双極性障害と診断されているのに、精神障害者保健福祉手帳が交付されなかった。あるいは、これから申請するけれど通るのか不安だ。そのようなお気持ちで検索された方も多いのではないでしょうか。

障害者手帳は、傷病名だけで交付が決まる制度ではありません。厚生労働省が定める判定基準は、どの精神疾患によるものかという区分と、日常生活にどの程度の制限があるかという二つの側面から、段階を追って判定する仕組みです。

本記事では、双極性障害が判定基準上どう位置づけられているか、手帳が交付されない主な理由、不承認だった場合に取りうる選択肢を、社会保険労務士の立場から整理します。

双極性障害は障害者手帳の対象

結論から申し上げます。双極性障害は精神障害者保健福祉手帳の対象となる疾患です。ただし、診断を受けていることと手帳が交付されることは同じではありません。判定は四つの段階を踏んで行われ、傷病名はその最初の一段階にすぎないためです。

精神障害者保健福祉手帳は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第45条にもとづく制度です。交付するのは都道府県知事(指定都市においては指定都市の長)で、申請はお住まいの市町村長を経て行います。

厚生労働省の判定基準では、障害等級の判定は次の順を追って行われるとされています。

  1. 精神疾患の存在の確認
  2. 精神疾患(機能障害)の状態の確認
  3. 能力障害(活動制限)の状態の確認
  4. 精神障害の程度の総合判定

双極性障害という診断名が確認されるのは、このうち(1)の段階です。交付されるかどうか、また何級と判定されるかは、(2)以降を含めた総合判定で決まります。「診断名がついているのに交付されなかった」という状況は、制度の構造上、起こりうるものだとお考えください。

なお厚生労働省の統計では、令和6(2024)年度末現在の精神障害者保健福祉手帳の交付台帳登載数(有効期限切れを除く)は1,547,433人とされています(1級139,406人、2級897,292人、3級510,735人)。ただし母集団は精神疾患全体であり、疾病別の内訳は公表されていません。この数値からご自身の等級を推測することはできない点にご留意ください。

(出典:厚生労働省「令和6(2024)年度衛生行政報告例の概況」)

判定基準は双極性障害をどう位置づけているか

ここからが本記事の中核です。手帳の判定基準は、疾患の区分ごとに等級の目安を定めています。ところが、この疾病区分別の記載まで紹介している解説は多くありません。双極性障害の方が確認すべき箇所を、原文とあわせてご覧ください。

「気分(感情)障害によるものにあっては」の等級別の記載

双極性障害は、ICD-10(国際疾病分類第10回改正)では「F31 双極性感情障害<躁うつ病>」に分類され、「F3 気分[感情]障害」に含まれます。手帳の判定基準でも「気分(感情)障害」の区分で判断されます。

判定基準の別紙には、等級ごとに次のように定められています。

【1級】気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの

【2級】気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、かつ、これらが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするもの

【3級】気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、その症状は著しくはないが、これを持続したり、ひんぱんに繰り返すもの

(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」健医発第1133号、最終改正 平成25年4月26日 障発0426第5号)

三つの文言に共通するのは、「病相期があること」に加えて、それが「持続したり、ひんぱんに繰り返したりする」ことを求めている点です。疾患欄の文言上は、1級では「高度の」が付き、3級では「その症状は著しくはないが」という違いが置かれています。

ただし、等級がこの文言だけで決まるわけではありません。判定基準の別紙は、各等級について「精神疾患(機能障害)の状態」と「能力障害(活動制限)の状態」を並べて示しており、実際の等級は後述する日常生活能力の8項目を含めた総合判定によって決まります。

つまり判定基準は、一時点の状態ではなく、病相期の持続性・反復性という経過を見る構造です。状態に波のある双極性障害では、この点が結果を大きく左右します。

判定基準がいう「ひんぱんに繰り返す」とは

「ひんぱんに繰り返す」という表現は抽象的に見えますが、判定基準には解説(別添1)が付いており、気分(感情)障害についての考え方が具体的に示されています。ここは双極性障害の方にとって特に重要な部分です。

別添1では、そう状態とうつ状態の二つの病相期を持つものを「そううつ病」と呼び、気分(感情)障害の一つとして整理しています。そのうえで、次のような考え方が示されています。

病相期が短期間であっても、頻回に繰り返せば、障害状態がより重くなる。1年間に1回以上の病相期が存在すれば、病相期がひんぱんに繰り返し、通常の社会生活は送りにくいというべきだろう。

