していない方(老齢基礎年金を繰上げ受給している方を除きます)
障害基礎年金を受け取るための3つの要件
障害基礎年金を受け取るには、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つをすべて満たす必要があります(20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません)。
いずれか1つでも満たしていないと、障害の状態が重くても受け取ることはできません。
要件1 初診日要件
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。
日本年金機構は、初診日の要件を次のように定めています。
障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
国民年金加入期間
20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
(日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)
ここでいう国民年金加入期間には、厚生年金保険に加入している第2号被保険者の期間も含まれます。
ただし、65歳以上で老齢基礎年金などを受ける権利がある方は第2号被保険者から除かれるため、この場合は1級・2級であっても障害厚生年金のみとなることがあります。
また、60歳以上65歳未満の未加入期間に初診日がある場合でも、老齢基礎年金を繰上げ受給している方は対象になりません。
初診日の確認には、初診の医療機関で作成してもらう「受診状況等証明書」などを使います。
初診日の考え方は、初診日とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますで詳しく解説しています。
要件2 保険料納付要件
保険料納付要件は、初診日の前日の時点で、保険料を納めていたか、または免除を受けていたかを確認する要件です。
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和18年3月末日までのときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。
(日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)
「初診日の前日」の時点で判断するため、初診日以後に未納分を納めても、納付要件を満たしたことにはなりません。
保険料の全額免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けていた期間は、納付要件の対象期間に含まれます。
一部免除(4分の3免除・半額免除・4分の1免除)の承認を受けていた期間は、減額された保険料を納めている必要があり、納めていない期間は納付要件の対象期間に含まれません。
一方、未納のままの期間について、病気やけがが発生してからさかのぼって免除を申請しても、納付要件には算入されません。
なお、20歳前でも、厚生年金保険に加入して働いていた期間に初診日がある場合は、納付要件が問われます。
受給要件の全体は、障害年金をもらえる人|3つの受給要件をわかりやすく解説でも解説しています。
要件3 障害状態要件
障害状態要件は、障害認定日に、障害の状態が障害等級1級または2級に該当していることです。
障害認定日は、障害認定基準で次のように定義されています。
「障害認定日」とは、障害の程度の認定を行うべき日をいい、請求する傷病の初診日から起算して1年6月を経過した日又は1年6月以内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)をいう。
(国民年金・厚生年金保険 障害認定基準〔令和4年4月1日改正〕)
障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日に障害の状態を判断します。
等級に該当するかどうかは、障害の種類ごとに定められた障害認定基準に基づいて判断されます。
障害認定日に等級に該当しなかった方でも、その後に症状が重くなって該当したときは、事後重症による請求ができます。
事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があり、年金は請求した日の翌月分からとなります。
また、老齢基礎年金を繰上げ受給した後は、事後重症による請求はできません。
障害認定日については、障害認定日とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますをご覧ください。
障害基礎年金の等級と金額(1級・2級のみ)
障害基礎年金の等級は1級と2級の2つだけで、3級はありません。
年金額は等級ごとに定められた定額で、子がいる場合は子の加算額が加わります。
1級・2級の状態の目安
日本年金機構は、障害基礎年金の1級・2級に該当する状態を、次のように説明しています。
障害の程度1級
他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
障害の程度2級
必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
(日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)
これはあくまで目安であり、実際の等級は、障害の種類ごとの認定基準に照らして個別に判断されます。
3級がないことで生じる違い
障害基礎年金には3級がないため、3級に相当する程度の障害では、障害基礎年金は支給されません。
