目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約144万円 遡及金額 約97万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、職場での人間関係がうまくいかず、不眠、過食、不安感などの症状が現れたそうです。
仕事は続けていましたが、症状が悪化し、希死念慮も出現したため、ご家族の勧めで受診することにしました。
双極性障害と診断され薬物療法、精神療法を受けていましたが、症状は一向に改善せず、仕事も退職に追い込まれます。
その後、転居に伴い、転院となります。
転院先では病名が、「うつ病」に変わり、現在まで、精神療法と共に抗うつ薬、抗不安薬等の服薬を継続しています。
しかし、現在も他人との人間関係が構築できず、日常生活においても家事や身の回りの事は家族のサポートが欠かせません。
就労もできる状態ではありませんが、家族の負担を少しでも軽くしようと思い、半年ほど前から在宅ワークを始めました。
ただ、いつまで仕事が続けられるかもわからず、不安に思っていたところ、病院で相談員の方から障害年金の制度を教えてもらい申請を考えます。
主治医の先生に相談したところ、「週40時間も仕事をしていると受給は難しい」と言われ申請を諦めていました。
そんな時、弊社のホームページをご覧になり、就労していても障害年金を受給できる可能性があることがわかり、藁をもつかむ思いでご相談を頂くことになりました。
申請結果
ご相談の際に、ご相談者様は、「週に40時間、フルタイムで就労しているので障害年金は貰えないのではないか」と、とても心配されていました。(ポイント①)
そこで、就労状況についてお伺いすると次のようなことがわかりました。
- 対人交流が苦手なこともあり、在宅ワークにして頂いている。
- 仕事の内容は、単純な事務作業の反復に限られている。
- 会社からの指示や連絡は口頭ではなく、全てメールで対応して頂いている。
また、ミスも多く作業も人の倍以上の時間がかかるそうですが、病状に対する職場の理解のもとで何とか継続できているとの事でした。
以上のような、職場からの配慮について、診断書、病歴就労状況等申立書に正確に反映できれば受給の可能性が充分にあることをご相談者様にお伝えし手続きに入りました。
初診日が2年ほど前ということもあり、受診状況等申立書(初診日の証明)はスムーズに取得でき、続いて、診断書の取得となります。
本事例では、障害認定日(初診日から1年6ヵ月経過した日)より1年以内での申請となるため本来請求で申請することになります。(ポイント②)
本来請求では、障害認定日から3カ月以内の障害の状態で作成された診断書が必要です。
診断書依頼の際は、就労状況は勿論の事、日常生活の状況についても詳細な資料を作成し、医師に橋渡しをしました。
完成した診断書は、提出した資料に沿った内容となっており、正確にご相談者様の状況が反映されていました。
最後に「病歴就労状況等申立書」を作成し、診断書だけでは伝わらない日常生活の状況、仕事における職場からの細やかな配慮などについて詳述しました。
全ての書類が整い、事務所内のチェックの後、申請しました。
結果は、「障害厚生年金2級」に認定され、障害認定日の翌月分から障害年金が支給されることになりました。
本事例のように、「就労=不支給」とお考えの医師もいらっしゃるようです。
勿論、就労していることでハードルは上がりますが、就労状況によっては受給される可能性もございます。
ご心配な場合は、一度、弊社にご相談ください。
※就労している方の障害年金申請のポイントは『「働きながら障害年金をもらえる人」をわかりやすくご説明します』で詳しくご説明していますので、ご参照下さい。
【ポイント1】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】障害認定日から1年以内の請求方法
障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。
診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。
認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。
なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。
- 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
- 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚
以下の動画でも「申請方法に応じた診断書の枚数」についてご説明していますので是非ご覧ください。