(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」健医発第1133号 別添1、最終改正 平成25年4月26日 障発0426第5号)

もう一点、押さえておきたい記載があります。別添1には「病相期以外の期間は精神症状が無いことが多い」とされる一方で、「間欠期にも障害状態を持つ場合は病相期の持続期間のみが障害状態であることにはならない」とも書かれています。

つまり、病相期の合間の時期にも生活上の支障が続いているのであれば、その期間も含めて障害の状態が評価されうるということです。「調子が戻っている時期があるから対象外なのだろう」と申請自体をあきらめてしまう方がいらっしゃいますが、判定基準はそのような一律の切り分けをしていません。

ただし、これらはあくまで判定の考え方を示したものです。「1年に1回病相期があれば何級」というように機械的に決まるものではなく、最終的には精神疾患の状態と能力障害の状態の両面からの総合判定によります。

「能力障害(活動制限)」の8項目が等級を左右する

判定基準は、疾患の区分と並んで「能力障害(活動制限)の状態」を判断材料としています。申請時に用いる診断書(別紙様式2)の「日常生活能力の判定」欄では、次の8項目がそれぞれ4段階で評価されます。

  1. 適切な食事摂取
  2. 身辺の清潔保持、規則正しい生活
  3. 金銭管理と買物
  4. 通院と服薬
  5. 他人との意思伝達・対人関係
  6. 身辺の安全保持・危機対応
  7. 社会的手続や公共施設の利用
  8. 趣味・娯楽への関心、文化的社会的活動への参加

注目していただきたいのは、この欄が「保護的環境ではない場合を想定して判断する」とされている点です。ご家族の支えがあってようやく成り立っている生活を、そのまま「できている」と評価してしまうと、実際の状況との間にずれが生じます。

なお、判定基準の別添2では3級の状態像の例として、就労移行支援事業や就労継続支援事業等を利用する方のほか、「保護的配慮のある事業所で、雇用契約による一般就労をしている者も含まれる」とされています。働いているという一事をもって対象外になるわけではありません。

双極性障害で障害者手帳がもらえない主な理由

ここでは、手帳が交付されなかった場合に考えられる一般的な理由を整理します。実際の判定は都道府県・指定都市および精神保健福祉センターが個別に行うものであり、以下は制度の構造から導かれる傾向としてお読みください。

理由1|診断書が「初診日から6か月を経過した日以後」のものではない

手帳の申請に用いる診断書は、精神障害に係る初診日から6か月を経過した日以後のものに限る、と定められています。この要件を満たさない診断書では、内容にかかわらず判定に進めません。

誤解が生じやすいのが、6か月の起算点です。起算点は診断名が確定した日でも、症状が出はじめた日でもなく、手帳の交付を求める精神疾患について初めて医師の診療を受けた日が起点になります。

そのため、以前に別の医療機関を受診していた場合は、原則としてその前医の初診日を記載します。診断書の様式に「主たる精神障害の初診年月日」と「診断書作成医療機関の初診年月日」の二欄が分かれているのは、この違いを区別するためです。転院を重ねてこられた方ほど、ご自身が思っている初診日と制度上の初診日がずれている可能性があります。

(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」健医発第1132号、最終改正 令和7年10月29日 障発1029第2号)

理由2|病相期の持続性・反復性が書類に表れていない

判定基準は病相期が持続または反復していることを重視する構造です。そして制度の側も、診断書を作成時点の断面だけで書くようには設計していません。

厚生労働省の通知は、診断書⑥「生活能力の状態」のうち「2 日常生活能力の判定」欄および「3 日常生活能力の程度」欄について、次のように定めています。

現時点のみでなく、これまでおおむね2年間に認められ(中略)、また、おおむね今後2年間に予想される生活能力の状態も含めて判定し記載する。

(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」健医精発第45号、最終改正 令和2年4月1日 障精発0401第1号)

さらに診断書には③「発病から現在までの病歴及び治療の経過、内容」の欄もあります。つまり、状態に波があること自体は、制度の想定の範囲内です。

問題が起きるのは、その2年幅を判断するための材料が主治医に十分届いていない場合です。診察の場で語られるのは受診時点の困りごとが中心になりがちで、とくに躁状態の時期は、ご本人が困りごととして自覚しにくく話題に上がらないまま経過することもあります。

