対象者の基本データ
| 病名 | 腎機能障害 |
|---|---|
| 性別 | 男性 |
| 支給額 | 年額 約２０８万円 |
| 障害の状態 |
|
| 申請結果 | 障害厚生年金２級 |
ご相談までの経緯
健康診断の際に、糖尿病の可能性を指摘され、医療機関を受診。
精密検査を実施し、「糖尿病」と診断されました。
1か月程検査入院加療を行い、退院後は外来にて月1回程度通院を継続。
自覚症状は特になく、日常生活や仕事上も大きな支障はなく過ごしていました。
ところが、数年後、両下肢の浮腫が出現し、病状も徐々に悪化してきました。
尿蛋白の増加、尿潜血を認め、精査加療目的に紹介状をもらい受け転院。
腎機能悪化により、入院加療が必要となりました。
退院後も浮腫、倦怠感、貧血などの自覚症状があり、就労に制限を感じ始めるようになりました。
腎機能悪化傾向にあり、透析導入を見据え転院。
現在は、週3回の透析治療を継続しています。
透析治療継続の為、仕事は週2回時短勤務となり、事務作業をしています。
透析開始後も食事制限やシャント管理の為の動作制限など、日常生活や就労の場面において支障を感じておられます。
病院のソーシャルワーカーさんより障害年金が申請できることをお聞きになり、弊社へメールにてご相談をいただきました。
申請結果
人工透析治療を受けている場合、障害年金では原則２級に該当する為、申請書類をしっかりと整えて請求出来るかどうかが請求のポイントとなりました。（ポイント①)
ご相談者様の場合、初診日は請求時現在から20年程前とのことでしたので、初診病院では既にカルテが破棄されており、初診日証明を取得することは出来ませんでした。
初診病院で証明書を取得することが出来ないからといって諦めることなく、受診歴の古い順に各病院へと問い合わせを行っていきます。
次に受診された2番目の病院へは初診病院からの紹介状で転医されているということもあって、２番目の病院にて「初診病院からの紹介状」と「受診状況等証明書」を作成していただいたことより、初診日証明を無事整えることが出来ました。（ポイント②）
初診日証明が整った後は、診断書の取得はスムーズに進み、初診証明で難航すると思われていましたが、着手から1月半程で提出完了となりました。
申請の結果、「障害厚生年金２級」として認定されました。
糖尿病の場合、10～20年と長い期間をかけてゆっくりと進行し、慢性腎不全に至るというケースが多く、いざ障害年金を申請しようと思い立った際に初診日証明に難航する事例が多くあります。
障害年金は初診日主義とされているため、本来なら受給出来る年金も初診日証明が出来ず諦めざる得ないということもあります。
そのため、糖尿病と診断された場合は最悪のケースに備えて、診察券やお薬手帳、領収書など証拠となる資料を残しておかれることをお勧めいたします。
【ポイント１】人工透析は働いても受給可能
人工透析の等級は、原則『２級』と定められています。（※）症状によってはさらに上位等級の可能性もあり。
仕事が出来ていると「障害年金の受給は無理かな？」を思いがちですが、人工透析を実施していることで就労や生活に制限が出てきます。
そのため、人工透析の場合は「就労の有無・生活への支障」などに関わらず、２級と認定されます。
就労と障害年金の関係に関しましては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント２】初診日の証明が出来ない場合の対処法
障害年金では初診日の証明がとても重要です。
この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。
これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。
特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。
この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。
また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。
それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物（診察券や領収書、お薬手帳など）なども探して下さい。
こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。
また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。
このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
その他の腎疾患の事例
