知的障害のある方が障害年金を請求するとき、病歴・就労状況等申立書(以下「申立書」)は、ご本人に代わってご家族が作成することも少なくない書類です。
生来性の知的障害の場合は、発病日・初診日を出生日とし、出生時から現在までを記入するなど、ほかの傷病とは異なる決まりがあります。
この記事では、記載要領に沿った決まり、時期ごとの書き方と記入例、裏面の書き方、審査で考慮される事項を順に解説します。申立書全般の書き方は『「病歴・就労状況等申立書」の書き方|記入例と自分で書く9つのコツ』をご覧ください。
知的障害の申立書で最初に押さえる3つの決まり
日本年金機構の記載要領には、生来性の知的障害についての記載がいくつかあります。ここでは、発病日・初診日、記入する期間、記入の簡素化の3点を整理します。
なお、出生日とする扱いは「生来性の知的障害」についてのものです。原因や傷病によって扱いが異なる点に注意が必要です。申立書の様式と記載要領は、日本年金機構の『病歴・就労状況等申立書を提出するとき』のページからダウンロードできます。
発病日・初診日は「出生日」と記入する(生来性の知的障害の場合)
記載要領は、発病日と初診日について、それぞれ次のように定めています。
生来性の知的障害(精神遅滞)の場合は出生日
生来性の知的障害(精神遅滞)の場合は出生日を記入してください。
(出典:日本年金機構「記載要領(病歴・就労状況等申立書)」)
一方、出生後の病気やけがなどが原因で知的障害が生じた場合は、生来性には当たりません。この場合の発病日・初診日は、通常どおり、自覚症状が現れた日や初めて診療を受けた日で考えます。
また、知的障害を伴わない発達障害の初診日は、出生日ではなく、実際に初めて受診した日で考えます。日本年金機構が市区町村向けに発行している「かけはし」第68号(令和3年3月)に、その記載例があります。アスペルガー症候群の方について、発達障害と診断された小学1年生のときの受診日を初診日としています。
生来性の知的障害で初診日が出生日になる場合、障害認定日は20歳に達した日(20歳の誕生日の前日)です。この日が、後で説明する裏面の「障害認定日頃の状況」の基準になります(参考:『障害認定日とは|はじめての人にも分かりやすく解説します』)。
出生時から現在まで、期間をあけずに記入する
記載要領は、病歴状況の欄について「発病から順番に現在までの状況について、期間をあけずに記入してください。」としています。生来性の知的障害では発病日が出生日のため、出生時から現在までが記入の対象です。
子どもの頃に医療機関を受診していない期間も、空欄にはしません。受診していなかった期間は「受診していない」を〇で囲みます。
様式の注記は、受診していなかった期間について「その理由、自覚症状の程度、日常生活状況、就労状況などについて具体的に記入してください。」としています。子どもの頃であれば、家庭や学校での様子がこれに当たります。
20歳前に初診日がある場合は記入を簡素化できる
令和2年10月1日から、20歳前に初診日がある方のうち一定の場合は、病歴状況の記入を簡素化できるようになりました。生来性の知的障害は、その対象の一つです。
具体的な書き方は次の章で説明します。
なお、生来性の知的障害のように、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合の障害基礎年金には、本人の所得による支給制限など、支給の制限や調整があります。20歳前の傷病による障害基礎年金の仕組みは『20歳前障害年金とは|はじめての人にも分かりやすく解説します』をご覧ください。
1つの欄にまとめるか、時期を区切って書くか
生来性の知的障害の場合、病歴状況は「1つの欄にまとめて書く」方法と「時期を区切って書く」方法のどちらでも記入できます。
簡素化は記載要領で「可能」とされているもので、まとめることが義務づけられているわけではありません。それぞれの書き方を見ていきます。
1つの欄にまとめて書く場合
記載要領は、簡素化について次のように説明しています。
生来性の知的障害の場合は、1つの欄の中に、特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在までの状況をまとめて記入することが可能です。
(出典:日本年金機構「記載要領(病歴・就労状況等申立書)」)
前述の「かけはし」第68号は、その理由を、生来性の知的障害は「同じ症状が長く継続することが見込まれるため」と説明しています。
まとめて書く場合も、進学先の変更、療育手帳の取得、就職・離職、福祉サービスの利用開始などの大きな出来事は、書き漏れのないよう確認しておきましょう。
時期を区切って書く場合
簡素化しない場合は、通常の書き方になります。記載要領は、1つの期間が5年を超える場合、その期間を3〜5年ごとに区切って記入するよう求めています。
区切って書くと、就学前・学齢期・卒業後といった時期ごとの変化を追いやすくなります。進学や就職、受診の開始などで生活が大きく変わった方は、出来事に合わせて欄を分けると整理しやすいでしょう。
