障害者手帳の取得を考えるとき、「取ったら何か損をするのではないか」という不安から、申請をためらう方は少なくありません。免許が取り消されるのではないか、保険に入れなくなるのではないか、障害年金の審査で不利になるのではないか。こうした心配は、インターネット上でもよく話題になります。
この記事では、障害者手帳に実際にある負担と、「デメリット」と言われながら実は手帳が原因ではないものを分けて整理します。当事務所は障害年金を専門とする社会保険労務士法人ですので、特に障害年金との関係については踏み込んで解説します。
結論|手帳の取得そのものに法的な不利益はありません
障害者手帳を取得したこと自体を理由に、法律上の権利が制限されたり、資格を失ったりする仕組みは設けられていません。実際に負担となるのは、手続きと費用の面です。ただし、生命保険などの民間の契約については、公的制度とは分けて考える必要があります。
整理すると、次のようになります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 実際に生じる負担 | ①診断書・意見書の費用(手帳の種類によります) ②更新・再認定の手続き ③更新時に非該当となる可能性 |
| 手帳が原因ではないもの | ④運転免許 ⑤障害年金 ⑥勤務先への通知(年末調整で障害者控除を申告する場合を除きます) |
| 商品によって扱いが異なるもの | ⑦生命保険・住宅ローンの告知と引受け |
⑦については、手帳の交付歴や申請歴を確認する商品が実際にあるため、「手帳とは無関係」とは言い切れません。詳しくは後述します。
以下、それぞれについて根拠とあわせて解説します。なお、手帳制度の全体像については 障害者手帳とは?制度やメリットをわかりやすく解説 をご覧ください。
実際に負担となる3つのこと
まずは、手帳を取得した場合に実際に生じる負担を確認します。いずれも制度の仕組みから生じるもので、あらかじめ知っておけば準備ができるものです。手帳の種類によって内容が異なる点にご注意ください。
診断書・意見書の費用は手帳の種類によって異なります
手帳の交付申請そのものに手数料はかかりません。ただし、申請の方法は手帳の種類によって異なり、医師の診断書が必要になるかどうかも変わります。
| 手帳の種類 | 障害の状態を確認する方法 |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 原則として、都道府県知事等が指定する医師(指定医)の診断書・意見書が必要 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 医師の診断書による申請のほか、精神障害を支給事由とする年金給付を受けている場合は、年金証書等の写しによる申請などができる |
| 療育手帳 | 児童相談所または知的障害者更生相談所における判定にもとづいて交付される。判定基準や運用方法は自治体ごとに定められている |
(出典:厚生労働省「障害者手帳について」)
つまり、医療機関に作成を依頼する有料の診断書が必ず必要になるのは身体障害者手帳と、診断書によって申請する場合の精神障害者保健福祉手帳です。療育手帳は判定を基礎とする制度であり、医療機関の診断書が必ず必要になるとは限りません。実際の提出書類は自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村の障害福祉担当課にご確認ください。
診断書が必要な場合、作成費用は自己負担となるのが一般的です。金額は医療機関によって異なりますので、事前にご確認ください。なお、診断書の作成費用の一部を助成している自治体もあります。
精神障害者保健福祉手帳については、費用の負担を避けられる場合があります。精神障害を支給事由とする障害年金等を受給されている方は、年金証書等の写し(特別障害給付金を受けている場合は受給資格者証等の写し)を添えて申請することができ、この場合は診断書が不要です。
詳しくは 精神の障害年金を受給していると同じ等級の障害者手帳が取得できる? をご覧ください。
手帳の種類によって更新の負担が違います
「障害者手帳は2年ごとの更新が必要」という説明を見かけますが、これは精神障害者保健福祉手帳の話です。3種類の手帳で扱いが異なります。
| 手帳の種類 | 有効期限・更新 |
|---|---|
| 精神障害者保健福祉手帳 | 有効期限は交付日から2年が経過する日の属する月の末日。更新には改めて診断書等が必要(※) |
| 身体障害者手帳 | 原則として有効期限はない。ただし障害の状態に変化が予想される場合は、一定期間を置いた後に再認定が行われることがある |
| 療育手帳 | 自治体ごとに制度が運用されており、成長に伴う変化を確認するため定期的に再判定を行う自治体が多い |
※精神障害を支給事由とする年金給付を現に受けている場合は、年金証書等の写しによる申請、またはマイナンバーを活用した情報連携により、診断書の添付が不要になることがあります。
つまり、定期的な更新の手続きが生じるのは精神障害者保健福祉手帳です。身体障害者手帳は原則として更新の手続きがなく、再認定の対象となるかどうかは障害の内容によります。
