
ご相談者様からの質問
先月、別の社労士に依頼して事後重症請求で障害年金の受給資格を得ました。
しかし、認定日当時の病院が廃業しており当時の医師から診断書をもらえなかったため、遡及請求はできないと言われました。
その後、当時のカルテを入手することができたのですが、このカルテをもとに現在の主治医に認定日当時の重症度を証明してもらえれば、遡及請求を行うことは可能でしょうか?
また、カルテには当時傷病手当金を受給するための証明を作成した記録(押印など)が残っていますが、これらは役立ちますか?
ご相談者様の状況
- 現在の受給状況: 障害厚生年金2級(事後重症請求で受給決定)。
- 疾患: 精神疾患。
- 認定日当時の状況: 約17年前が障害認定日。当時の病院は医師1人のクリニックだったが、医師が他界し現在は廃業している。当時のカルテ自体は入手できている。認定日頃には傷病手当金を受給しており、カルテに証明書作成の記録が残っている。
- 現在の通院状況: 今の病院の先生には、半年ほど前から診てもらっている。
当事務所からの回答
結論から申し上げますと、当時のカルテが残っていたとしても、遡及請求を行うことは非常に難しいと言わざるを得ません。
その理由は以下の通りです。
審査には「医師の診断書」が必須であること
障害年金の審査には、原則として必ず当時の医師による診断書が必要です。
カルテが残っているからといって、診断書なしでそのまま審査に通ることはなく、診断書がないまま請求をしても審査の土俵に乗らずに却下される可能性が高いです。
カルテには審査に必要な情報が不足していることが多いこと
精神疾患の障害年金審査では、食事、他者との交流、1人での外出の可否、就労状況、同居者の有無など、日常生活の状況が重要になります。
しかし、実際のカルテにはこれらの要素がほとんど書かれていないケースが多いのが実情です。
そのため、傷病手当金の証明を行っていた記録があったとしても、それだけで重症度を証明するのは極めて困難です。
別の病院の医師に診断書を書いてもらうハードルの高さ
現在の主治医に過去の別病院のカルテを見せて診断書を書いてもらったとしても、病院名が異なる点がネックになります。
精神疾患は症状に波があるため、知的障害のように「昔も今も症状が大きく変わらない」とみなされるケースとは異なり、当時の状況を当時の診断書で証明できなければ、審査機関から「審査できない」と判断されてしまうことがほとんどです。
まとめ
障害年金の遡及請求において、認定日当時の病院が廃業しており、当時の主治医から診断書を取得できないケースは非常に悩ましい問題です。
今回のようにカルテが入手できた場合でも、精神疾患においては症状の波があるため、カルテの記録や傷病手当金の受給記録だけでは当時の状態を証明することが難しく、別の医師に過去の状況についての診断書を作成してもらうことも現実的には困難です。
残念ながら、当時の医師の診断書が取得できない以上、遡及請求はほぼ諦めざるを得ないというのが実情となります。
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