うつ病で障害年金を申請される場合の注意点などは『【社労士が解説】うつ病で障害年金を申請するポイント』でも詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。
目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 遡及金額 約20万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
大学入学後に不眠、食欲不振、不安感、意欲・興味の減退など様々な症状が現れました。
対人交流も困難になり、引きこもり傾向が強まり、大学も休学することになり受診することになります。
うつ病と診断され、現在まで薬物療法、精神療法を継続しています。
しかし、症状は改善せず、部屋に引きこもり、終日臥床して過ごしています。
大学に復学する目途もなく、また、今までにアルバイトをしても短期間しか続けることができず、将来、正社員として就労する自信も持てず、日々、悩んでおられました。
そんな時、ネットで障害年金の事を知り、早速、年金事務所に相談に行きましたが、説明が全く理解できず、弊社に受給の見込みや手続きの方法についてご相談頂きました。
申請結果
ご相談者様は、電話など非対面の対応もできないということで、メールのやり取りで手続きを進めていきました。
まず、今までの経過をお尋ねしたところ、自立して日常生活を送ることが困難なご様子や、対人交流ができず大学の授業にも参加できず、日々、自室に閉じこもって過ごされていることがメールを通して伝わってきました。
ご相談者様に、受給の可能性が高く、少しでも早く手続きを始めるようにお伝えし代理申請のご契約を頂きました。
手続きにあたっては、初診日を証明する「受診状況等証明書」の取得から始めますが、ご相談者様は、初診日から現在まで同じ病院に通院されているため省略することができ、現在の障害の程度を現す「診断書」取得から始めることになります。(ポイント①)
そこで、ご相談者様から伺っていた日常生活の状況などについて資料を作成し、診断書依頼の際に医師に橋渡しをしました。(ポイント②)
特に、ご相談者様の現状を一番明確に現わしている「大学の授業に参加できなくなった経緯や、1年以上休学が続き、復学の目途も立たないこと」を診断書に記載して頂くことを強くお願いしました。
完成した診断書には、日常生活の状況だけでなく、大学生活についても正確に記載がされていました。
最後に、病歴就労状況等申立書など他の書類を整え、申請しました。(ポイント③)
結果は2ヶ月ほどのスピード審査で、「障害基礎年金2級」に認定されました。
【ポイント1】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
以下の動画でも「医証の枚数」のご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】医師への診断書作成依頼
「障害年金の請求を考えている」ことを医師にあらかじめ相談しておかれると、診断書の作成がとてもスムーズです。
中には、医師から障害年金の請求を勧められて当事務所へご相談にお見えになる方もいらっしゃいますが、そうではない場合、いきなり診断書作成を医師にお願いすると、作成することを躊躇されることがあります。
障害年金制度や障害年金用の診断書の作成に馴染みがないという医師もいらっしゃる場合があります。
障害年金の請求には、医師に診断書を書いていただく必要があるので、できる限りの協力を得られるとよいですね。
【ポイント3】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
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