現実的な対応は、日常生活で実際に起きている出来事を、ご本人やご家族から主治医へあらかじめお伝えしておくことです。金銭の使い方、睡眠の状況、対人関係での摩擦、仕事や家事に支障が出た時期など、時期ごとの変化がわかる形で整理しておくと、経過が伝わりやすくなります。

なお、診断書にどう記載するかは主治医の医学的な判断による事項です。弊事務所からお伝えできるのは、判断の材料となる生活状況を正確に共有するという、形式面の工夫にとどまります。

理由3|日常生活能力が実際より軽く伝わっている

日常生活能力の8項目は、保護的環境ではない場合を想定して判断されます。この「保護的環境ではない場合」について、厚生労働省の通知はより具体的に示しています。

保護的な環境(例えば、病院に入院しているような状態)でなく、例えばアパート等で単身生活を行った場合、又は入所や在宅で家族と同居であっても支援者や家族がいない状況での状態を想定し、そのような場合での生活能力について、年齢相応の能力で判断し、記載する。

(出典:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項について」健医精発第45号、最終改正 令和2年4月1日 障精発0401第1号)

ご家族と同居し、食事や服薬の管理を支えてもらっている状態は、ご本人にとっては当たり前の日常かもしれません。しかし制度が想定しているのは、その支えがない状況でどこまでできるかという基準です。「家族が声をかければ服薬できる」状態と「一人でも規則的に服薬できる」状態は、判定上は別のものとして扱われます。

理由4|共通して必要な書類がそろっていない

申請書(別紙様式1)は、障害の状態を確認する書類(診断書か、年金証書等の写しか)にかかわらず、どの申請でも必要です。マイナンバーを活用した情報連携で省略できるのは診断書や年金証書等であって、申請書ではありません。

写真については、実施要領上は新規交付の申請時に添付するものとされていますが、いくつか例外があります。まず、交付される手帳に写真を表示しないことを希望する場合、写真の表示がないことで受けられるサービスに差異が生じることがあり得る旨の説明を受けたうえで、やむを得ない理由がある場合として写真を表示しない手帳が交付されることがあります。これを受けて、写真の貼付を希望しない方は写真の提出自体が不要であると公式に案内している自治体もあります。

また更新申請では、実施要領上、写真が必要になるのは障害等級が変更となる場合、または先に交付した手帳の有効期限の更新欄に余白がなくなった場合とされています。

このように写真の取扱いには幅がありますので、必要な書類は事前に市区町村の障害福祉担当窓口でご確認ください。

手帳がもらえなかったときの3つの選択肢

不承認の通知を受け取ると、打つ手がないと感じてしまいがちです。しかし実際には、性質の異なる三つの道があります。どれを選ぶかによって手続も期限も変わるため、違いを理解しておくことが大切です。

選択肢1|不承認処分に対する審査請求

手帳の交付・不承認は行政処分にあたります。したがって、判定や不承認の結果そのものに納得できない場合は、行政不服審査法にもとづく審査請求を行うことができます。

押さえておきたいのは、審査請求と再申請は別の手続だということです。審査請求は当初の不承認処分そのものの妥当性を争う手続で、再申請は改めて申請をやり直す手続です。

ここで誤解されやすいのですが、審査請求でも資料を追加して提出することはできます。行政不服審査法第32条第1項は、審査請求人または参加人が証拠書類または証拠物を提出できると定めています(審理員が提出期限を定めたときは、その期限までに提出する必要があります)。

違いは、資料を作った時期ではなく、その資料が何を裏づけるものかにあります。処分を受けた当時すでにあった生活上の支障を裏づける資料を足したい場合は審査請求が中心になり、処分の後に状態が変わったことを踏まえて改めて認定を求めたい場合は再申請が中心になります。

「今の資料でも本来は認定されるべきだった」とお考えの場合、再申請だけを検討していると不服申立ての期限を過ぎてしまう可能性があります。

行政不服審査法では、不服申立てをすることができる処分をする場合、処分庁は不服申立てができる旨・不服申立先・不服申立てをすることができる期間を教示しなければならないとされています。審査請求ができる期間は、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です。処分があった日の翌日から1年を経過したときも、正当な理由がある場合を除き審査請求はできません。

実際の期限は通知書の記載でご確認ください。教示の記載が見当たらない場合は、通知を出した自治体の窓口にお問い合わせいただくのが確実です。

(出典:総務省「行政不服審査法の概要」)

