
これから障害年金を申請される方にとって、「何の書類を、どこで、どう揃えればよいのか」は最初の大きな悩みどころです。書類の種類が多く、作成する人(ご本人・医師・社会保険労務士)も書類ごとに異なるため、全体像が見えにくいと感じる方は少なくありません。
本記事では、障害年金の申請に必要な書類を一覧で整理したうえで、主要な書類の役割と準備のポイント、ご状況によって追加で必要となる書類、初診日を証明する書類が取得できないときの対応までを順に解説します。あわせて、令和7年(2025年)6月1日施行の様式変更で変わった点にも触れます。
目次
障害年金の申請に必要な書類【一覧】
障害年金の申請では、まず全員に共通する基本的な書類があり、そこにご本人の状況に応じた追加書類が加わります。ここでは、共通して必要となる書類の全体像を一覧でご確認いただけます。
障害年金を申請される方に共通して必要となる主な書類は、次のとおりです。
| 書類名 | 主な内容・確認事項 |
|---|---|
| 年金請求書 | 申請の中核となる書類(障害基礎年金は様式第107号、障害厚生年金は様式第104号) |
| ご本人の生年月日を明らかにできる書類(戸籍謄本・住民票等のいずれか) | マイナンバーの登録・記入により添付を省略できる場合があります |
| 受診状況等証明書 | 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合に、初診日の確認のために必要です |
| 診断書(障害年金用・所定の様式) | 医師が作成します。傷病に応じて様式が分かれています |
| 病歴・就労状況等申立書 | 障害の状態を確認するための補足資料です |
| 受取先金融機関の通帳等(本人名義) | 公金受取口座を利用される場合は添付不要です |
これらの様式は、お近くの年金事務所・街角の年金相談センターの窓口や、お住まいの市区町村役場で受け取れるほか、日本年金機構の公式サイトからダウンロードすることもできます。なお、ここに挙げたのはあくまで共通部分であり、ご本人の状況によって追加で必要となる書類があります。詳しくは後ほど解説します。
主要な書類とそれぞれの役割・ポイント
ここでは、申請の中核となる書類について、それぞれの役割と、作成する人の違い、準備の際のポイントを解説します。誰が作成するのかを押さえておくと、準備の段取りが立てやすくなります。
年金請求書(様式第107号・様式第104号)
年金請求書は、障害年金を請求するための中心となる書類です。初診日に国民年金に加入していた方は障害基礎年金用の様式(年金請求書〔国民年金障害基礎年金〕様式第107号)を、初診日に厚生年金に加入していた方は障害厚生年金用の様式(年金請求書〔国民年金・厚生年金保険障害給付〕様式第104号)を使用します。
なお、令和7年(2025年)6月1日施行の様式変更により、年金請求書の記載項目や添付書類の取扱いが一部見直されています。変更点は後の章でまとめて解説します。
受診状況等証明書(初診日を証明する書類)
受診状況等証明書は、障害の原因となった傷病で初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日)を証明するための書類で、原則として初診時の医療機関が作成します。初診の医療機関と診断書を作成する医療機関が同じ場合には、添付を省略できることがあります。
初診日は、受給要件や、どの年金から給付を受けるかを左右する重要な日付です。詳しくは関連記事もあわせてご覧ください。
詳しくは 障害年金を受け取るための条件とは もご参照ください。
診断書(障害年金用・8区分の様式)
診断書は、障害の状態を医学的に証明する書類で、主治医に作成を依頼します。障害年金用の診断書には所定の様式があり、眼・聴覚等・肢体・精神・呼吸器・循環器・腎疾患等・血液造血器その他といったように、傷病に応じて様式が分かれています。
1つの傷病で複数の障害がある場合は、複数の様式を併用することがあります。診断書は、障害認定日より3か月以内の現症のものが必要です。障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3か月以内の現症のもの)も併せて必要となります。また、傷病や診断書の内容によっては、レントゲンフィルムや心電図のコピーなどの添付が必要になる場合があります。
診断書の記載内容は、申請の結果を大きく左右する重要な書類です。なお、具体的な症状や診断に関する医学的なご判断は、主治医にご相談ください。
診断書の意義や依頼の進め方は 障害年金の申請は「診断書」で9割が決まる で詳しく解説しています。
病歴・就労状況等申立書
病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの病歴・就労状況・日常生活の状況を時系列で記載する書類で、ご本人やご家族のほか、社会保険労務士が作成を支援することもあります。診断書を補強する重要な書類です。
申立書の書き方には押さえておきたいポイントがあります。書き方の詳細は 【自分で書ける】病歴・就労状況等申立書 をご参照ください。
受取先金融機関の通帳等
年金の受取先を指定するため、本人名義の通帳等(カナ氏名・金融機関名・支店番号・口座番号が記載された部分)のコピー等を添付します。年金請求書に金融機関の証明を受けた場合や、公金受取口座を利用される場合は、添付が不要となります。