3級の障害厚生年金と、一時金の障害手当金は、初診日に厚生年金保険に加入していた方が対象となる制度です。
そのため、同じ程度の障害でも、初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受け取れるものが変わることがあります。
障害手当金については、障害手当金とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますをご覧ください。
令和8年度の年金額
令和8年度(2026年4月分から)の障害基礎年金の額は、次のとおりです。
| 等級 | 昭和31年4月2日以後生まれの方 | 昭和31年4月1日以前生まれの方 |
|---|---|---|
| 1級 | 1,059,125円+子の加算額 | 1,056,125円+子の加算額 |
| 2級 | 847,300円+子の加算額 | 844,900円+子の加算額 |
| 子の加算額 | 年額 |
|---|---|
| 2人まで | 1人につき243,800円 |
| 3人目以降 | 1人につき81,300円 |
子の加算額は、受給者に生計を維持されている子がいるときに加算されます。
ここでいう子とは、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。
1級の基本額は2級の1.25倍ですが、子の加算額は1級・2級で同じ額です。
障害基礎年金の額は、保険料を納めた期間の長さや、以前の収入によって変わることはありません。
また、障害基礎年金には配偶者の加算はありません。
配偶者の加給年金額は1級・2級の障害厚生年金に加算されるもので、受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。
ただし、配偶者が一定の要件を満たす老齢厚生年金・退職共済年金を受け取る権利があるときや、障害年金を受けられる間は、支給停止されます。
障害年金の額は毎年度改定されるため、現在の金額は障害年金でもらえる金額はいくら?をご覧ください。
2028年4月から子の加算額が引き上げられます
2025年(令和7年)に成立した年金制度改正法により、2028年(令和10年)4月から子の加算額が見直されます。
子を持つ年金受給者の保障を強化する観点から、現在受給している者も含めて子に係る加算額を引上げ。
※ 子に係る加算のない年金については、子に係る加算を創設。
子に係る加算については「国内居住要件」を設定。
(厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要」)
改正後の国民年金法第33条の2では、子の加算額は、3人目以降の子も含めて1人につき同じ額とされています(e-Gov法令検索「国民年金法」令和10年4月1日施行版)。
あわせて、1級・2級の障害厚生年金にも子の加算が設けられます(e-Gov法令検索「厚生年金保険法」令和10年4月1日施行版の第50条の2第1項)。
1級・2級の障害厚生年金と障害基礎年金を受けている方の場合、子の加算は障害厚生年金で行われ、障害基礎年金の同じ子の加算はその分が支給停止されるため、二重には加算されません(改正後の国民年金法第33条の2第1項第2号)。
具体的な額は年度ごとに改定されるため、施行が近づいた時点で日本年金機構などの案内をご確認ください。
障害基礎年金と障害厚生年金の違い・両方もらえるケース
障害基礎年金と障害厚生年金は、どちらも障害年金ですが、対象となる初診日や等級、金額の決まり方が異なります。
原則として、初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受け取れる年金が決まります。
ただし障害基礎年金には、20歳前や、日本国内に住む60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間に初診日がある場合の取扱いもあります。
障害厚生年金の受給要件や3級、年金額の決まり方は、障害厚生年金とはで詳しく解説しています。
障害基礎年金と障害厚生年金の比較
主な違いを表にまとめました。
| 項目 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
|---|---|---|
| 制度 | 国民年金 | 厚生年金保険 |
| 対象となる初診日 | 国民年金の加入期間、20歳前、日本国内に住む60歳以上65歳未満の未加入期間(老齢基礎年金の繰上げ受給者を除く) | 厚生年金保険の被保険者期間 |
| 等級 | 1級・2級 | 1級・2級・3級(ほかに一時金の障害手当金) |
| 年金額の決まり方 | 等級ごとの定額 | 報酬比例の年金額(1級は1.25倍。1級・2級は障害基礎年金に上乗せ。3級には最低保障額あり) |
| 加算 | 子の加算額 | 配偶者の加給年金額(1級・2級・要件あり) |
| 本人の所得による支給制限 | 20歳前の傷病による場合のみあり | なし |
| 主な請求先 | 住所地の市区町村役場(第3号被保険者期間に初診日がある場合は年金事務所など) | 年金事務所・街角の年金相談センター |
初診日に共済組合等に加入していた方(公務員・私立学校の教職員など)は請求先が異なるため、加入していた共済組合等にご確認ください。
両方を受け取れるのは初診日に厚生年金保険に加入していた方
初診日に厚生年金保険に加入していて、要件を満たして1級または2級に該当した場合は、障害厚生年金と障害基礎年金をあわせて受け取ります。
1階が障害基礎年金、2階が障害厚生年金という「2階建て」の形です。
3級に該当した場合は障害厚生年金のみで、障害基礎年金は支給されません。
