目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、複雑な家庭環境の下で育ったこともあり、20歳前からうつ病を発症し精神科を受診されていました。
頼れる身内がいないこともあり、現在は障害者雇用で就労しながら一人暮らしをしています。
ただ、就労もいつまで続けられるかわからず、日常生活も破綻に近い状況です。
常に将来への不安をお持ちでしたが、昨年、相談員の方から障害年金の制度を教えていただき、ご自身で手続きをされましたが結果は不支給でした。
しかし結果に納得できず、再度チャレンジしたいということで弊社にご相談を頂きました。
申請結果
今回の申請手続きは、昨年、不支給になった結果を念頭に置き進めていきました。
ご相談者様が認定されるには「一人暮らし」、「就労」というハードルを乗り越えなければなりません。<ポイント①、②>
ご相談者様からのヒアリングで、頼れる身内がおらず余儀なく一人暮らしをしていること、そして病状からヘルパーなどを受け入れられず日常生活は破綻していることが分かりました。
また、お仕事もされていますが、対人交流ができず職場では孤立していることや、常に相談員の指導の下で単純作業のみに従事しており電話対応などは免除されているとのことでした。
診断書依頼の際は、ヒアリングの内容を資料にまとめて医師に橋渡しをしました。
完成した診断書は、日常生活や就労状況について正確に反映されており、「一人暮らし」についても言及されていました。
なお、診断書だけでは伝えられない病歴や、日常生活などについては「病歴就労状況等申立書」で補足説明をしました。<ポイント③>
今回は診断書をはじめ全ての提出書類の内容から、自信をもって申請することができました。
結果は2カ月足らずの審査で『障害基礎年金2級』に認定されました。
【ポイント1】精神疾患で一人暮らしのケース
精神で障害年金を申請するにあたり、一人暮らしをしているという点はチェックポイントです。
というのは、一人暮らしができているという事実のみで、日常生活において「助言や指導が不要」=「(自分で)できる」と判断され、病状が重くても不利益な認定となるケースが増えているためです。
その場合は、一人暮らしをすることになった理由や周囲の援助、福祉サービスからの支援などをしっかりと伝えられるように作成していくことが大切です。
【ポイント2】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント3】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
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