99%の人は知らない… 障害年金受給のデメリット10選

「障害年金を受給した場合のデメリットってありますか」「障害年金って老齢年金の前借りですか」といった障害年金のデメリットに関する相談を多くいただきます。

本記事では障害年金を受給した場合のデメリットをご紹介したいと思います。

「障害年金のデメリット」って、あるの?

障害年金のデメリットに関するご質問が多いということは「障害年金を受給すると何か大きな代償があるんじゃないか」と心配されてる方も多いのではないかと思います。

結論から言いますと、そういう意味でのデメリットはほとんどありません。

障害年金を受けると他の制度に少なからずと影響することもあります。

結果的にはプラスになることがほとんどですが、「強いて言えばこんなデメリットもある」というデメリットを10個ご紹介します。

手続きを進める際には気が付かなかったデメリットが、後から気が付くと心理的な負担となったり、生活を見直さなければならないというケースもあります。

本記事をお読みいただければ、障害年金のデメリットについても正しくご理解いだき、本当に障害年金を申請するべきなのかの最適な判断をしていただけるようになると思います。

【デメリット1】老齢年金の金額が下がる場合がある

障害年金のデメリットの1つ目は、障害年金2級以上の方が年金保険料の法定免除を選択すると、将来もらえる老齢年金の金額が下がることです。

日本では原則として20歳以上になると国民年金や厚生年金などの公的年金 に加入して年金保険料を払う必要があり ます。

しかし国民年金に加入している方が障害年金1級又は2級に該当した場合は法定免除の対象となり、申請すると国民年金は 全額免除され、免除された期間は国民年金を部分的に納付した扱いになります。

法定免除を申請すると、65歳以降に老齢基礎年金を選択した場合に受け取れる年金額が減ってしまいます。

ただし、これは法定免除をするからであって、障害年金を受け取るから減ってしまうっていうわけではありません。

老齢基礎年金は、これまでに納付した保険料によって受け取れる金額が変わってきます。

そのため、免除すると全額納付した時に比べて受け取れる金額が下がってしまうというわけです。

65歳以降もずっと障害年金をもらい続けられる方はこれでもいいんですけど、65歳までの間の更新で障害年金が止まったら65歳以降は老齢基礎年金を受け取ることになるかもしれません。

そんな時に備えて少しでも老齢年金を増やしておきたい方は、「任意納付」や「追納」という選択もあります。

「任意納付」とはこれまで通り国民年金保険料を払い続けることです。

以前は障害年金2級以上に認定すると強制的に法定免除になっていましたが、現在は法定免除するかどうかを自分で選択することができるようになりました。

また、「追納」とは将来受け取れる老齢基礎年金の金額を増やすために、10年以内であれば過去の保険料を遡って収めることができる仕組みです。

【デメリット2】扶養から外れる場合がある

障害年金を受給すると、健康保険の扶養から外れる可能性があります。

「扶養」には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つの概念があります。

障害年金は非課税なので「税法上の扶養」は障害年金の受給とは関係がありません。

「社会保険上の扶養」になると、家族の加入する健康保険に入ることができ、保険料の支払い義務がなくなります。

扶養になるための条件は2つあります。

  • 扶養してくれる方の年間収入の 1/2未満である。
  • 年間収入 が130万円未満である。

ただし障害年金を受けている場合、この130万円という条件が180万円まで 引き上げられます。

扶養の上限となる180万円の所得には障害年金も含めて計算さ れることになります。

障害年金で180万円 以上となる方や障害年金と他の収入を加えて180万円を超えてしまう方は注意が必要です。

その場合は「社会保険上の扶養」から外れて、ご自身で国民健康保険に加入することになります。

健康保険料として月額で1万円以上を負担することになります。

とはいえ、障害年金だけで180万円を超えるケースは稀で、仮に扶養から外れたとしても、健康保険料以上に障害年金が入ってくるため、障害年金によるメリットの方が大きいと言えます。

【デメリット3】他制度と両方の満額を受給できない

傷病手的金など他の制度と障害年金を請求できる場合、両方を満額受給することはできず調整される。

傷病手当金との併給

傷病手当金というのは会社で社会保険に入っている方が業務外の病気や怪我で働けなくなり、収入が途絶えてしまった場合に健康保険から支給される制度です。

しかし、同じ病気や怪我で傷病手当金と障害厚生年金を同時に受け取る場合、重復している期間の障害厚生年金は全額受け取ることができますが、傷病手当金は調整をされることになります。

