障害年金に関してよくある「てんかんでもらえる障害年金の金額はいくら?」という質問にお答えします。
「てんかん」の認定基準
障害年金の受給の基準は「障害認定基準」に定められています。
てんかんは「精神の障害」に該当します。(第8節/精神の障害)
精神の障害に関しては、厚生労働省において、『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』が策定され、平成28年9月1日から実施されています。
認定基準
障害認基準で「てんかん」については、次のように記載されています。
発作のタイプは以下のとおりです。
- A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
- B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
- C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
- D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1 回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの |
2級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
3級 | 統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの |
てんかんでもらえる障害年金の金額
障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。
障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、障害の程度(障害等級1級~3級)が定められています。
障害等級3級の場合、初診日が国民年金に該当する方は障害年金の受給対象にはなりません。
それぞれの受給額を以下にご説明します。
障害年金の金額
障害年金の支給額は、毎年4月分から翌年3月分まで同一額が支給されます。
2024年度の年間支給額は以下の通りです。
1級 | 2級 | 3級 | |
基礎年金 | 1,020,000円 +子の加算 | 816,000円 +子の加算 | 無し |
厚生年金 | 1,020,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額×1.25 +配偶者の加給年金額 | 816,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額 +配偶者の加給年金額 | 報酬比例の年金額(最低保証612,000 円) |
※報酬比例部分の年金額は、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。(報酬比例部分の詳しい計算方法は、日本年金機構ホームページ『報酬比例部分』をご参照下さい。)
子の加算
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持されている子がある場合は、 子の人数に応じて、加算が行われます。
生計の維持とは
「生計を維持されている」とは、原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。
- 生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)
- 収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)
対象となる子
- 受給権者によって生計を維持されている 「18歳到達年度の末日までにある子」
- 受給権者によって生計を維持されている 「20歳未満で障害等級の1級または 2級に該当する程度の障害の状態にある子」
子の加算金額
1人目・2人目(1人につき) | 3人目以降(1人につき) | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) | 78,300 円 (月額 6,525 円) |
※各期支払額の1円未満の端数は切り捨て、切り捨てた端数の合計を2月期の支給額に加算して支払われます。
配偶者の加算(障害厚生年金の1級・2級のみ)
障害厚生年金1級又は2級の受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれる場合、配偶者の加算がおこなわれます。
障害基礎年金の受給権者と障害厚生年金3級の受給権者には配偶者の加算はありません。
配偶者の加算金額
1級・2級 | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) |
(障害年金の金額に関しましては『障害年金の金額は?』のページでも詳しくご説明していますのでご参照下さい)
てんかんでの障害年金の受給金額の事例
当事務所で、てんかんでの障害年金申請をサポートさせていただいた方で、受給が決まったケースをご紹介します。
※年間受給金額は、支給決定された時点の金額です。
【事例1】年間受給金額:約125万円 (障害基礎年金2級)
病名 | てんかん |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約125万円 |
障害の状態 | ・意識を失い行為が途絶える発作が月に5~6回発生する ・精神障害者手帳2級 ・在宅でできる軽作業や短時間のパートタイムの仕事を探している |
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
事例の詳細ページ:【事例1564】てんかん|障害基礎年金2級
【事例2】年間受給金額:約82万円(障害基礎年金2級)
病名 | てんかん |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約82万円 |
障害の状態 | ・発作への不安が常にあり、外出時には付添が欠かせない ・外出が困難なため就労できない状況が続いている ・年に5回ほど大発作が起きる ・精神障害者保健福祉手帳1級 |
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
事例の詳細ページ:【事例1856】てんかん|障害基礎年金2級
【事例3】年間受給金額:約59万円(障害厚生年金3級)
病名 | 症候性てんかん |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 | ・B発作が2回/年、D発作が2回/年 ・脳の精神神経症状及び認知障害がある ・視覚障害がある ・精神障害者保健福祉手帳3級 |
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
事例の詳細ページ:【事例260】症候性てんかん|障害厚生年金3級
動画で事例紹介
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
てんかんでの申請のポイントを分かりやすくご説明していますので、是非ご覧ください。
てんかんで障害年金の申請を検討されている方はお気軽にご相談下さい。
私は障害年金が受給できるの?
「説明が長くて読むのが大変・・・」「分かりにくい・・・」という方はお気軽にお電話かLINEでお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。