また、65歳以上で老齢基礎年金などを受ける権利がある方は第2号被保険者から除かれるため、その期間に初診日がある場合は、1級・2級であっても障害厚生年金のみとなることがあります。
初診日の加入制度を間違えやすいケース
次のようなケースは、どちらの年金の対象になるかを誤解しやすいため注意が必要です。
- 厚生年金保険の被保険者として働いていた間に初診日がある場合:退職してから請求しても、障害厚生年金の対象です
- 退職して厚生年金保険の被保険者でなくなった後に初診日がある場合:障害厚生年金の対象にはならず、国民年金の加入期間などにあたれば障害基礎年金の対象です
- 会社員などに扶養されている配偶者(第3号被保険者)の期間に初診日がある場合:障害基礎年金の対象で、請求先は年金事務所または街角の年金相談センターです
- 20歳前でも、厚生年金保険に加入して働いていた期間に初診日がある場合:障害厚生年金の対象で、保険料納付要件も問われます
ご自身の加入記録は、「ねんきんネット」や年金事務所で確認できます。
20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金
20歳前に初診日がある場合は、年金制度に加入していなくても障害基礎年金の対象になります。
その一方で、日本年金機構は次のように説明しています。
20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、年金の加入を要件としていないことから、年金の支給に関して制限や調整があります。
(日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」)
保険料納付要件は不要・20歳から受け取れる
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。
障害認定日(初診日から1年6か月を経過した日など)も20歳前にある場合は、20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)に障害の状態を判断し、該当すれば20歳に達した日の翌月分から受け取れます。
請求が遅れた場合にさかのぼって受け取れるのは、時効により5年分が限度です。
障害認定日が20歳より後になる場合は、原則どおり障害認定日の状態で判断します。
20歳の時点で等級に該当しなかった場合でも、その後に該当すれば事後重症による請求ができます(65歳の誕生日の前々日まで・請求した日の翌月分から・老齢基礎年金の繰上げ受給後は不可)。
先天性の知的障害は、出生日が初診日として扱われます。
発達障害は、症状があって初めて医師の診療を受けた日が初診日となるのが原則です(知的障害を伴う場合は、出生日として扱われることがあります)。
詳しくは、20歳前障害年金とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますをご覧ください。
本人の所得による支給停止
20歳前の傷病による障害基礎年金は、受給者本人の前年の所得が一定額を超えると、年金額の2分の1、またはその全額が支給停止となります。
所得の基準額は扶養親族の数に応じて加算され、前年の所得にもとづく支給停止の対象期間は、10月分から翌年9月分までです。
基準額は政令で定められており、令和8年10月分から改定されています。
支給停止となっても受給権がなくなるわけではなく、前年の所得をもとに、対象期間ごとに判断されます。
基準額の具体的な金額は、「障害年金に所得制限はありますか?」をご覧ください。
この所得による支給制限は、20歳前の傷病による障害基礎年金に設けられたもので、障害厚生年金にはありません。
そのほかの支給制限
恩給や労災保険の年金などを受けているときは、その受給額について障害基礎年金の年金額が調整されます。
海外に住んだときや、刑務所などの矯正施設に入所したときは、年金の全額が支給停止されます。
ただし、矯正施設に入所していても、有罪が確定していなければ支給停止とはなりません。
いずれの場合も、所定の届出が必要です。
障害基礎年金の請求時期・請求先と受給後の手続き
障害基礎年金は、要件を満たしていても、請求しなければ受け取ることはできません。
ここでは、請求の時期と請求先、受給が決まった後に必要な手続きを説明します。
2つの請求方法
障害の状態に該当した時期に応じて、請求方法は「障害認定日による請求」と「事後重症による請求」の2つに分かれます。
障害認定日による請求
障害認定日に障害の状態に該当していれば、障害認定日の翌月分から年金を受け取れます(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日の翌月分から)。
請求書は障害認定日以降いつでも提出できますが、さかのぼって受け取れる年金は、時効により5年分が限度です。
年数がたつほど受け取れない部分が生じるため、要件を満たしていそうな方は早めに請求をご検討ください。
さかのぼって請求する方法は、障害年金の遡及(そきゅう)請求とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますで解説しています。
事後重症による請求
障害認定日に該当しなかった方でも、その後に症状が重くなって該当したときは、請求した日の翌月分から年金を受け取れます。
請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があり、請求が遅くなるほど受け取り始める時期も遅くなります。
また、老齢基礎年金を繰上げ請求した日以後は、事後重症による請求はできません。