具体的には傷病手当金と障害年金の金額を比較して、傷病手当金の方が大きければ、障害年金プラスその差額だけが傷病手当金から支給されます。

逆に障害年金の方が大きければ、障害年金が支給されて傷病手当金は全額支給停止となります。

傷病手当金との併給

実際にはすでに傷病手当金を受けている方が、後から障害年金を受けるケースが多いと思います。

傷病手当金と障害年金の受け取り期間が被る場合には、その被って期間の傷病手当金の差額又は全額を返還しなければなりません。

ちなみにご自身で「障害年金受け始めました」と協会けんぽに申告しなかったとしても、ある日 突然協会けんぽから返還の請求書が届きます。

ですから、あらかじめ制度を理解しておくことで、心の準備もお財布の準備もできると思います。

「傷病手当金の返還が嫌だから、傷病手当金が終了した後にすぐに障害年金が受け取れるように調整したい」という方もおられます。

しかし、障害年金は準備や審査に時間がかかるため、ぴったりと調整するのは難しいと考えてください。

一番最悪のケースは、ぴったりを狙いすぎて、傷病手当金が終わった後、障害年金が始まるまでの間に何の収入もない空白の期間が生まれてしまうということです。

以下の2つのケースをよく考えてください。

  • 傷病手当金と障害年金の受給期間を被らせて傷病手当金の一部を返金した場合
  • うまくタイミングを調整できて傷病手当金が終了した後すぐに 障害年金を受け取れた場合

この2つを比較した場合、前者は返金するという心理的な負担はあるかもしれないですが、両方とも受け取れる金額としては同じなんです。

傷病手当金の返還

だったら返金はするものの2つ受給期間を被らせて、安全に空白期間を少しでもなくせようにし た方が良くはないでしょうか。

この場合、障害年金がせっかく入ってきたのに、傷病手当金は返すから、なにか損をした気持ちになるということがデメリットかもしれません。

ちなみに併給調整されるのは障害厚生年金のみで障害基礎年金の方は併給調整されることなくそれぞれを全額受け取ることができます。

労災との併給

労災給付というのは、業務上や通勤中での病気や怪我を保障するための制度です。

もし同じ病気や怪我で障害年金を受給する場合、障害年金は全額を受け取れますが、労災給付は減額をされます。

ただ、併給調整をされ た後であってもどちらか一方だけを受け取るよりも受給額を合計することで高くなるように調整をされているので、労災給付が減ってしまうからと言って障害年金を諦めてしまう必要はありません

児童扶養手当との併給

障害年金を受給する場合児童扶養手当との併給も注意が必要です。

「児童扶養手当」というのは、1人親家庭やお父さんお母さんのいずれかに重度の障害がある子育て家庭に対して支給される制度です。

よく似た名前で「児童手当」とか「特別児童扶養手当」といっ た制度もありますが、それらは「児童扶養手当」とは全く別物で、障害年金とは一切関係がありません。

以下のどちらかに該当する方で、児童扶養手当と障害年金を併給する場合は注意が必要です。

  • 障害年金に「子の加算」を受け取ってる方
  • 障害厚生年金3級を受けてる方

もし障害年金の子の加算と児童扶養手当ての両方を受け取れることができる場合、障害年金の子の加算が優先されて、児童扶養手当は子の加算との差額のみが支給されることになります。

児童扶養手当との併給

障害年金の2級以上に該当する方の場合は、調整をされたとしても、結果的には受給額が増える可能性が高いです。

しかし、障害年金の3級に該当する方の場合は注意が必要です。

障害年金の3級の場合は、3級の金額と児童扶養手当の金額が比較されます。

障害年金3級には月額で約49,000円という最低保証があります。

一方で児童扶養手当てというのは約43,000円ですので、その差額は約6,000円になります。

障害厚生年金3級を受けてる方

このようにトータルの受給額は増えたとしてもごくわずかなため、障害年金3級を受けたとしても、手続きが大変な割には年金受給のメリットを十分に受けることができないということになります。

