【事例391】慢性疲労症候群(一人暮らし・正社員フルタイム就労で遡及が認められた事例)|障害厚生年金3級

慢性疲労症候群|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 慢性疲労症候群
性別 女性
支給額 遡及金額 約126万円
障害の状態
  • 正社員として、フルタイム勤務していた。
  • 一人暮らしをしており、身の回りのことや家事も最低限のことは出来ていた。
  • 身体障害者手帳 なし
申請結果 障害厚生年金3級

ご相談までの経緯

ご相談者様からは、令和1年に代行のご依頼を受けました。

その際は、障害認定日頃は正社員でフルタイム勤務されていたこと、及び、少しでも早く申請したいというご相談者様のご希望もあり、まず、事後重症請求をして認定後に改めて遡及請求をするという方針で手続きを進めました。

事後重症請求の結果、『障害厚生年金3級』に認定されました。

そこで、当初予定していた遡及請求のご相談を頂く事となりました。

申請結果

今回は遡及のみの請求となります。

従って、「受診状況等証明書」(初診の証明)も新たに取り寄せる必要は無く、医証としては「障害認定日の診断書」のみ必要となります。

慢性疲労症候群の診断書では、ステージと一般状態区分表が審査の上でポイントになると考えられます。<障害認定日についてはポイント①、ステージにつきましてはポイント②をご参照ください。>

ステージ、一般状態区分表ともに日常生活、就労の状況で評価が決ります。相談者様の場合は一人暮らしをされていて、しかもフルタイム勤務をされていましたので評価が軽くなってしまいます。

そこで、ご相談者様から、認定日の頃の日常生活や就労状況につき詳細にヒアリングしました。

平日は仕事から帰宅後は全身倦怠感や頭痛のため食事も家事もできずに就床していたため、掃除や洗濯などは週末にまとめてしていたことや、10分以上継続しての歩行も困難で、通勤時間も以前の倍以上かかっていたことが分かりました。

就労中も、所定の休憩時間以外の休憩も認められており、職種も事務職に配置転換されていましたが、それでも1週間に1回は欠勤するという状況でした。

こういった職場での手厚い配慮を受けていましたが、認定日の3カ月後には退職となりました。

診断書依頼の際は、ヒアリングの内容を主治医の先生に詳しくお伝えしました。

完成した診断書では、ステージはPS5、また、一般状態区分表はウと評価して頂き、就労についても通常勤務は出来ない状態であったが、職場の手厚い配慮の下で就労できていた旨記載して頂きました。

また、「病歴・就労状況等証明書」に、診断書だけでは伝えられない、発症から認定日までの日常生活や就労状況を記載しました。

遡及のみの請求となりますので、事後重症での年金証書のコピーや障害年金取り下げについての書類等を添付し申請しました。

審査には、5ヵ月程かかりましたが、認定日においても障害厚生年金3級と認定され、遡及が認められました。

【ポイント1】障害認定日とは

障害の程度の認定する日を『障害認定日』と言います。

障害認定日は原則として、初診日から1年6ヵ月後の日です。(※特例もあります)

障害認定日の状態が障害等級に当てはまると、障害年金が支給されます。

また障害認定日に等級に該当しない場合でも、今後症状が悪化して等級に当てはまるようになった時には請求することが可能です。

なお、何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていたときには認定日請求(遡及請求)という方法にて、最大5年間分の貰い忘れていた障害年金を受け取れる可能性があります。

【ポイント2】慢性疲労症候群のPS値

慢性疲労症候群の疲労・倦怠の程度は、厚生労働省が発表したPS値で分類します。

『PS値』と『疲労・倦怠の程度』は以下のとおりです。

PS0:倦怠感がなく平常の生活ができ、制限を受けることなく行動できる。
PS1:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 倦怠感を感ずるときがしばしばある。
PS2:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠の為、しばしば休息が必要である。
PS3:全身倦怠の為、月に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
PS4:全身倦怠の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
PS5:通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。
PS6:調子のよい日は軽作業は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。
PS7:身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽作業は不可能である。
PS8:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。
PS9:身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。

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