
「障害年金の診断書作成ってどうやってお願いすればいいんだろう?」
「診断書が大切と聞くけど、どれくらい重要なの?」
障害年金の申請を考える中で、一度はこのような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は、多くの方が同じ悩みを抱えており、診断書の準備に苦労しています。
それだけ障害年金の受給可否は診断書の内容次第といっても過言ではありません。
たとえ日常生活に大きな支障が出ていても、その状況が診断書に適切に反映されていなければ、現状に見合った障害年金は受け取れないのです。
また、診断書についてよく理解しないまま申請を進めてしまうと、後から内容の不備に気づいて一から作り直し…というケースもあります。
そうならないためにも、申請前に診断書の役割や準備方法をしっかり理解しておくことが大切です。
本記事では、障害年金の診断書とは何か、その重要性から、診断書の種類や入手方法、作成時のポイント、受け取った後の注意点、さらには医師に診断書を書いてもらえない場合の対処法まで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
この記事を読んでいただけば「診断書作成で何が重要で、どう準備すればよいか」はっきりわかり、自信を持って障害年金の申請に臨んでいただけるようになると思います。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
障害年金における診断書の役割と重要性
障害年金の「診断書」とは、障害の状態を医師に証明してもらうための書類です。
言い換えれば、主治医に作成してもらう障害状態の証明書であり、障害年金の受給申請において最も重要な書類です。
日本年金機構は提出された診断書の内容をもとに、障害年金を支給するか否かや等級(1級・2級・3級)を決定します。
実際、診断書がなければ障害年金の申請そのものができません。
障害年金の審査は書類のみで行われる書面審査です。
日本年金機構から依頼された認定医(障害年金の等級判定を行う医師)は、提出された「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」の記載内容だけを見て等級を判断します。
介護保険の要介護認定のように調査員や医師が本人に会いに来たり、面接が行われたりすることは一切ありません。
つまり、障害年金は提出書類の内容がすべてであり、中でも医師が客観的に作成した診断書が最も信憑性が高く重視されるのです。
仮に診断書に事実と異なる記載があれば、その一点だけで不支給(不合格)になることもあります。
このように、障害年金の受給可否や等級は診断書の内容によって大きく左右されるため、「診断書で9割決まる」とも言われます。
「お医者さんが書く書類なら、自分は特に気にしなくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし注意が必要です。
障害年金用の診断書を書き慣れていない医師も多く、診断書の様式自体も他の公的書類に比べ非常に詳細で特殊です。
例えば自立支援医療(精神通院医療)や障害者手帳の診断書よりも項目が格段に多く、「学生時代に普通学級か特別支援学級か」「複数の医療機関に通院していた場合のそれぞれの治療内容」「これまでの職歴」等まで細かく記載する欄があります。
主治医にまだ伝えていなかった経歴や日常状況も多々含まれるため、あなた自身が情報提供しないと適切に書けない部分も多いのです。
実際に「伝えたつもりでも診断書に反映されなかった」というケースも少なくありません。
したがって、診断書の作成にあたっては医師任せにせず、自分の状況を正確に伝えることが重要です。
以上のように、障害年金の診断書は申請における要となる書類です。その役割と重要性を十分理解し、次章以降で述べるポイントを押さえて準備を進めましょう。
診断書の種類と入手方法
障害年金の診断書には、障害の種類に応じていくつかの様式(フォーマット)が用意されています。
主な診断書様式は次のとおりです。
