うつ病で障害年金を申請される場合の注意点などは『【社労士が解説】うつ病で障害年金を申請するポイント』でも詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。
目次
対象者の基本データ
病名 | 反復性うつ病性障害 |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約96万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
不眠が続き、かかりつけの内科を受診し眠剤の処方を受けていましたが、症状が改善せず内科医の勧めで精神科を受診することになります。
うつ病と診断され、眠剤の他に抗うつ薬等を処方されます。
しかし、症状は徐々に悪化し、仕事も休職となります。
その後、転院し、精神療法、薬物療法を現在まで継続されていますが、抑うつ状態、不眠、意欲の低下などの症状は続いています。
仕事も復職されましたが、遅刻や欠勤が多くなり退職に追い込まれます。
就労できない事への不安から、自分が受けられる社会保障の制度がないか調べていた時に障害年金の制度に辿り着きました。
すぐに申請を考えますが、外出さえ困難な今の自分の状態では手続きを進めていくことはできないと思い、弊社に手続き代行のご相談を頂くことになりました。
申請結果
ご相談者様は、頼れる身内がおらず、余儀なく「一人暮らし」をされています。
病院で、障害年金申請にあたり「一人暮らし」は不利になると言われ、ご相談の際にとてもご心配されていました。(ポイント①)
そこで、日常生活の状況について丁寧にヒアリングさせて頂くと、終日臥床して過ごされており、家事や清潔保持、買物や通院も一人ではできず、パートナーの泊り込みでの献身的なサポートがなければ生活が破綻してしまう状況であることがわかりました。
「一人暮らし」は表面的なもので、実質はパートナーと同居に近い状況であり、受給の可能性が高いことをお伝えし手続きを代行させて頂くことになりました。
まず、初診日の証明から始めることになります。
本事例では、内科で2年ほどの期間、眠剤を処方されており、内科医の勧めで精神病受診となったことから、受診状況等証明は内科に依頼しました。(ポイント②)
精神のご病気の場合、最初の症状が不眠や過呼吸等多岐にわたるため、本事例のように精神科や心療内科医以外の診療科を初診として申請する場合もあります。
初診日が確定し、診断書依頼となります。
「一人暮らし」となった経緯、そして、「一人暮らし」をしているが、実情はパートナーの泊り込みでの献身的な介助・支援により日常生活が成り立っていることを医師にご説明し診断書記載の橋渡しをしました。
完成した診断書には、ご相談者様の日常生活の状況が正確に反映されていました。
最後に、病歴就労状況等申立書を作成し、診断書だけでは伝えられない病歴、就労歴、そして現在のパートナーのサポートの状況について詳述しました。
全ての書類が整い、事務所内チェックの後、申請しました。
結果は、「障害厚生年金3級」に認定されました。
精神のご病気で「一人暮らし」をされている場合、自分で家事など身の回りの事ができると考えられ不支給になる可能性もあります。
「一人暮らし」になった経緯や日常的に受けているサポートなどを診断書に記載してもらうことによって、「一人暮らし」をしていても、本事例のように受給につながるケースが多々ございます。
申請に関しましてご心配な点等ございましたら、一度、弊社にご相談ください。
【ポイント1】単身の精神疾患の審査について
うつ病や発達障害などの精神疾患で障害年金を請求しようとする場合、単身で生活している場合は注意が必要です。
というのも、精神による障害年金は日常生活をどの程度周りから助けてもらっているかが審査の基準になるためです。
もし、このような一人暮らしに該当する場合は、やむを得ない理由や身内・友人その他福祉サービスの利用状況などを訴えることで認定の可能性があります。
一人暮らしの申請事例は以下のページでご紹介していますので、ご参照下さい。
【ポイント2】 前駆症状と初診日
病気が起こる前触れとなる症状のこと『前駆症状』と言います。
(例)体がだるい(前駆症状)ため風邪かと思い内科を受診したところ『うつ病』と診断され。その後に内科からメンタルクリニックに転医してうつ病の治療を行った。
このような場合は『内科』を初めて受診した日が初診日となります。
一見、初診日とは関係ないように感じる症状であっても、前駆症状に含まれる場合があります。
もし初診日がいつか判断できないようでしたら、ぜひ専門家にご相談ください。
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