詳しくは、事後重症請求とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますをご覧ください。
このほかに、「はじめて2級による年金」もあります。
すでにある障害と新たに発した傷病による障害とをあわせて、65歳に達する日の前日までに初めて1級または2級に該当した場合に支給されるものです。
名称は「はじめて2級」ですが、1級となる場合も含まれます。
請求先と主な書類
障害基礎年金の請求書は、原則として住所地の市区町村役場の窓口に提出します。
初診日が国民年金の第3号被保険者期間中にある場合は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターが提出先です。
請求には「年金請求書(国民年金障害基礎年金)様式第107号」を使い、主に次の書類を添えて提出します。
- 医師の診断書(現症日の範囲は下記のとおりです)
- 受診状況等証明書(初診時の医療機関と、診断書を作成した医療機関が異なる場合)
- 病歴・就労状況等申立書
- 受取先金融機関の通帳など(本人名義。請求書に金融機関の証明を受けた場合や、公金受取口座を利用する場合は不要)
- 生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本・住民票など。単身の方は、日本年金機構にマイナンバーが登録されているか、年金請求書にマイナンバーを記入することで、原則として添付不要になります)
- 20歳前の傷病による請求の場合は、本人の所得証明書(マイナンバーを記入することで添付を省略できます)
診断書は、障害認定日による請求では、障害認定日より3か月以内の現症のものが必要です。
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある方が障害認定日による請求をする場合は、障害認定日と20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)のうち遅いほうの日の前後3か月以内の現症のものが必要です。
診断書の基準となる日(障害認定日、または上記の遅いほうの日)と年金請求日が1年以上離れている場合は、年金請求日前3か月以内の現症のものもあわせて必要です。
子の加算の対象となる子がいる場合などは、ほかにも書類が必要です。
なお、初診日に厚生年金保険に加入していた方は、障害厚生年金の「年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付)様式第104号」を、年金事務所または街角の年金相談センターに提出します(初診日に共済組合等に加入していた方は、加入していた共済組合等にご確認ください)。
書類の一覧は障害年金の必要書類一覧|ケース別の添付書類も解説、手続きの流れは障害年金の申請から受給までの流れ|はじめての人にも分かりやすく解説しますで解説しています。
病歴・就労状況等申立書の書き方は、「病歴・就労状況等申立書」の書き方|記入例と自分で書く9つのコツをご覧ください。
受給が決まった後の手続き
障害基礎年金を受け取るようになったら、次の手続きや制度も確認しておきましょう。
国民年金保険料の法定免除
障害基礎年金(2級以上)を受けている方は、国民年金保険料の法定免除の対象となります。
「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を、住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口に提出します。
法定免除の期間は老齢基礎年金の額に一部しか反映されないため、満額にしたい場合は追納します。
詳しくは、障害年金の受給者が国民年金を免除(法定免除)すべき理由をご覧ください。
更新(障害状態確認届)
障害の状態に応じて提出が必要となる年には、誕生月の3か月前の月末に日本年金機構から「障害状態確認届(診断書)」が届きます。
誕生月の末日までに提出し、引き続き等級に該当するかを審査されます。
更新の流れは、障害年金の更新|手続きの流れと支給停止を防ぐポイントで解説しています。
額改定請求
障害の状態が重くなったときは、額改定請求によって等級の改定を求めることができます。
請求できるのは、原則として、受給権が発生した日または障害の程度の診査を受けた日から1年を経過した後です(障害の程度が増進したことが明らかな一定の場合を除きます)。
障害基礎年金を受けている方は、65歳を過ぎても額改定請求ができます。
一方、3級の障害厚生年金を受けている方(過去に支給事由を同じくする障害基礎年金の受給権を有していた方を除きます)は、65歳以上になると請求できないため、65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があります。
詳しくは、額改定請求とは|はじめての人にも分かりやすく解説しますをご覧ください。
障害年金生活者支援給付金
前年の所得が一定額以下の方は、障害年金生活者支援給付金を受け取れる場合があります。
障害基礎年金を新たに請求するときは、あわせて給付金の請求書を提出します。
障害基礎年金のよくあるご質問
障害基礎年金について、よくいただくご質問にお答えします。
Q:障害基礎年金は何歳から受け取れますか?
受け取り始める時期は年齢ではなく、障害認定日や請求した日を基準に決まります(上の「2つの請求方法」をご覧ください)。
20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日があり、障害認定日も20歳前にある場合は、20歳に達した日の翌月分からとなります(さかのぼって受け取れるのは、時効により5年分が限度です)。
Q:障害基礎年金と老齢年金は一緒にもらえますか?