表面の病歴状況の欄は1〜5の5つです。欄が足りない場合は、日本年金機構が用意している続紙を使います。
どちらの書き方も、記載要領で認められている方法です。判断に迷うときは、提出前に年金事務所で確認しておくと安心です。
時期ごとの書き方と記入例(区切って書く場合)
ここからは、時期を区切って書く場合を例に、時期ごとに書く内容と、手元で確認しておきたい資料を紹介します。
区切る場合は、1つの欄が5年を超えないよう、3〜5年ごとに欄を分けます。以下の記入例は、それぞれの時期のうち1つの欄を抜き出したものです。
記入例はいずれも架空のもので、実際の申立書は、ご本人の実態に合わせて書く必要があります。文面をそのまま写すのではなく、書く内容の参考としてご覧ください。
出生から就学前まで
この時期は、発達の様子と、周囲から受けた指摘や支援を中心に書きます。たとえば、乳幼児健診での指摘、発達相談や療育の利用、保育所・幼稚園での様子、家族が手助けしていたことなどです。様式の注記にも「健康診断などで障害の原因となった病気やけがについて指摘されたことも記入してください。」とあります。
記憶だけでは時期があいまいになりやすいため、母子健康手帳や健診の記録、療育機関の記録があれば確認しておきましょう。
【記入例(架空)】期間:3歳から小学校入学前まで/受診していない
・3歳児健診で言葉の遅れを指摘され、保健師から市の発達相談を勧められた。
・4歳から週1回、市の療育教室に通った。
・幼稚園では集団への指示が理解できず、先生が個別に声をかけていた。
・着替えや食事は、小学校に入るまで母が手伝っていた。
小学校から高校(特別支援学校高等部)まで
この時期は、学校での在籍の状況と、学習や生活の面で受けていた支援を書きます。通常の学級か、特別支援学級・通級による指導・特別支援学校かといった在籍の状況は、時期とあわせて記入しましょう。
あわせて、身の回りのこと、友人関係、登下校の付き添い、療育手帳の取得の時期なども書いておきたい内容です。通知表や個別の教育支援計画、療育手帳の判定の記録が手元にあれば、時期の確認に役立ちます。
【記入例(架空)】期間:小学1年から小学4年まで/受診していない
・小学2年まで通常の学級に在籍したが、授業についていけず、3年から特別支援学級に移った。
・小学3年で療育手帳の交付を受けた(判定はB)。
・休み時間は一人で過ごすことが多く、友人とのやりとりでトラブルになると教員が間に入っていた。
・登下校は母が付き添っていた。
卒業後から現在まで
この時期は、就労や日中の過ごし方と、日常生活で受けている援助を書きます。働いている場合は、一般就労・障害者雇用・就労継続支援A型やB型・就労移行支援などの働き方に加え、仕事の内容や職場で受けている配慮を記入します。
日常生活では、金銭管理、買い物、外出、身の回りのことなどについて、誰がどの程度手助けしているかを具体的に書きます。個別支援計画や福祉サービスの受給者証、勤務先の配慮の内容がわかる資料があれば確認しておきましょう。
【記入例(架空)】期間:18歳から21歳まで/受診した(医療機関名:Aクリニック)
・特別支援学校高等部を卒業後、就労継続支援B型の事業所に週5日通所している。
・作業は袋詰めなどの決まった手順のものに限られ、職員が毎回手順を確認している。
・通所は事業所の送迎を利用している。一人で電車やバスに乗ることはできない。
・お金の計算ができず、買い物や金銭管理は母が行っている。
・20歳の誕生日の2か月前に、障害年金の診断書を依頼するためAクリニックを受診した。
実際の様式では、期間は年月日で記入します。
1つの欄にまとめて書く場合の記入例
簡素化して1つの欄にまとめる場合は、特に大きな変化があった出来事を中心に、出生時から現在までを時系列で書きます。
以下も架空の記入例です。前述の「かけはし」第68号にも、生来性の知的障害の記載例が掲載されています。
【記入例(架空)】期間:出生から現在(請求日)まで/受診した(医療機関名:Aクリニック)
・3歳児健診で言葉の遅れを指摘され、4歳から市の療育教室に通った。
・小学2年まで通常の学級に在籍したが、学習についていけず、3年から特別支援学級に移った。同じ年に療育手帳の交付を受けた。
・中学校は特別支援学級、高校は特別支援学校高等部に進んだ。登下校は中学校を卒業するまで母が付き添った。
・高等部を卒業後は就労継続支援B型の事業所に通所し、袋詰めなどの決まった作業を、職員の確認を受けながら行っている。
・お金の計算ができず、買い物や金銭管理は母が行っている。一人で電車やバスに乗ることはできない。
・20歳の誕生日の2か月前に、障害年金の診断書を依頼するためAクリニックを受診した。
まとめて書く場合も、受診の有無と医療機関名はあわせて記入します。書き終えたら、前の章で挙げた時期ごとの内容と見比べ、大きな出来事に漏れがないか確認しましょう。
裏面(就労状況・日常生活状況)の書き方
申立書の裏面には、就労状況と日常生活状況を記入します。知的障害の場合も書き方の基本はほかの傷病と同じですが、どの時点の状況を書くかは、請求の方法によって異なります。
ここでは、知的障害の請求で確認しておきたい点を整理します。