精神障害者保健福祉手帳の更新申請は、有効期限の日の3か月前から行うことができます。有効期限を過ぎてしまった後でも申請は可能です。詳しくは 障害者手帳に更新は必要ですか? をご覧ください。
更新時に非該当となることがあります
更新にあたっては、その時点の状態が改めて判定されます。状態が軽減している場合には、等級が下がったり、非該当となって手帳が交付されなくなったりすることがあります。これが、手帳に関する最も実質的なリスクといえます。
ただし、非該当となった場合でも、その判断が確定的なものというわけではありません。身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の交付・不交付に関する決定は、法律にもとづく行政処分ですので、判定に納得できない場合は、行政不服審査法にもとづく審査請求ができます。
審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に行う必要があります(行政不服審査法第18条第1項)。あわせて、処分があった日の翌日から起算して1年を経過するとできなくなります(同条第2項)。いずれも正当な理由があるときの例外が定められています。また、審査請求では証拠書類や証拠物を追加で提出することが認められています(同法第32条第1項)。
なお、法律に審査請求の裁決を経た後でなければ提起できない旨の定めがあるときを除き、処分の取消しの訴えを直ちに提起することもできます(行政事件訴訟法第8条第1項)。ただし取消訴訟にも別の期限があり、処分があったことを知った日から6か月、処分の日から1年を経過すると提起できなくなります(同法第14条第1項・第2項)。いずれも正当な理由があるときの例外が定められています。審査請求の期限とは別の期限ですので、混同しないようご注意ください。訴訟はご本人でも提起できますが、手続が複雑なため弁護士へのご相談をおすすめします。
一方、療育手帳は各自治体が判定基準や運用方法を定めて実施している制度です。決定の法的な位置づけが自治体の条例・規則・要綱のいずれにもとづくかによって、審査請求や取消訴訟の対象となるかが変わる可能性があります。療育手帳については、決定通知書の教示欄と、お住まいの自治体の規定をご確認ください。
「デメリット」とされる4つのことを検証します
ここからは、手帳のデメリットとしてよく語られる4つの事柄を、根拠となる制度に照らして確認します。運転免許・障害年金・勤務先への通知の3つは、手帳の取得が原因ではありません。一方、生命保険・住宅ローンについては、商品によって扱いが異なるため一般化できません。それぞれ分けて解説します。
運転免許|手帳の有無は判断材料ではありません
運転免許の取得・更新の可否は、道路交通法とその政令が定める「一定の病気等」に該当する症状があるかどうかで判断されます。障害者手帳の所持は、法令上の判断材料とされていません。
警察庁は、運転免許を拒否又は保留される場合として、介護保険法に規定する認知症、アルコール・麻薬等の中毒、幻覚の症状を伴う精神病であって政令で定めるもの、発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であって政令で定めるものなどを挙げています。
重要なのは、これらの多くに除外規定が付されていることです。統合失調症については、安全な運転に必要な認知等に係る能力を欠くこととなるおそれのある症状を呈しないものが除かれています。てんかんについては、発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの、発作が睡眠中に限り再発するものが除かれています。
(出典:警察庁「運転免許の拒否等を受けることとなる一定の病気等について」)
つまり、診断名がついているというだけで一律に判断されるものではなく、症状の状態によって個別に判断されます。そして、その判断に手帳の有無は関係しません。手帳を取得したことを理由に免許が取り消されることはありませんし、逆に手帳を取らなければ対象外になるというものでもありません。
ただし、免許の取得・更新の際には、病気の症状等に関する質問票への回答が求められます。回答の内容によっては、公安委員会から診断書の提出を求められることがあります。
運転についてご不安がある場合は、各都道府県警察の安全運転相談窓口(全国統一ダイヤル #8080)にご相談ください。運転が可能かどうかの医学的な判断は、主治医にご確認ください。
生命保険・住宅ローン|商品によって扱いが異なります
生命保険の加入や住宅ローンの団体信用生命保険では、健康状態についての告知が求められます。告知書で尋ねられるのは、一般に通院歴・入院歴・服薬の状況といった傷病に関する事実です。
まず押さえていただきたいのは、手帳を取得しなければ告知が不要になるわけではないということです。告知の対象は傷病に関する事実ですので、手帳を取らなくても、手帳を返還しても、これまでの傷病歴が消えるわけではありません。