- 様式第120号の1(眼の障害用)
- 様式第120号の2(聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・音声・言語機能の障害用)
- 様式第120号の3(肢体の障害用)
- 様式第120号の4(精神の障害用)
- 様式第120号の5(呼吸器疾患の障害用)
- 様式第120号の6の(1)(循環器疾患の障害用)
- 様式第120号の6の(2)(腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用)
- 様式第120号の7(血液・造血器疾患、その他の障害用)
申請者ごとに、上記のうち該当するいずれか1種類の診断書を使用します。
ただし、複数の障害(症状)を抱えている場合には診断書が複数枚必要になることがあります。
例えば、脳出血の後遺症で右半身まひと高次脳機能障害が残っているケースでは、「肢体の障害用」と「精神の障害用」の2種類の診断書を用意する必要があります。
ただし、診断書を複数提出したからといって必ずしも等級が上がる(障害の程度を併合評価してもらえる)とは限らない点に注意しましょう。
診断書の様式は、お近くの年金事務所や街角の年金相談センターの窓口で受け取ることができます。
また、日本年金機構の公式サイトからPDFをダウンロードすることも可能です。
初めて障害年金を申請する方は不安も大きいと思いますので、可能であれば年金事務所の窓口で相談しながら診断書様式を受け取ることをおすすめします。
窓口で現在の症状や困りごとを伝えれば、担当者が適切な様式の診断書を選んで渡してくれます。
請求方法による診断書の必要枚数と提出期限

障害年金の申請方法(請求方法)にはいくつか種類があり、請求方法ごとに診断書の提出枚数や提出期限が異なります。
請求方法には以下の4つがあります(本来請求と遡及請求をまとめて「認定日請求」と呼ぶこともありますが、ここでは分かりやすく別々に記載します)。
- 本来請求:障害認定日(原則として初診日から1年6か月経過した日)において障害等級に該当しており、障害認定日から1年以内に請求する場合を、実務上「本来請求」と呼びます。なお、1年を過ぎてからであっても障害認定日による請求(遡及請求)は可能であり、請求日から原則5年分までさかのぼって年金が支給される可能性があります。。
- 遡及(そきゅう)請求:障害認定日から1年以内に請求できなかった場合に、過去にさかのぼって行う請求方法です。障害認定日時点で障害等級に該当していたにも関わらず請求しなかったケースで利用します。原則として過去5年分まではさかのぼって支給される可能性があります(時効による制限)。それ以前の分については、障害認定日当時に障害等級に該当していたとしても、原則として受け取ることができません。
- いつから受け取れるか・どこまで遡れるかはケースによって異なるため、迷った場合は年金事務所や専門家に相談することをおすすめします。
- 事後重症請求:障害認定日時点では障害等級に該当しなかったものの、その後障害が悪化して等級に該当した場合に行う請求方法です(※障害認定日の診断書が入手できなかった場合もこの方法になります)。
- 初めて1級または2級請求:もともと単独では等級に該当しない程度の障害があった人が、新たな傷病を負ったことで初めて障害等級1級または2級に該当する状態になった場合の請求方法です。前からある障害と新たな障害を併せて評価します。
それぞれの請求方法ごとに、必要となる診断書の枚数や提出期限は次のようになります。
| 請求方法 | 必要な診断書 | 診断書の対象期間(いつの状態を書いたものが必要か) |
|---|---|---|
| 本来請求 | ・障害認定日から3か月以内の現症を記載した診断書×1 | 障害認定日から3か月以内の受診日 (障害認定日から1年以上経過して請求する場合は、遡及請求となり現在の診断書が追加で必要) |
| 遡及請求 | ・障害認定日から3か月以内の現症を記載した診断書 ・請求日前3か月以内の現症を記載した診断書(現在の診断書) | それぞれの時点から3か月以内の受診日 ※診断書の作成日から3か月以上あいて請求する場合は、原則として診断書を取り直す必要があります。 |