どの時点の状況を書くか
記載要領では、請求の方法によって記入する欄が異なります。障害認定日による請求を希望する場合は「1.障害認定日頃の状況」を、事後重症による請求を希望する場合は「2.現在(請求日頃)の状況」を記入します。
障害認定日による請求で、障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、両方を記入します。この場合、診断書も、障害認定日頃のものに加えて、年金請求日前3カ月以内の現症のものが必要になります。
生来性の知的障害では、障害認定日は20歳に達した日です。様式の見出しは「初診日から1年6月目」となっていますが、障害認定日の欄には20歳に達した日の日付を記入し、20歳の誕生日の前日頃の就労や生活の状況を書くことになります。
障害認定日による請求のうち、障害認定日から時間がたってから過去の分もあわせて請求するものは、実務上「遡及請求」と呼ばれます(請求方法の公的な区分ではありません)。さかのぼって受けられる年金は、時効により5年分が限度です。
(※遡及請求に関しては『障害年金の遡及(そきゅう)請求とは|はじめての人にも分かりやすく解説します』をご覧ください。)
知的障害での遡及請求は『知的障害で障害年金をさかのぼって請求(遡及請求)はできますか?』でも解説しています。事後重症による請求は『事後重症請求とは|はじめての人にも分かりやすく解説します』をご覧ください。
就労している場合・していない場合
働いている場合は、様式の欄に沿って記入します。欄は、職種(仕事の内容)、通勤方法と通勤時間(片道)、出勤日数(前月・前々月)、仕事中や仕事が終わった時の身体の調子の4つです。記載要領は、職種について「仕事の内容を具体的に記入してください。」としています。
知的障害の方の場合は、仕事中に受けている指示や見守り、職場の配慮、同僚とのやりとりの様子も、仕事の内容とあわせて書いておきたい内容です。就労継続支援A型・B型や障害者雇用で働いている場合も、同じように記入します。
働いていない場合は、ア〜オの選択肢から当てはまる理由をすべて〇で囲みます。「オ その他」を選んだときは、具体的な理由を記入します。休職中の場合も、理由の記入が求められています。
日常生活の状況
日常生活状況の欄では、着替え・洗面・トイレ・入浴・食事・散歩・炊事・洗濯・掃除・買物の10項目について、当てはまる番号を〇で囲みます。番号は、1=自発的にできる、2=自発的にできるが援助が必要である、3=自発的にできないが援助があればできる、4=できない、の4段階です。障害認定日頃の欄は「できた」などの過去形です。あわせて、日常生活で不便に感じていることを書く欄があります。
記載要領は、日常生活について「日常生活において本人がどのくらいの不自由さを感じているかを記入してください。主治医に確認する必要はありません。」としています。
ご家族が代わりに書く場合も、ご本人の状況として記入します。金銭管理や外出、人とのやりとりなど10項目に含まれない困りごとは、不便に感じていることを書く欄に、誰がどのような手助けをしているかを具体的に書くと、状況が伝わりやすくなります。
なお、「単身で生活するとしたら」という考え方は、医師が作成する診断書の日常生活能力の判定で用いられるものです。申立書の記載要領に示されている考え方とは異なります。
障害者手帳の欄(療育手帳)
障害者手帳の欄では、交付を受けているか(受けている/受けていない/申請中)を〇で囲みます。受けている場合は、手帳の種類(療育手帳は「療」)に〇をつけ、交付年月日・等級・障害名を手帳の記載に沿って記入します。
療育手帳の名称や判定区分の表し方は、自治体によって異なります(東京都の「愛の手帳」など)。書き方がわからない場合は、年金事務所に確認すると確実です。療育手帳の制度については『療育手帳とは?メリット・申請方法などわかりやすく解説』をご覧ください。
審査で考慮される事項と、申立書の記載との関係
申立書は、診断書とともに、日常生活や就労の実態を審査側に伝える資料の一つです。
知的障害の等級判定で考慮する事項は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(以下「障害認定基準」)に示されています。あわせて、「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(以下「等級判定ガイドライン」)が、考慮すべき要素を例示しています。ここでは、その内容と、申立書のどの記載に関係するかを整理します。
障害認定基準(知的障害)の考え方
障害認定基準は、知的障害の認定について次のように定めています。
知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する。
働いている方についても、「仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること」とされています。