一方で、「手帳を取っても告知や引受けの判断は変わらない」と言い切ることもできません。告知事項や引受けの条件は保険会社・商品・特約ごとに定められており、障害者手帳の交付歴や申請歴そのものを確認し、それを特約の引受条件としている商品も実際にあります。
したがって、この論点については「手帳とは無関係」とも「手帳が原因で加入できなくなる」とも一般化できません。加入を検討されている商品の告知書と約款で個別にご確認いただくか、保険会社にお問い合わせください。住宅ローンの団体信用生命保険についても、取扱いは金融機関・保険会社によって異なります。
なお、当事務所は保険の募集や引受けに関与する立場にありませんので、個別の商品の判断についてはお答えできません。
障害年金|手帳を取っても審査で不利にはなりません
「手帳を取ると障害年金の審査で不利になるのではないか」というご相談をいただくことがありますが、そのような仕組みはありません。
障害年金の受給には、次の3つの要件を満たす必要があります。
- 初診日要件:障害の原因となった傷病で初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日が、所定の期間内にあること
- 保険料納付要件:初診日の前日において、所定の保険料納付要件を満たしていること
- 障害状態要件:障害認定日などにおいて、障害認定基準に定める障害の状態にあること
(出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」)
このいずれにも、障害者手帳の所持・不所持は含まれていません。手帳をお持ちでなくても障害年金の請求はできますし、手帳を持っていること自体が不利益に働く要件も設けられていません。
ただし、提出した手帳の内容が審査で参照されないという意味ではありません。手帳は障害の状態を確認する補足的な資料として扱われることがあり、その内容は診断書など他の提出資料とあわせて確認されます。手帳の等級だけで結果が決まるものでも、手帳があることで結論が動くものでもない、という位置づけです。
むしろ、手帳が障害年金の請求で役立つ場合があります。日本年金機構は、初診日を確認するうえで参考資料として取り扱うものとして、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳、およびそれらの申請時の診断書を挙げています。初診の医療機関で受診状況等証明書を取得できない場合に、その写しを「受診状況等証明書が添付できない申立書」に添えて提出することができます。
(出典:日本年金機構「障害年金講座〈基本事項〉」(かけはし別冊・令和5年5月))
ただし、これらの資料を添えれば初診日が必ず認められるというものではなく、複数の資料の整合性を照らし合わせて判断されます。
なお、手帳の等級と障害年金の等級は一致しません。日本年金機構も、障害年金の等級は身体障害者手帳等の等級とは異なると明示しています。詳しくは 【知らないとマズい】「障害年金」と「障害者手帳」の関係 をご覧ください。
勤務先|自治体から会社へ通知される仕組みはありません
手帳を取得したことが、市区町村から勤務先へ通知される仕組みはありません。手帳を提示するかどうかは、その都度ご自身で判断できます。
ただし、障害者控除の申告方法によって、勤務先が把握するかどうかが変わります。
年末調整で障害者控除を受ける場合は、勤務先に提出する扶養控除等申告書に記載することになりますので、給与担当者が把握します。
ご自身で確定申告をして障害者控除を受ける場合は、控除の内訳が勤務先へ直接通知される仕組みではありません。ただし、住民税額の変化などから推測される可能性まで否定できるものではありません。
いずれにしても、控除を申告しないという選択もできますので、開示の範囲はご自身で調整できます。具体的な申告方法や税務上の取扱いについては、税務署または税理士にご確認ください。
就労への影響|障害者雇用枠を選ぶかは別の判断です
手帳のデメリットとして最もよく挙げられるのが就労への影響です。ただし、これは「手帳を持つこと」と「障害者雇用枠で働くこと」を分けて考える必要があります。両者は連動していません。
手帳があっても一般雇用枠で働けます
手帳を持っていることを勤務先や応募先に伝える義務はありません。手帳をお持ちのまま、障害の有無にかかわらず応募できる一般雇用枠で働くという選択もできます。
障害者雇用枠については、給与水準や昇進の機会が一般雇用枠と異なるという指摘があります。ただし、待遇や配慮の内容は企業によって大きく異なりますので、一律に不利であるとは言えません。応募を検討される際は、個別に確認されることをおすすめします。
ただし雇用率の算定には障害種別ごとの確認資料が必要です
一方で、「開示は任意」というだけでは説明が足りない部分があります。
企業が実雇用率に算入する形で雇用する場合、対象となる方の確認方法が障害種別ごとに定められています。厚生労働省の「高年齢者及び障害者雇用状況報告 記入要領」では、次のとおりです。
| 障害種別 | 報告の対象となる方 |
|---|---|
| 身体障害者 | 原則として身体障害者手帳の対象者 |