| 事後重症請求 | ・請求日前3か月以内の現症を記載した診断書 | 請求日前3か月以内の受診日 |
| 初めて1級/2級請求 | ・前発障害の診断書(請求日前3か月以内の現症を記載)×1 ・基準障害の診断書(請求日前3か月以内の現症を記載)×1 ※前発障害と基準障害を同じ医師・同じ診断書で評価できる場合など、1枚にまとめて記載されるケースもあります。 | 請求日前3か月以内の受診日 |
※現症日…診断書に記載された「現在の障害状態を診察した日」のこと(診断書作成時の受診日)。
上記のように、本来請求では障害認定日(初診から原則1年6か月後)の状態を証明する診断書が1枚必要です。
本来請求で使用する診断書は、障害認定日から3か月以内の現症が記載されたものである必要があります。
ここでいう「現症日から3か月以内」とは、「請求日からさかのぼって3か月以内の状態を診断書に書いてもらう必要がある」という意味であり、『3か月を過ぎたら請求できなくなる』という法的な期限ではありません。
3か月以上経ってしまった場合は、あらためて最新の診断書を作成してもらえば請求自体は可能です。
また、障害認定日から1年を過ぎて請求する場合は「遡及請求」となり、障害認定日当時の診断書に加えて、請求日前3か月以内の現症を記載した診断書(現在の診断書)も必要になります。
例えば障害認定日が3月15日であれば、6月14日までの症状が書かれた診断書を用意し、翌年の3月14日までに提出する必要があります。(診断書そのものに法的な「有効期限」があるわけではなく、「いつの状態が書かれている診断書が必要か」という運用上の区分です。)
遡及請求では原則2枚の診断書が必要になります。
【1枚目】障害認定日から3か月以内の診断書と【2枚目】現在の障害状態の診断書です。
請求期限は2枚目の診断書に記載された現症日から3か月以内となります。
一方、事後重症請求では現在の診断書1枚のみで、現症日から3か月以内が請求期限です。
「初めて1級または2級請求」では、もともとある障害(前発障害)と、新たな傷病による障害(基準障害)の両方について、請求日前3か月以内の状態を示す診断書が原則必要になります。
実務上は、1枚の診断書に両方の障害をまとめて記載することが認められるケースもありますが、事前に年金事務所や専門家に確認しておくと安心です。
遡及請求で認定日当時の診断書が用意できない場合は?
前述の遡及請求を行うには、本来取得すべき障害認定日当時の診断書が必要です。
しかし、「初診から1年6か月時点で受診していなかった」「当時のカルテが既に破棄されていて診断書を書けない」などの理由で、その診断書が入手できないケースもあります。
では、障害認定日当時の診断書がどうしても取れない場合、遡及請求は諦めるしかないのでしょうか?
実は、障害認定日当時の状態を他の客観的資料で証明できれば、診断書がなくても遡及請求が認められる可能性があります。
審査上は「認定日当時の障害状態が分からないと判断できない」ため診断書が必要ですが、逆に言えば障害認定日時点の状態を別の資料で明確に証明できれば代替できる余地があるということです。
障害認定日の診断書が入手できない場合に考えられる対処法として、次のような方法があります。
障害認定日の前後の診断書を提出する
認定日そのものの診断書が取れなくても、その前後の時期の診断書が取れれば、「認定日の時点もこれだけ悪かったはずだ」と推測してもらえる可能性があります。
特に認定日の直前直後で症状が記載された診断書なら、認定日の状態も類推しやすく、本来の診断書と同等に扱われる可能性があります。
ただし、あくまで推測であり認められない可能性もあることに注意しましょう。
他の資料(補完資料)を提出する
診断書の代わりに使えそうな客観的資料があれば提出します。
例えば、認定日時期に取得した障害者手帳の診断書、生命保険の給付に使った診断書、介護認定の主治医意見書などが考えられます。
あるいは認定日前後の主治医による意見書(カルテに基づかない所見)を依頼し提出するケースもあります。