なお、審査請求を経てもなお不服がある場合には、行政事件訴訟法にもとづく処分の取消訴訟という手段があります。訴訟はご本人で提起することもできますが、手続が複雑ですので、その段階では弁護士へのご相談をおすすめします。

選択肢2|状態の変化を踏まえた再申請

一定の期間が経過し、状態や生活の状況に変化があった場合は、改めて申請することができます。また、すでに手帳をお持ちで等級に納得がいかない方は、有効期限内であっても障害等級の変更申請を行うことが可能です。

選択肢3|障害年金を請求し、年金証書等で手帳を申請する

意外に知られていないのが、この三つ目の道です。手帳の申請では、医師の診断書に代えて、精神障害を支給事由とする障害年金の年金証書等の写しを添えて申請する方法が認められています。

この方法による場合、実施要領では、年金における障害等級が1級であれば手帳における障害等級も1級、2級であれば2級、3級であれば3級であるものとして判定を行うとされています。精神保健福祉センターによる判定を要しない点も、診断書による申請との違いです。

ただし、順序が変わるだけで審査そのものがなくなるわけではありません。障害年金には、手帳にはない次の要件があります。

  • 初診日要件:障害基礎年金は、①国民年金の被保険者期間中、②20歳前(年金制度に加入していない期間)、③日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間(老齢基礎年金を繰上げ受給していない方に限ります)のいずれかに初診日があること。障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険者である間に初診日があること
  • 保険料納付要件:初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上について保険料が納付または免除されていること。または、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。ただし20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、納付要件はありません(この場合はご本人の所得による支給制限があります)
  • 障害の状態の要件:障害認定日(原則として初診日から1年6か月を経過した日)などにおいて、障害等級に該当する状態にあること

受給できる年金の種類も初診日の加入制度によって変わります。障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級から3級までが対象です。厚生年金保険の被保険者期間中に初診日があり1級または2級に該当する場合は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。

詳しくは 障害年金を受け取るための条件とは および 精神の障害年金を受給していると同じ等級の障害者手帳が取得できる? をご参照ください。

手帳がなくても使える制度

手帳が交付されなかったとしても、利用できる制度や請求できる給付がなくなるわけではありません。ここでは、手帳の有無にかかわらず使える制度、逆に手帳の有無で差が出る場面、そして混同されやすい障害年金との違いを整理します。

手帳がなくても利用できる制度

自立支援医療(精神通院医療)と、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスは、いずれも手帳の所持が要件とはされていません。通院医療費の負担軽減や福祉サービスの利用は、手帳がなくてもご相談いただけます。

障害年金も同様です。障害年金の審査は障害認定基準にもとづいて独立して行われるため、手帳をお持ちでない方が受給されているケースも多くあります。

手帳の有無で差が出る場面

一方で、手帳がないと利用が難しくなる場面もあります。障害者雇用の分野では、実雇用率の算定対象となる精神障害者は精神障害者保健福祉手帳を所持する方とされているため、障害者雇用枠での就労を希望される場合は、手帳の提示や確認を求められるのが通常です。

また、手帳の所持のみを要件として全国一律に自動支給される現金給付はありませんが、自治体によっては心身障害者福祉手当などの制度があり、精神障害者保健福祉手帳の等級を支給要件の一つとしている場合があります。所得制限や年齢の条件が付されることが一般的で、対象等級も自治体によって異なりますので、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

制度の全体像は 精神障害者保健福祉手帳とは?わかりやすく解説します でも解説しています。

障害者手帳と障害年金は別の制度

障害者手帳と障害年金は、根拠となる法律も、判定に用いる基準も、手続を行う機関も異なります。医師の診断書によって手帳を申請する場合、両者の等級は別々に判断されます(前述の年金証書等による申請では、年金の等級に対応する等級として手帳の判定が行われます)。

精神障害者保健福祉手帳障害年金
根拠法精神保健福祉法第45条国民年金法・厚生年金保険法
申請・請求書の提出窓口居住地の市町村長を経て提出障害基礎年金は原則として住所地の市区町村役場(初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は年金事務所または街角の年金相談センター)、障害厚生年金は年金事務所または街角の年金相談センター
認定・審査を行う機関都道府県知事(指定都市の長)。診断書による申請では精神保健福祉センターが判定日本年金機構(初診日に共済組合等に加入していた場合は当該実施機関)
等級1級・2級・3級障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級〜3級
判定に用いる基準精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準国民年金・厚生年金保険障害認定基準(精神障害・知的障害については精神の障害に係る等級判定ガイドラインを併用。てんかんは同ガイドラインの対象外)
有効期限交付日から2年が経過する日の属する月の末日障害状態確認届による定期的な確認(永久認定を除く)