【デメリット4】死亡一時金・寡婦年金が支給されなくなる

死亡した方が生前に障害年金を受けていた場合、死亡一時金や寡婦年金は支給されなくなる

死亡一時 金というのはなくなった方と生計を同じく してた遺族に対して支払られる一時金の 制度です。

寡婦年金というのは遺族年金をもらえない65歳未満の妻に対して60歳 から65歳の間に支給される年金です。

死亡一時金というのは、これまでに納めてきた保険料に応じて12万円から32万円が支給され、寡婦年金というのは亡くなった夫の老齢基礎年金の3/4に相当します。

死亡一時金も寡婦年金もどちらにしろ亡くなっ た方が障害基礎年金を受け取っていると支給されません

死亡一時金も寡婦年金が、「せっかく長い間年金を収めてきたのに1度も年金を受け取ること亡くなってしまった方が、掛け捨てにならないように遺族に少しでも払いましょう」という制度 だからです。

多くのケースでは障害年金を申請した方がトータル的には受け取る金額は大きくなります。

ただ、末期癌などで余命がすごく短く、障害年金を受給できる期間が数ヶ月だけといった場合には、死亡一時金や寡婦年金を受けた方が大きくな るっていうケースがあります。

このような ケースでは病院の相談院さんや年金事務所と相談をしながら慎重に検討するのが良いでしょう。

【デメリット5】配偶者の加給年金が停止する

老齢厚生年金や障害厚生年金で「配偶者の加給年金」を受けてる場合、配偶者が障害年金を受けると加給年金は停止されます。

障害厚生年金や老齢厚生年金を受給している場合、配偶者がいると受給額がプラスされます。

これを「加給年金」と言います。

配偶者の加給年金は年間で22万187100円で、障害年金に加算されて支給されます。

夫婦のどちらかが年金をすでに受けていて、かつ、配偶者の加算を受けている場合、その加給年金の対象となる配偶者が障害年金を受給すると、加給年金の部分が支給停止となります。

配偶者の加給年金が停止

ただし、障害年金の受給額というのは加給年金よりも多くため、世帯収入としては増えるということになります。

加給年金が停止するデメリットよりも、障害年金を受給するメリットの方が大きいので、加給年金が停止するというデメリットはそこまで気にする必要はないと思います。

【デメリット6】生活保護費が減額される

生活保護と同時に障害年金を受給すると、生活保護費が減額されたり受給のスケジュールが変わります。

生活保護というのは、働くことが難しくて 生活が苦しい方を支援するための制度です。

収入が基準額を下回る場合、その差額が支給されます。

また医療費が免除になるなど、必要に応じたその他の支援を受けることもできます。

生活保護を受けている方が障害年金を受ける場合のデメリットについて2点ほど説明をします。

障害者加算

1つ目が障害者加算についてです。

障害年金と生活保護では障害年金の方が優先され ますが、年金があまりにも少なくて生活に困窮する場合は生活保護との併給も可能です。

ただし、障害年金も収入として見られるため、保護費から年金額が差し引かれて、差額の支給となります。

つまり合計額としては生活保護費と同額となり、手元に入ってくるお金は変わりません。

「それなら、わざわざ時間とお金をかけて障害年金を申請する必要ってないじゃない?」と思われるかもしれませんが、障害年金の1級また2級を受給すると生活保護の方に月額で1万5000円か2万6000円の障害者加算が加わります。

精神障害の場合、障害者手帳の1 級か2級を持っていれば、障害年金の1級又は2級と同様の扱いとなります。

障害年金を受けていなかったとしても障害者加算を受けることができます。

注意が必要なのは、そのように手帳で障害者加算を受けている方が障害年金を申請した結果、障害厚生年金3級になってしまうと、障害年金側の等級が優先されて障害者加算が止まってしまう可能性があるという点です。