できる限り認定日時点の様子がわかる資料を集めて提出しましょう。
障害の特性を考慮して申請する
傷病によっては障害の程度が長期間一定であったり、悪化の一途で回復しないケースもあります。
そうした特性を持つ障害の場合、現在の状態から認定日当時も同程度だったと推測してもらえる可能性があります。
例えば知的障害のケースでは、障害認定日当時に病院を受診していなくても「知的障害は基本的に程度がずっと一定」という特性を主張し、「今これだけの障害状態なのだから認定日にも同程度の障害があったはずだ」と申請して認められた例があります。
一方でうつ病など症状に波がある病気では難しい方法です。
請求方法を事後重症に変更する
上記1~3の方法を尽くしても認定日当時の状況を証明する手立てがない場合は、いったん遡及をあきらめて「事後重症請求」に切り替える選択肢もあります。
この場合、過去にさかのぼった分の年金(本来もらえたはずの期間の年金)は受け取れず、将来に向けた年金のみの受給となるため大きな金銭的ロスにはなります。
しかし無理に遡及を目指して不支給になるより、事後重症で確実に受給権を得た方が結果的に良い場合もあります。
どうしても診断書や資料が集まらないと分かったときは、切り替えを検討しましょう。
診断書の作成費用と完成までの期間
障害年金の診断書を作成してもらうには、病院で文書料金を支払う必要があります(健康保険の効かない実費です)。
費用は病院ごとに異なりますが、一般的な相場は1通あたり5,000~10,000円程度です。
中には2,000円台で対応してくれる病院もあれば、40,000円近く請求されたケースもあり、ばらつきがあります。
多くはこの範囲に収まりますが、費用が心配な場合は事前に病院に確認しておくとよいでしょう。
また、診断書は作成に時間がかかる点にも注意が必要です。
用紙がA3両面にわたる大部の書類であり、医師に「すぐ書いてください」とお願いしても即日もらえることはまずありません。
病院にもよりますが、出来上がりまでおよそ1か月程度は見ておくのが一般的です。
申請期限に間に合うよう、早めに依頼するか、急ぎの場合はどれくらいの日数がかかるかを病院に尋ねておきましょう。
診断書作成を医師に依頼する際のポイント

診断書を作成してもらう際は、医師に現在の障害状態を正確に伝えることが重要です。
診断書を読んだ審査医に、(1)現在の症状、(2)障害認定日当時の様子、(3)初診から現在までの経過がしっかり伝わる内容になっている必要があります。
そのために、普段の生活でどのような支障があるのかを具体的に主治医へ伝えましょう。
特に精神の障害用の診断書では、「日常生活能力の判定」という、日常生活での適応状況を細かく評価する欄があります。
食事や身辺処理、社会性など複数の項目について現在の状態を医師が5段階で評価するものです。
各項目ごとのご自身の状況をあらかじめ整理し、メモにまとめて医師に渡すことを強くおすすめします。
診察時間は限られていますし、医師が治療と関係ない細かな聞き取りまで行うのは難しいのが実情です。
したがって、診断書に必要な情報(学校歴や複数の通院歴など)については事前に整理して書面にまとめ、医師に渡しておくとスムーズです。
当事者であるあなたが提示しない限り、医師は診断書の材料となる過去の事実を知り得ません。
診断書の完成度を上げるためにも、遠慮せず伝えるべきことは伝えましょう。
主治医との相談が難しい場合は、年金事務所の障害年金担当窓口に相談するとアドバイスをもらえますし、社会保険労務士(障害年金専門の代理人)に依頼して助言やサポートを受ける方法もあります。
診断書を受け取った後の確認ポイント

主治医から完成した診断書を受け取ったら、必ず中身を開封して内容を確認してください。
診断書は病院で封筒に入れて渡されることが多く、「開封していいのか…」と不安になるかもしれませんが、提出前に開封してチェックして問題ありません。
特に次の4点については念入りに確認しましょう。
- 記入漏れ・誤記はないか? – 未記入の欄や明らかな誤字・誤記入がないかチェックします。