| 知的障害者 | 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医(判定機関等)または障害者職業センターにより知的障害者と判定された方 |
| 精神障害者 | 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方 |
(出典:厚生労働省「高年齢者及び障害者雇用状況報告 記入要領」)
つまり、手帳が必要かどうかは障害の種別によって異なります。精神障害の場合は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていることが要件です。知的障害の場合は、療育手帳のほか、判定機関等や障害者職業センターの判定によって対象となる場合があります。
いずれにしても、実雇用率に算入される形で働く場合には、企業側で手帳または判定書の確認が通常必要になります。開示するかどうかを自由に選べるのは一般雇用枠で働く場合であり、雇用率に算入される形で働く場合には確認資料が要件になるという非対称な関係があります。
なお、企業が採用の区分として設けている「障害者雇用枠」と、法律上の実雇用率への算入要件は、完全に同じ概念ではありません。応募条件は企業ごとに定められていますので、個別にご確認ください。
手帳の種類・等級によって注意点は変わります
ここまでは手帳全般に共通する内容を扱いましたが、実際にはどの手帳をどの等級で取得したかによって、利用できる支援の範囲が変わります。年齢によっても関係する制度が変わります。
等級によって対象外になる支援があります
手帳を取得すれば一律にすべての支援を受けられるわけではありません。制度ごとに対象となる等級が定められています。
たとえば税制上の取扱いでは、身体障害者手帳に1級・2級と記載されている方は「特別障害者」、3級から6級と記載されている方は「障害者」として区分されます。精神障害者保健福祉手帳では、障害等級が1級と記載されている方が特別障害者にあたります(所得税法第79条、同法施行令第10条)。
なお、障害者控除は手帳をお持ちの方だけに限られた制度ではありません。手帳がなくても、他の要件により対象となる場合があります。具体的な適用は税務署または税理士にご確認ください。
(出典:国税庁「No.1160 障害者控除」)
また、鉄道運賃の割引は、手帳の「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額」欄に第1種または第2種の記載があることが前提で、割引の内容も種別によって異なります。
このように、等級が低い場合には対象外となる支援があります。ご自身が使いたい制度について、対象となる等級を個別に確認されることをおすすめします。
65歳以降は介護保険が優先される場面があります
障害福祉サービスを利用されている方が65歳になると、障害者総合支援法第7条により、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合には介護保険サービスが優先されます。利用者負担や支給量が変わることがあり、「65歳問題」と呼ばれています。
ただし、これは手帳のデメリットではなく、2つの制度の間の調整の問題です。手帳を取得しなくても、障害福祉サービスを利用していれば同じ調整の対象になります。
また、一律に介護保険が優先されるわけではありません。厚生労働省は市町村に対し、介護給付費等を支給する場合の基準を設けている場合であっても、その基準によって一律に判断するのではなく、介護保険サービスの支給量・内容では十分なサービスが受けられない場合には介護給付費等を支給するなど、適切な運用に努めるよう求めています。
(出典:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課・障害福祉課「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度の適用関係等に係る留意事項等について」平成27年2月18日事務連絡)
介護保険サービスに相当するものがない障害福祉サービス固有のものと認められるサービスについては、65歳以降も引き続き利用が認められています。取扱いは自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村にご確認ください。
取得をためらう場合に知っておきたい選択肢
「障害者と認定されることに抵抗がある」「手帳を持っていることを知られたくない」というお気持ちから、取得をためらう方は多くいらっしゃいます。制度には、そうした場合に選べる仕組みも用意されています。
写真を表示しない手帳・カード様式を選べる場合があります
精神障害者保健福祉手帳制度実施要領は、手帳には交付を受けた方の写真を表示するものと定めています。ただし、申請者が写真の表示に応じられない場合は、写真の表示がないことで受けられるサービスに差異が生じることがあり得ることを説明した上で、やむを得ない理由がある場合として、写真を表示しないこととすることは差し支えないとされています(第2の4(5))。これを受けて、写真の提出自体を不要と案内している自治体もあります。