(出典:厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(令和4年4月1日改正)第3第1章 第8節 精神の障害「D 知的障害」/日本年金機構の掲載ページ)
等級判定ガイドラインが挙げる知的障害の考慮要素
等級判定ガイドラインは、総合評価の際に考慮すべき要素を例示しています。知的障害について示されている主な要素と、申立書で関係する記載をまとめると、次のとおりです。
| ガイドラインが挙げる要素(原文から抜粋) | 申立書で関係する記載 |
|---|---|
| 知能指数を考慮する。ただし、知能指数のみに着眼することなく、日常生活の様々な場面における援助の必要度を考慮する。 | 病歴状況と裏面の日常生活状況 |
| 在宅での援助の状況を考慮する。 | 病歴状況と裏面の日常生活状況 |
| 仕事の内容が専ら単純かつ反復的な業務であれば、それを考慮する。/仕事場での意思疎通の状況を考慮する。 | 裏面の就労状況 |
| 発育・養育歴、教育歴などについて、考慮する。 | 出生から学齢期までの病歴状況 |
| 療育手帳の有無や区分を考慮する。 | 障害者手帳の欄と、手帳を取得した時期 |
| 中高年になってから判明し請求する知的障害については、幼少期の状況を考慮する。 | 出生から学齢期までの病歴状況 |
※右列は、各要素に関係する申立書の欄を当事務所が整理したものです(ガイドラインが定めるものではありません)。
(出典:厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月1日実施)/日本年金機構の掲載ページ)
ガイドラインは、具体的な内容例として次のことも示しています。
- 「特別支援教育、またはそれに相当する支援の教育歴がある場合は、2級の可能性を検討する。」
- 「療育手帳がない場合、幼少期から知的障害があることが、養護学校や特殊学級の在籍状況、通知表などから客観的に確認できる場合は、2級の可能性を検討する。」
ただし、ガイドラインは「例示した内容だけが「2級」の該当条件ではないことに留意する」とし、複数に該当する場合も「一律に上位等級にするのではなく、個別の事案に即して総合的に評価する」としています。ここに挙げた要素に当てはまるかどうかだけで、等級が決まるわけではありません。
療育手帳の判定区分が軽度の場合の考え方は『軽度知的障害(療育手帳 B2、C、4度)では障害年金をもらえない?』で解説しています。
診断書の「発育・養育歴」「教育歴」と内容をそろえる
精神の障害用の診断書には「これまでの発育・養育歴等」の欄があり、発育・養育歴や教育歴を医師が記入します。医師向けの「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」は、成人以降に判明した知的障害の場合も、問診で把握できた発育・養育や通学・学習の状況を記載するよう示しています。母子手帳や通知表等で把握している症状や行動等も、記載の対象とされています。
申立書を作成したら、学校の在籍状況や療育手帳の取得時期などが、診断書の記載と食い違っていないかを確認しましょう。診断書の内容は医師が判断して記載するものですが、受診の際に母子健康手帳や通知表などを見てもらい、これまでの経過を伝えておく方法もあります。
診断書の役割や準備については『障害年金の診断書とは|種類・重要性と準備のポイントを解説』をご覧ください。
知的障害で障害年金を受給した事例
当事務所がサポートした、知的障害の方の受給事例を4つ紹介します。いずれも出生から現在までの経過を申立書に記載して請求した事例ですが、個別の事例であり、公的な統計や認定の傾向を示すものではありません。
- 【事例170】知的障害|障害基礎年金2級(就労継続支援A型で就労していた事例)
中学校から支援学級、高校は支援学校に在籍し、療育手帳(B2)をお持ちの方の事例です。就労継続支援A型に通所しており、手続きはお父様を通じて進めました。 - 【事例880】軽度知的障害|障害基礎年金2級
中学校から支援学級、高校は特別支援学校に進み、卒業後は障害者雇用で働いている方の事例です。就労支援員のサポートを受けながら就労を続けていました。 - 【事例806】知的障害|障害基礎年金2級
小・中学校は普通学級で過ごし、20歳を過ぎてから知的障害が判明した方の事例です。療育手帳はお持ちでなく、事後重症による請求を行いました。 - 【事例380】知的障害|障害基礎年金2級(過去不支給になって再申請した事例)
小学校は普通学級に在籍し、中学生のときに受診して診断を受けた方の事例です。以前の請求で不支給となった後、事後重症による請求で改めて請求しました。
※個別事案により判断は異なります。
上記は当法人が関与した個別の事例であり、認定の一般的な基準を示すものではありません。
知的障害の申立書でよくあるご質問
知的障害の申立書について、作成にあたって迷いやすい点をまとめました。子どもの頃の受診歴がない場合、大人になってから判明した場合、発達障害との併存、ご家族による代筆の4つの質問にお答えします。いずれも、本文で紹介した記載要領や障害認定基準の内容とあわせてご確認ください。