- 現在の自身の状況と齟齬がないか? – 診断書の記載内容が、あなたの現状とかけ離れていないか確認します。例えば「日常生活で◯◯ができない」と医師に伝えたのに「できる」と書かれていないか等、食い違いがないか見ます。
- 検査結果など添付漏れはないか? – 診断書に参考資料として添付すべき検査成績表やレントゲン画像の有無を確認します。必要と案内された添付書類が抜けていないかチェックしましょう。
- (精神の診断書のみ)ICDコードの記載はあるか? – 精神の障害用の診断書には、傷病名に対応するICD-10コード(国際疾病分類コード)の記載が求められています。この欄が空欄だと、障害年金用の診断書として不備と判断され、年金事務所から補正(追記)や書き直しを求められることがあります。提出前に、必ずICD-10コードが正しく記載されているか確認しましょう。
もし記入漏れや誤りを発見した場合は、必ず医師に追記・訂正を依頼しましょう。
そのまま提出してしまうと、書類不備で返戻(差し戻し)されたり、最悪の場合不支給につながったりすることもあります。
時間がないからといって妥協せず、手間でも確実に修正してもらうことが大切です。
ただし、診断書の「障害の程度の評価」部分については医師の判断に委ねる必要があります。
一部には「年金をもらうために、実際より重い評価を書いてほしい…」とお願いしてしまう人もいるようですが、それは絶対に避けましょう。
あくまであなたの伝えた情報を踏まえた上で、最終的な障害等級の判断は医師に任せるべきです。
仮に自己評価と医師の評価に大きな差があって納得できない場合でも、「自分はこう思うが先生の見解はどうですか?」といった形でお互いの認識をすり合わせる会話をするのが良いでしょう。
最後に、提出前の診断書や他の申請書類は必ずコピーを取るかスキャンして手元に保管しておきましょう。
万一不支給(申請却下)となった場合、その診断書の内容をもとに「不服申立て(審査請求)できそうか」「再申請すれば通りそうか」といった今後の方針を専門家と検討することができます。
また、いずれ障害年金の更新(再認定)時にも参考になりますし、転院する際に新しい医師へ病状を説明する資料として活用できる場面もあります。
苦労して集めた書類ですから、ぜひ手元にも記録を残しておきましょう。
医師に診断書を書いてもらえないときは?
本来、患者が求めた場合、医師には診断書を作成する義務があります。
事実、医師法第19条第2項には「正当な理由がない限り、医師は診断書を交付する義務がある」と明記されています。
しかしこれは裏を返せば、医師が「正当な理由がある」と判断した場合には診断書作成を拒否できるということでもあります。
実際の臨床では、残念ながら障害年金の診断書作成を断られてしまうケースもあり得ます。
では、医師に「診断書は書けません」と言われてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
以下に、診断書がもらえない場合の主な原因と対処法を紹介します。
診断書を書いてもらえない主な理由

医師が障害年金用の診断書作成を拒む理由として、例えば次のようなケースが考えられます。
【理由1】症状が軽いため対象にならないと判断された
医師が「障害年金の受給対象となる障害状態ではない」と判断する場合です。
症状が不安定で断定しづらい、あるいは比較的軽度で日常生活に大きな支障がないと見られたケースなどが該当します。
【理由2】受診歴が短く状態を把握できない
通院回数が少なかったり間隔が空きすぎていたりすると、医師が「患者の状態を十分把握できていない」と感じる場合があります。
長期的な経過が分からないままでは診断書を書きづらいためです。
【理由3】障害年金を受ける必要がない・好ましくないと判断された
医師が「障害年金を受給すると治療の妨げになる」と考えているケースです。
特に精神科の領域で、「年金をもらうと社会復帰への意欲が下がるのでは」と懸念して消極的な医師もいます。
患者側と医師側で障害年金に対する認識にギャップがあると起こりえます。