給付のタイミング

2つ目が給付タイミングの違いです。

障害年金の支給というのは2ヶ月に1度2ヶ月分がまとめて振り込まれます。

生活保護の支給日は地域によって異なりますが、毎月5日というところが多いようです。

支給のタイミングがずれることによって、毎月決まった支出がある方は困ってしまうことがあります。

【デメリット7】一定の所得があると支給停止になる場合がある

20歳前傷病の場合、受給後に一定の所得があると支給が停止となることがあります。

障害年金では20歳の誕生日より前に初診日があるケースを「20歳前傷病」と言います。

障害年金を申請するためには初診日より前に一定の保険料を納めている必要があります。

年金制度への加入義務は20歳からですので、20歳より前に初診日がある場合は年金未加入です。

初診日時点で年金の支払い義務がなく未加入のため、このままでは障害年金の条件を満たせずに障害年金を受けることができなくなってしまいます。

そこでこのようなケースに対応するためにできたのが「20歳前傷病」です。

20歳前傷病の場合は、年金を収めていなくても障害年金を受け取ることができます。

しかし、年金を収めてきた方と不公平が生じるため、20歳前傷病で障害年金を受給する方には所得制限があります。

具体的には、以下のようになります。

  • 受給後の前年の所得が370万4000円を超えた場合、半額が支給停止
  • 受給後の前年の所得が472万1000円を超えた場合、全額が支給停止

ここで言う「所得」というのは、給与の額面のことではなく、給与などの収入から控除額を差し引いた金額となります。

20歳以降に初診日がある方や20歳前でも厚生年金に加入してる期間に初診日がある方というのは、この所得制限は関係がありません。

【デメリット8】申請の手続きが大変

障害年金の手続きは時間も労力もかかり大変です。

障害年金の手続きは提出する書類も多く、制度も複雑です。

書類に不備や記入漏れがあれば何度も訂正する必要があり、気づいたら半年以上経ってるなんていうこともよくあります。

診断書を書いてもらうには医師の協力が不可欠です。

しかし、先生に断られたり、嫌な顔をされたらどうしようと心配になる方もいらっしゃいます。

このように障害年金の手続きには時間も労力もかかり大きな負担に感じる方が非常に多くいらっしゃいます。

障害が重たい方を救う制度にも関わらず、障害が重たれば重たいほど手続きが出来ないという側面があるわけです。

とはいえ 制度の公平性を保つためであって、決して意地悪で複雑にしているいうわけではないということを補足しておきます。

体調が優れない中、なれない手続をすることで症状が悪化してしまうこともあるので、専門家に手続を代行してもらうというのも1つの 手だと思います。

【デメリット9】更新手続きが必要

障害年金は、ほとんどの方が更新の手続きが必要です。

障害年金には更新が不要な「永久認定」と更新が必要な「有期認定」があります。

ほとんどの方が更新が必要な有期認定となり、1年から5年で更新の手続きを行うことになります。

認定が決まってすぐに次回の更新が不安という方も多いです。

経済面の不安としては、更新に必要となる診断書の費用があります。

診断書の費用は病院によっても違いますが、約1万円から1万5000円というところが多いです。

小さな金額ではないため、経済的な負担を感じる方も多いかもしれません。

精神面の不安としては、年金の打ち切りへの不安があります。

更新というのは手続きをすれば必ず認められるわけではなく、審査の結果、支給停止つまり打ち切られることもあり
ます。

このように更新の手続きには経済的・精神的な負担があるのは事実ですが、それ 以上に障害年金を受けるメリットの方が大きいためこれを理由に障害年金の申請を止める必要はないと思います。

年金が打ち切りになったとしても、ずっと受給ができないというわけではなく、障害の状態に変化があれば受給を再開する手続きができます。

それでも更新が不安という方は専門家に相談されることをお勧めします。

【デメリット10】不安から体調を崩してしまう

障害年金に関する不安から体調を崩してしまうことがあります。

障害年金に関する不安から体調が悪くなってしまう方がいらっしゃいます。

これから手続きを考えている方は「失敗したらどうしよう」「自分だけ不支給になっちゃうんじゃないか」「主治医を嫌な気持ちにさせるんじゃないか」「診断所はこの内容でいいのか」のように、「こうなったらどうしよう」「ああなったらどうしよう」と次々に不安が出てきます。

これらの不安から障害年金の手続きが進まなくなったり、さらに体調が悪くなるといったケースも聞きます。

また、将来の更新の不安から就労意欲がなくなってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。

そういった 際には1人で悩まずに社労士や障害年金に詳しい障害福祉の方に相談をしてみるようにして ください。

まとめ

本記事では、「99%の人は知らない 障害年金のデメリット10選」を紹介しました。

ちょっと衝撃的なタイトルだった と思いますが、本記事をきっかけにメリットだけではなくてデメリットも 正しく理解していただけると嬉しいです。

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障害年金コンサルタントの松岡由将です。 このチャンネルでは『障害年金』に関する、さまざまな情報を発信していきます。 ぜひチャンネル登録をお願いします。 また取り上げて欲しい話題などがあれば、コメント欄で教えてくださいね! 【全国障害年金サポ...

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