Q. 子どもの頃に病院を受診していなくても、申立書は書けますか?
書けます。受診していなかった期間は「受診していない」を〇で囲み、その期間の家庭や学校での様子を記入します。空欄にはしないようにしましょう。
療育手帳がない場合について、等級判定ガイドラインは、幼少期から知的障害があることを在籍状況や通知表などから客観的に確認できる場合の扱いを示しています(前述)。手元に残っている資料を確認しておくと安心です。
Q. 大人になってから知的障害と分かった場合も、出生時から書きますか?
生来性の知的障害であれば、記載要領に沿って発病日・初診日を出生日とし、出生時から記入します。等級判定ガイドラインも、中高年になってから判明した知的障害について「幼少期の状況を考慮する」としています。
母子健康手帳や通知表、ご家族の記憶をもとに、幼少期からの様子を整理しましょう。生来性に当たるかどうか迷う場合は、医師や年金事務所に確認してください。
Q. 知的障害と発達障害の両方の診断がある場合は、どう書けばよいですか?
障害認定基準は、知的障害とその他の精神疾患が併存しているときは「併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する」としています。申立書には、知的障害と発達障害の両方による生活上の困りごとを、時期ごとに書いていきます。
初診日の扱いは、診断の内容や受診の経過によって異なることがあるため、作成前に年金事務所や専門家に確認しておくと安心です。発達障害の症状の書き方は『発達障害のエピソードに迷った時の病歴・就労状況等申立書のポイント』をご覧ください。
Q. 家族が代わりに申立書を書いてもよいですか?
ご家族などが代わりに作成することもできます。その場合、記載要領は、申立者の欄に「代筆者の氏名、電話番号、請求者からみた続柄」を記入するよう求めています。
作成にあたっては、ご本人や学校・支援機関の方にも確認しながら、ご本人の状況として記入しましょう。申立書の作成のサポートについては『障害年金の「病歴・就労状況等申立書」のサポート内容は?』で紹介しています。
まとめ
知的障害の病歴・就労状況等申立書は、出生時からの経過を、ご家族が中心になってまとめることも多い書類です。この記事で解説したポイントを整理します。作成の際は、日本年金機構の様式と記載要領もあわせてご確認ください。
- 生来性の知的障害は、発病日・初診日とも出生日を記入し、出生時から現在まで期間をあけずに書く
- 20歳前に初診日がある生来性の知的障害は、1つの欄にまとめて書く簡素化ができる(義務ではない)
- 学校の在籍状況、療育手帳、就労や日常生活で受けている援助は、等級判定ガイドラインで考慮する要素にも挙がっている
- 裏面は請求の方法に応じて、障害認定日(20歳に達した日)頃や現在の状況を書き、日常生活は10項目を4段階で評価する
知的障害で障害年金を受給できるかどうかや認定基準の考え方は、『知的障害で障害年金はもらえる?|認定基準と申請の注意点を解説』をご覧ください。請求の流れは『障害年金を自分で申請する方法|流れと必要書類を解説』で解説しています。
障害年金申請のご相談は、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点の年金法令・障害認定基準に基づき作成しています。
法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は日本年金機構の公式サイト等でご確認ください。
個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家へのご相談を推奨します。
医学的判断は主治医にご確認ください。
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