目次
対象者の基本データ
病名 | うつ病・パニック障害 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
20年ほど前、通勤途中で過呼吸や眩暈の症状が現れ、その後、気分の落ち込みや不安感などの症状も強まり、内科を受診されました。
内科でパニック障害と診断され薬を処方されましたが、症状が悪化したため精神科に転院しました。
精神科では、うつ病と診断され薬物療法を続けていましたが、症状が改善せず、外出も困難になり仕事も辞めることになります。
現在も、抑うつ状態が続いており、時に、希死念慮が出現することもあります。
知人から障害年金の申請を勧められ、いろいろな社労士事務所にご相談に行かれましたが、初診日が古く初診証明が困難であるという理由ですべて断られ、一旦は障害年金を諦めていました。
そんな時、弊社のホームページをご覧になり、これが最後というお気持ちでご相談を頂くことになりました。
申請結果
ご相談者様は、ご依頼を頂いた当初より、初診日の証明をご心配されていました。
そこで、初診のA病院に受診状況等証明書を依頼しましたが、カルテが破棄されていました。
ただ、初診から3年後以降のカルテは残っていることがわかり、ひとまず、カルテより確認出来る範囲で受診状況等証明書を作成していただきました。
しかし、初診日時点のカルテは破棄されている為、当然初診日に関する記載はされていませんでした。
そのため次に本来は不要ですが、現在、受診されているB病院に受診状況等証明書の記載をお願いしました。
すると、A病院を初めて受診した日について記載がありました。
「受診状況等証明書が添付できない申立書」に「B病院の受診状況等証明書」を添付することで初診日の証明としました。(ポイント①)
本事例では、障害認定日の診断書はカルテが残っておらず取得できないため、事後重症請求での申請となりました。(ポイント②、③)
審査の結果、提出した書類から初診日が認められ、『障害基礎年金2級』に認定されました。
【ポイント1】初診日の証明が出来ない場合
障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。
初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。
この受診状況等証明書は必ずカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。
そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。
この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。
ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。
申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。
客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳等の申請時の診断書
- 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
- 事業所等の健康診断の記録
- 母子健康手帳
- 健康保険の給付記録
- お薬手帳、領収書、診察券
- 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
- 第三者証明
など
受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】 障害認定日とは
「障害認定日」とは、原則「請求する傷病の初診日から1年半経過した日」または「1年半経過前にその傷病が治った日(症状固定した日も含まれます。)」のことを言います。
傷病が治った日、症状固定した日とは、医学的に傷病が治ったとき、または、その症状が安定・固定し、これ以上治療の効果が期待出来ない状態に至った場合のことを言います。
ただし、医師が症状固定とした場合でも障害年金では症状固定として認められないこともありますのでご注意ください。
【ポイント3】 「事後重症請求」と「遡及請求」
本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。
『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。
つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。
注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。
遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。
以下の動画でものポイントをご説明していますので是非ご覧ください。
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