公的年金は、支給事由(老齢・障害・遺族)が異なる2つ以上の年金を受けられるとき、原則としていずれか1つを選択します。
65歳以降は、障害基礎年金と老齢厚生年金、または障害基礎年金と遺族厚生年金を組み合わせて受け取ることもできます(年金受給選択申出書の提出が必要です)。
ただし、障害基礎年金と老齢基礎年金の2つの基礎年金をあわせて受け取ることはできません。
老後の年金との関係は、「【不安解消】障害年金受給中のあなたへ!老後の年金はこうなる!」で解説しています。
Q:働いていても障害基礎年金はもらえますか?
働いていることだけを理由に、障害基礎年金の対象外となるわけではありません。
等級は、障害の種類ごとの認定基準に照らし、診断書や病歴・就労状況等申立書などをもとに判断されます。
なお、20歳前の傷病による障害基礎年金は、本人の所得によって支給停止となる場合があります。
就労と更新の関係は、「就労を始めると障害基礎年金2級の更新は難しくなりますか?」をご覧ください。
Q:専業主婦(夫)や学生でも請求できますか?
初診日が第3号被保険者(会社員・公務員などに扶養されている配偶者)の期間にある場合も、国民年金の加入期間にあたるため、障害基礎年金の対象です。
学生の方も、20歳以上であれば国民年金の第1号被保険者として対象になります。
ただし、保険料を納めず、免除や学生納付特例も受けていない期間や、一部免除の承認を受けて減額された保険料を納めていない期間があると、保険料納付要件を満たさないことがあります。
学生納付特例の申請が遅れると、申請日より前に生じた障害について障害基礎年金を受け取れない場合があるため、早めの手続きが大切です。
Q:障害者手帳がなくても請求できますか?
請求できます。
障害者手帳と障害年金は別の制度で、手帳の有無や等級は、障害基礎年金の要件ではありません。
手帳の等級と障害年金の等級も、一致するとは限りません。
詳しくは、【知らないとマズい‼︎】「障害年金」と「障害者手帳」の関係をご覧ください。
手帳をお持ちでない状態で2級に認定された事例は、次の章でご紹介します。
障害基礎年金の受給事例
当事務所がサポートした、障害基礎年金の受給事例の一部をご紹介します。
初診日の状況や請求の方法が異なる3つの事例です。
20歳前の傷病の例として、知的障害で療育手帳B2をお持ちの方が、就労継続支援A型に通いながら障害基礎年金2級を受給した事例があります。
【事例170】知的障害|障害基礎年金2級(就労継続支援A型で就労していた事例)
障害認定日による請求の例として、障害者手帳をお持ちでない一人暮らしのうつ病の方が障害基礎年金2級に認定され、5年分をさかのぼって受給した事例があります。
【事例874】うつ病|障害基礎年金2級(精神疾患で一人暮らしの事例)
事後重症による請求の例として、障害認定日当時は不安障害で治療を受けていたため障害認定日による請求を見送り、事後重症による請求で障害基礎年金2級に認定された事例があります。
事後重症による請求は、65歳の誕生日の前々日までに行う必要があり、老齢基礎年金の繰上げ受給後はできません。
【事例854】うつ病|障害基礎年金2級(不安障害で治療をしていた事例)
上記は当法人が関与した個別の事例であり、認定の一般的な基準を示すものではありません。
※個別事案により判断は異なります。
まとめ
障害基礎年金は、国民年金から支給される障害年金で、等級は1級と2級のみです。
受け取るには、初診日要件・保険料納付要件・障害状態要件の3つをすべて満たす必要があります。
年金額は等級ごとの定額で、子がいる場合は子の加算額が加わります。
初診日に厚生年金保険に加入していた場合、1級・2級なら原則として障害厚生年金とあわせて受け取れますが、3級では障害厚生年金のみとなります。
20歳前の傷病による場合は保険料納付要件が問われない一方で、本人の所得による支給制限があります。
障害認定日による請求でさかのぼれるのは5年分が限度で、事後重症による請求は65歳の誕生日の前々日までに行う必要があります(老齢基礎年金の繰上げ受給後は不可)。
請求先は、原則として住所地の市区町村役場です。
障害基礎年金の請求をご検討中の方は、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年10月時点の年金法令・障害認定基準に基づき作成しています。
法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は日本年金機構の公式サイト等でご確認ください。
個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家へのご相談を推奨します。
医学的判断は主治医にご確認ください。
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