目次
対象者の基本データ
病名 | 広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
小学生の頃、パニックを起こした際に母の首を絞める、包丁を持ち出すことがあり、両親が心配し、医療機関受診に至りました。
家庭環境の背景や社会的コミュニケーションの構築に困難を抱えていることから学校への登校も不安定で、「広汎性発達障害」と診断されました。
高学年になり学校へはほとんど通うことが出来なくなり、中学校はフリースクールで過ごし、中学校卒業後は通信制高校へ進学しましたが半年程で退学に至りました。
対人関係における緊張が強く、買い物や通院時の診察など通常の社会生活を行うことは出来ず、就労移行支援などの福祉的サービスを受けることも困難な状態です。
精神的にも不安定で気持ちの落ち込みがあり、希死念慮も認め、抗不安薬の処方も受けていました。
20歳を目前に発達検査を受けられる精神状態にまで落ち着き、検査を受け、軽度知的障害があることもわかり、ご家族で手帳と障害年金を申請されましたが、障害年金の結果は不支給。
1年程経過し、もう一度申請して受給できる可能性はないか、当事務所にご相談をいただきました。
申請結果
今回のご相談者様は過去に申請歴があったため、再度申請して受給の可能性があるかどうか、また再申請する際にどのようなことに気を付けて申請を進めればよいか検討するため、まずは過去に申請された際の申請書類一式を拝見させていただきました。(ポイント①)
現在までの経過や生活状況からすると十分に障害年金が受給出来る程度にも関わらず、過去に申請された際の書類上では実際の状況がうまく反映出来ておらず、納得いく結果を得ることが出来なかったものと推察されました。
障害年金は申請書類のみの審査となるため、本来は障害年金を受給出来る状態にある方であっても、それが申請書類上で確認出来なければ、不支給となってしまう事もあり得てしまいます。
今回の申請では、診断書を作成していただく主治医の先生へ診断書の評価方法について改めてお伝えすると同時に、ご家族様よりお伺いしたご本人様のご家庭内での様子や日常生活状況について参考資料としてまとめて橋渡しを行いました。(ポイント②)
診断書だけでご本人様の実際の状況が十分に伝わるものを作成していただくことができたため、病歴就労状況申立書は簡潔にまとめて申請しました。
結果、「障害基礎年金2級」として認定されました。
【ポイント1】一度不支給となっていても受給の可能性あり
過去に不支給となっても、障害年金を再度申請することは可能です。
大切なのは「なぜ不支給となったか」原因を見つけることです。
原因を見つけるのは慣れていないと難しいこともありますので、ぜひ専門家にご相談ください。
【ポイント2】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。
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