手帳が非該当であったことが、障害年金の審査で不利に働くわけではありません。両制度の関係については 「障害年金」と「障害者手帳」の関係、手帳の等級から年金を考える場合は 精神障害者手帳3級では障害年金はもらえない? もあわせてご覧ください。

双極性障害で障害年金を受給された方の事例

弊事務所では、双極性障害の方の障害年金申請を数多くお手伝いしてまいりました。以下は弊事務所が関与した個別の事例であり、公的な統計や認定の一般的な基準を示すものではありません。また、これらは障害年金についての判断であり、障害者手帳の交付結果とは別の制度の結果である点にもご留意ください。

※個別事案により判断は異なります。

これらの事例に共通するのは、傷病名だけでなく、日常生活や就労の実際の状況が書類にどれだけ正確に反映されていたかが判断の材料になっている点です。就労を続けながら請求された方も、退職後に長く療養されてから請求された方もおり、状況はさまざまです。

そのほかの事例は 双極性障害の事例一覧 でご覧いただけます。申請の進め方は 双極性障害で障害年金を申請するポイント、受給額の目安は 双極性障害でもらえる障害年金の金額はいくら? をご参照ください。

双極性障害と障害者手帳に関するよくあるご質問

手帳の申請を検討される方から、弊事務所によくお寄せいただくご質問をまとめました。

Q1. 手帳の等級と障害年金の等級は同じになりますか?

医師の診断書によって手帳を申請する場合は、必ずしも一致しません。判定に用いる基準が異なるため、手帳2級で障害年金は非該当という場合もあれば、手帳をお持ちでない方が障害年金を受給される場合もあります。ただし、障害年金の年金証書等の写しによって手帳を申請した場合には、年金の等級に対応する等級として手帳の判定が行われるとされています。

Q2. 手帳を取得すると勤務先に知られますか?

手帳の取得自体が勤務先に自動的に通知される仕組みはなく、開示するかどうかはご本人の判断によります。ただし、障害者雇用枠での就労を希望される場合は事情が異なり、実雇用率の算定対象となる際には手帳の提示や確認を求められるのが通常です。

Q3. 有効期限や更新はどうなりますか?

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は、交付日から2年が経過する日の属する月の末日とされています。更新の申請は有効期限の日の3か月前から行うことができ、有効期限を過ぎてしまった後でも申請は可能とされています。3種類の手帳の違いは 障害者手帳とは?制度やメリットをわかりやすく解説 をご覧ください。

まとめ

双極性障害と障害者手帳について、本記事の要点を整理します。

  • 双極性障害は手帳の対象疾患ですが、判定は4段階で行われ、診断名の確認は第一段階にすぎません
  • 判定基準は「気分(感情)障害」の区分で、病相期の持続性・反復性を軸に等級を定めています。別添1では、病相期が短期間でも頻回に繰り返せば障害状態がより重くなるとされ、間欠期にも障害状態がある場合は病相期の期間だけが障害状態になるわけではないとされています
  • 交付されない主な理由には、診断書が初診日から6か月を経過した日以後のものでない、病相期の経過が書類に表れていない、日常生活能力が実際より軽く伝わっている、といった点があります
  • 不承認だった場合は、審査請求・再申請・障害年金からのルートという三つの選択肢があります。審査請求の期間は原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です
  • 手帳と障害年金は別の制度であり、手帳が非該当でも障害年金を請求することはできます

なお、障害者手帳の交付申請は、お住まいの市区町村の窓口を経由して行います。医師の診断書によって申請する場合は主治医に診断書を作成していただきますが、年金証書等による申請では手帳用の診断書は使いません。申請手続はご本人が行うのが原則ですが、ご家族や医療機関の職員が代行することも差し支えないとされています。弊事務所がお手伝いできるのは障害年金の請求に関する部分となります。

双極性障害での障害年金申請についてご不明な点があれば、わくわく社会保険労務士法人(全国障害年金サポートセンター)までお気軽にお問い合わせください。


※本記事は2026年7月時点の法令・通知および障害認定基準にもとづき作成しています。法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は厚生労働省「障害者手帳について」日本年金機構の公式サイト等でご確認ください。個別の事案については社会保険労務士・弁護士等の専門家へのご相談を推奨します。医学的判断は主治医にご確認ください。