また、手帳の様式は紙の様式が原則ですが、交付を受ける方が希望する場合にはカードの様式によることもできます(第2の4(1))。
(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」平成7年9月12日 健医発第1132号、最終改正 令和7年10月29日 障発1029第2号)
ただし、写真を表示しない場合には注意が必要です。鉄道運賃の割引では、顔写真が貼付されていない手帳は割引の対象とならないと案内している事業者・自治体があります。実際に使いたい制度があるかどうかを踏まえてご判断ください。取扱いは自治体によって異なりますので、窓口にご確認ください。
更新しないという選択もできます
手帳の取得は任意です。取得した後も、有効期限のある手帳であれば更新しないという選択ができます。
なお、精神障害者保健福祉手帳については、障害等級に定める精神障害の状態がなくなったときは、速やかに、市町村長を経て都道府県に返還しなければならないとされています(実施要領 第3の6(1))。これは状態が該当しなくなった場合の義務であり、実施要領にはご本人の希望による返還についての規定は置かれていません。手元に置いておきたくない事情がある場合は、お住まいの市区町村の障害福祉担当課にご相談ください。
疾病別の注意点
手帳の判定の考え方や、障害年金との関係は、疾病によって異なります。以下の記事では、疾病ごとの認定の考え方を解説しています。
手帳をお持ちの方・お持ちでない方の障害年金の事例
当事務所では、障害年金の申請を数多くお手伝いしてまいりました。以下は当事務所が関与した個別の事例であり、公的な統計や認定の一般的な基準を示すものではありません。手帳の交付結果とは別の制度の結果である点にもご留意ください。
手帳をお持ちでない状態から障害年金が認定された事例があります。
手帳の等級より障害年金のほうが上位の等級となった事例もあります。
いずれも、手帳の有無や等級が障害年金の結果を決めるものではないことを示しています。
※個別事案により判断は異なります。
よくあるご質問
障害者手帳のデメリットについて、当事務所によくお寄せいただくご質問をまとめました。手帳と障害年金は別の制度ですので、それぞれについて分けて整理しています。
Q. 障害者手帳を取ると、家族に知られてしまいますか?
手帳の交付にあたって、市区町村から家族へ通知される仕組みはありません。ただし、自治体からの郵送物の宛名や封筒の表記が気になる場合は、申請時に窓口へご相談ください。取扱いは自治体によって異なります。
Q. 障害者手帳を取ると、障害年金を受給していることが会社に知られますか?
障害年金の受給が勤務先に通知される仕組みはありません。また、障害年金は所得税法上の非課税所得とされています。具体的な税務上の取扱いについては、税務署または税理士にご確認ください。
Q. 手帳の等級が下がると、障害年金も減額されますか?
手帳の等級と障害年金の等級は別に判断されますので、手帳の等級が下がったことによって障害年金が自動的に減額されることはありません。ただし、障害年金にも障害状態確認届による更新があり、そちらは別に判断されます。
Q. 手帳を取らずに障害年金だけ申請することはできますか?
できます。障害者手帳の所持は障害年金の受給要件ではありません。受給要件については 障害年金をもらえる人|3つの受給要件をわかりやすく解説 をご覧ください。
Q. 障害年金にもデメリットはありますか?
障害年金についても、受給を検討される際に知っておきたい点があります。詳しくは 障害年金のデメリット をご覧ください。手帳とは別の制度ですので、それぞれ分けてご確認いただくことをおすすめします。
まとめ
障害者手帳の取得そのものを理由に、法律上の権利が制限される仕組みは設けられていません。実際に生じる負担は、診断書・意見書の費用、更新や再認定の手続き、そして更新時に非該当となる可能性の3点です。ただし診断書が必要かどうかは手帳の種類によって異なり、療育手帳は判定を基礎とする制度です。
デメリットとして語られることの多い運転免許・障害年金・勤務先への通知は、手帳が原因ではありません。運転免許は症状の状態によって判断され、障害年金の受給要件に手帳は含まれておらず、自治体から勤務先へ通知される仕組みもありません。
一方、生命保険や住宅ローンの告知・引受けについては、手帳の交付歴や申請歴を確認する商品もあるため、「手帳とは無関係」とは言い切れません。加入を検討される商品ごとにご確認ください。
手帳の取得は任意です。ご自身が使いたい制度と、生じる負担を照らし合わせてご判断ください。
障害年金の受給についてご不安のある方は、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年8月時点の法令・通知に基づき作成しています。法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は 厚生労働省「障害者手帳について」 および 日本年金機構の公式サイト 等でご確認ください。個別の事案については社会保険労務士・弁護士・税理士等の専門家へのご相談を推奨します。医学的判断は主治医にご確認ください。