状況・ケース別に必要となる追加書類
必要書類は、ご本人の状況によって変わります。ここでは、子や配偶者がいる場合、初診日の加入制度による違い、20歳前傷病や第三者行為による障害の場合など、ケース別に追加で必要となる書類を整理します。
子や配偶者がいる場合(加算対象)
生計を維持している子がいる場合は、子の加算の対象となるため、続柄や生計維持関係を確認する書類が必要です。具体的には、子についての戸籍謄本(記載事項証明書)、世帯全員の住民票の写し、子の収入が確認できる書類などです(いずれもマイナンバーの記入により省略できる場合があります)。
18歳到達年度末を過ぎ20歳未満で障害の状態にある子がいる場合は、その子について医師または歯科医師の診断書が必要です。また、加算の対象となる子が3人以上いる場合は、3人目以降を「加給年金額または子の加算額に係る別紙様式」に記入して、年金請求書とあわせて提出します。
なお、障害厚生年金(1級・2級)では配偶者の加給年金額が関係するため、配偶者がいる場合は配偶者の収入が確認できる書類などが必要となることがあります。
初診日が国民年金か厚生年金かで異なる点・提出先
初診日にどの年金制度に加入していたかによって、請求する年金の種類・使用する様式・提出先が変わります。次の表で整理します。
| 初診日の加入制度 | 請求する年金 | 年金請求書の様式 | 主な提出先 |
|---|---|---|---|
| 国民年金加入中/20歳前/60歳以上65歳未満で年金制度に未加入の国内在住期間 | 障害基礎年金 | 様式第107号 | 市区町村役場(第3号被保険者期間中の初診日は年金事務所・街角の年金相談センター) |
| 厚生年金加入中 | 障害厚生年金(1級・2級の場合は障害基礎年金もあわせて受けられます) | 様式第104号 | 年金事務所・街角の年金相談センター |
ここで押さえておきたいのが等級の違いです。障害基礎年金の対象等級は1級・2級で、3級はありません。3級は障害厚生年金のみに設けられた等級です。そのため、初診日に国民年金に加入していた方が3級相当の状態の場合は、原則として支給の対象になりません。
20歳前傷病・第三者行為(事故)などの場合
ご本人の状況によっては、次のような追加書類が必要になります。代表的なケースを整理しました。
| ケース | 主な追加書類 |
|---|---|
| 20歳前に初診日がある障害基礎年金 | ご本人の所得証明書(マイナンバーの記入により省略できる場合あり)。所得による支給制限があるため |
| 共済組合に加入していた期間がある | 年金加入期間確認通知書 |
| 障害者手帳をお持ち | 身体障害者手帳・療育手帳等(障害状態を確認するための補足資料) |
| 障害の原因が第三者行為(交通事故等) | 第三者行為事故状況届、交通事故証明または事故が確認できる書類、確認書、損害保険会社等への照会に係る同意書 など(所定の様式あり) |
第三者行為(交通事故等)による障害の場合は、上記に加えて、被害者に被扶養者がいるときは扶養していたことが分かる書類、損害賠償額がすでに決定しているときは損害賠償金の算定書などが必要になることがあります。詳しくは年金事務所にご確認ください。
なお、20歳前傷病による障害基礎年金は保険料納付要件が問われない一方で、ご本人の前年所得による支給制限などがある点に注意が必要です。
初診日を証明する書類が取得できないとき
初診日の証明は、原則として初診時の医療機関が作成する受診状況等証明書で行います。しかし、長い年月が経っていてカルテが廃棄されている、医療機関が廃院しているなどの理由で取得できないこともあります。ここでは、その場合の代替手続きを整理します。
受診状況等証明書が添付できない申立書
受診状況等証明書を取得できない場合に、ご本人(またはご家族)が理由を申し立てる書類が「受診状況等証明書が添付できない申立書」です。名称が似ていますが、医療機関が作成する「受診状況等証明書」とは別の書類です。
この申立書だけでは初診日の証明にはならず、初診日の確認ができる参考資料とあわせて、総合的に判断されます。なお、当時の担当医が在籍していない場合でも、診療録などの記録が残っていれば、別の医師等が受診状況等証明書を作成できることもあります。「担当医がいない=取得できない」と決めつけず、まずは医療機関にご確認いただくことをおすすめします。
参考資料と第三者証明
初診日を確認するための参考資料には、各種手帳や手帳申請時の診断書、生命保険・損害保険・労災保険の給付時の診断書、健康診断の記録、母子健康手帳、お薬手帳・診察券、小学校・中学校等の健康診断の記録や成績通知表、盲学校・ろう学校の在学証明・卒業証書などがあります。複数の資料の整合性を照らし合わせて初診日が判断されるため、できる限り複数そろえることが大切です。
第三者による証明(第三者証明)も参考資料の一つです。20歳以降に初診日がある場合は、原則として複数(2通)の第三者証明と、診察券等の参考資料をあわせて確認されます。なお、三親等内の親族は第三者証明を行えません。一方で、初診日頃の受診状況を直接見て認識していた担当医師・看護師等の医療従事者による証明は、医学的な証明と同等の資料として扱われ、ほかに参考資料がなくても、その証明のみ(1通)で初診日が認められることがあります。