【理由4】単に手間がかかるので嫌がられた
障害年金の診断書は記入項目が多く、医師にとって大きな負担です。
慣れていない医師の場合「時間も労力もかかって面倒だ」と感じられる可能性もあります。
診断書がもらえない場合の対処法

こうした理由で診断書を書いてもらえない場合でも、まだ諦める必要はありません。
次に挙げる対処法を試してみましょう。
【対処法1】医師とじっくり話し合う
まずは主治医とコミュニケーションを密に取ることが大切です。
診断書を書いてもらえない背景には何らかの誤解や懸念が潜んでいるかもしれません。
なぜ障害年金が必要なのか、受給しないと生活にどう支障があるのか等、率直に具体的な事情を伝えてみましょう。
丁寧に話すことで、医師が拒否する理由やその解決策が見えてくる場合もあります。
【対処法2】必要に応じて転院も検討する
どうしても現在の主治医が非協力的な場合、医師を替えてみる(別の病院に転院する)のも一つの方法です。
医師にも様々な考え方や方針があり、全ての医師が障害年金の申請に理解があるとは限りません。
転院によって障害年金に協力的な医師に出会える可能性があります。
ただし、転院の際には初診日を証明する資料(紹介状や診療情報提供書、受診状況証明書など)をきちんと入手しておくことが重要です。
初診日の記録が途切れてしまうと、かえって申請が難しくなるため注意してください。
【対処法3】専門の社労士に相談する
障害年金の手続きや医師への診断書依頼に行き詰まったら、障害年金専門の社会保険労務士(社労士)に相談することも有効です。
社労士に依頼すれば、医師への依頼状の作成代行や診断書の内容チェック・修正依頼の代行など、プロならではのサポートが受けられます。
あなた自身が直接言いにくいことも社労士がクッション役となって伝えてくれるため、結果的に医師との関係が円滑になる場合もあります。
複雑な書類作成も任せられますし、申請がスムーズに進むよう適切なアドバイスももらえるので、不支給リスクの低減にもつながります。
費用はかかりますが、「どうしても自分では難しい」という場合は専門家の力を借りることを検討しましょう。
まとめ

障害年金の申請において診断書は極めて重要な書類です。本記事で解説したように、審査は提出された診断書と申立書の内容で決まります。
適切な診断書なくして障害年金の受給はできません。
そのため、作成時には医師任せにせず情報提供を行い、完成後も内容をしっかりチェックすることが大切です。
ポイントをおさらいすると、
- 診断書の役割と重要性:診断書は医師が作成する客観的書類で、障害年金の支給可否や等級判断の決め手になります。事実と異なる記載があれば不支給にもなり得るため、正確な内容で作成してもらう必要があります。
- 診断書の様式:障害の種類ごとに専用の様式があり、自分の障害に合った様式を使用します。初めての方は年金事務所で相談しながら入手すると安心です。
- 請求方法ごとの扱い:本来請求・遡及請求・事後重症請求・初めて1級/2級請求の4種類があり、必要な診断書の枚数や提出期限が異なります。それぞれのルールを理解し、期限内に必要枚数を準備しましょう。
- 診断書作成のコツ:医師に丸投げせず、日常生活で困っていることや経歴等を事前に整理して伝えることが重要です。特に精神の診断書では生活状況の詳細な評価欄があるため、各項目について自分の状態をメモして共有しましょう。
- 診断書受領後の確認:封を開けて記載漏れや矛盾がないかをチェックし、不備は必ず訂正してもらいます。自己判断より軽い評価だからといって無理に重く書いてもらうよう頼むのはNGです。
- トラブルへの対処:医師に診断書を書いてもらえない場合でも、他の資料提出や別の医師への依頼、社労士への相談など解決策があります。焦らず適切な方法を検討しましょう。
初めての障害年金申請で診断書の準備に不安を感じるのは当然ですが、本記事で述べたポイントを押さえれば大丈夫です。
必要に応じて年金事務所や専門家にも相談しながら進めることもおすすめします。
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