20歳前に初診日がある場合は、取扱いが異なる点に注意が必要です。その初診日が厚生年金の加入期間中にあるときは、障害厚生年金の対象となるため、20歳以降に初診日がある場合と同様の取扱いになります。一方、厚生年金の加入期間中ではなく障害基礎年金の対象となる場合は、20歳より前に請求傷病で医療機関を受診していたことが明らかであれば、初診日を証明する書類が第三者証明のみであっても、その内容を総合的に勘案して初診日が認められることがあります。また、2番目以降に受診した医療機関の証明などで20歳前の受診が確認できるケースもあります。具体的な取扱いは、お近くの年金事務所でご確認ください。
初診日の証明が難しいケースは、申請のハードルが高くなりがちな部分です。ご不安がある場合は、専門家にご相談いただくと進めやすくなります。
令和7年6月1日の様式変更で変わった点(最新の運用)
障害年金の請求書類は、施行規則の改正により様式が変更されることがあります。令和7年(2025年)6月1日施行の改正で、障害年金の年金請求書を中心にいくつかの見直しが行われました。ここでは主な変更点を整理します。なお、旧様式での提出も引き続き受け付けられるとされています。
まず、認定日請求と事後重症請求をあわせて行う場合に従来は別途添付していた「障害給付 請求事由確認書」が、独立した書類としては廃止・統合されました。現行では、年金請求書本体の請求事由に関する記入欄の中にある「事後重症請求に関する確認事項」欄で、同じ内容を確認する形式に変わっています。
このほか、記載事項の簡略化・改善も行われています。具体的には、請求者本人や配偶者の他の年金の受給状況などの記載が一部不要になり、障害の原因となった傷病の記載欄や、加算の対象となる子の記載欄なども見直されました。
次に、マイナンバーの登録・記入により、生年月日を確認する戸籍謄本等の添付が原則不要となる場合があります。また、年金の受取口座として公金受取口座を利用する場合は、通帳等のコピーの添付や金融機関の証明が不要です。年金請求書には、公金受取口座への登録意思を確認する欄が新設されています。
さらに、加算の対象となる子が3人以上いる場合などに使用する「加給年金額または子の加算額に係る別紙様式」が新設されました。
書類準備でよくあるご質問
書類の準備にあたってよくいただくご質問にお答えします。ご自身の状況に近いものがあれば参考にしてください。
Q. 書類はどこでもらえますか?
年金請求書・診断書・受診状況等証明書・受診状況等証明書が添付できない申立書・病歴・就労状況等申立書などの様式は、年金事務所や街角の年金相談センターの窓口で受け取れるほか、日本年金機構の公式サイトからダウンロードできます。障害基礎年金の場合は、お住まいの市区町村役場の窓口でも受け取れます。
Q. 戸籍謄本や住民票は必ず必要ですか?
ご本人の生年月日を確認するための書類は必要ですが、単身者の方で日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合や、年金請求書にマイナンバーを記入した場合は、戸籍謄本等の添付を原則省略できます。加算対象の子や配偶者がいる場合の続柄・生計維持関係の確認書類も、マイナンバーの記入で省略できることがあります。ただし、年金請求書を共済組合等へ提出する場合などは、別途、住民票等の添付が必要になることがあります。
Q. 診断書はいつ時点のものが必要ですか?
障害認定日より3か月以内の現症の診断書が必要です。障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近(年金請求日前3か月以内の現症)の診断書も併せて必要となります。
請求方法ごとの違いなど、よくある疑問は 障害年金よくある質問・26選に完全回答 もご参照ください。
書類準備に関する事例
弊事務所(全国障害年金サポートセンター)では、必要書類の準備や初診日の証明についてお手伝いした多くの事例があります。たとえば、カルテが廃棄されていて初診時の受診状況等証明書を取得できなかった方について、2番目以降に受診した医療機関の証明や参考資料、第三者証明を組み合わせながら初診日の確認を進めたケースなどがあります。
書類の準備や初診日の証明にご不安がある場合は、当事務所までご相談ください。なお、個別事案により判断は異なります。
まとめ
障害年金の申請では、年金請求書・受診状況等証明書・診断書・病歴・就労状況等申立書・受取口座の書類が共通の中心となり、そこに子や配偶者の有無、初診日の加入制度、20歳前傷病や第三者行為といったご本人の状況に応じた書類が加わります。初診日を証明する書類が取得できない場合にも、申立書や参考資料・第三者証明による代替手続きがあります。令和7年6月1日の様式変更で、添付書類の省略や請求事由の確認方法が一部変わった点も押さえておきましょう。
障害年金申請の必要書類でお悩みの方は、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年6月時点の年金法令・障害認定基準および日本年金機構公表の様式・取扱いに基づき作成しています。法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は 日本年金機構の公式サイト 等でご確認ください。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家へのご相談を推奨します。医学的判断は主治医にご確認ください。

