【事例164】原発性胆汁性胆管炎・自己免疫性肝炎|障害基礎年金2級

原発性胆汁性胆管炎・自己免疫性肝炎|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 原発性胆汁性胆管炎・自己免疫性肝炎
性別 女性
支給額 年額 約78万円
遡及金額 約188万円
障害の状態
  • 感染症の恐れがあるため、外出時には必ずマスクを着用
  • 強い倦怠感があり、就労だけでなく家事もできない。
  • 身体障害者手帳 1級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

平成28年頃、足のむくみや関節痛、倦怠感が出てきてしばらく様子を見られていましたが一向に改善せず、不安になり受診されたそうです。

検査の結果、原発性胆汁性胆管炎、自己免疫性肝炎と診断されました。

しばらく薬物療法を続けられていましたが、症状は徐々に悪化し、やがて腹水の症状まで出てきました。

主治医から、これ以上治療の効果は見込めないため移植を勧められます。

ご相談者様は移植を決意して、大学病院で生体肝移植手術を受けられました。

移植は成功しましたが、強い倦怠感があり家事はできず、また、常に感染症の心配があり外出もできません。

現状では、就労は困難で経済的な不安を強くお持ちでした。

障害者手帳を申請した際に係の方から障害年金の対象になることをお聞きになり、受給の可能性が有るならぜひ申請したいという事で、当事務所に受給の可能性や手続きについてご相談を頂きました。

 

申請結果

ご相談者様からのヒアリングで、障害認定日の病状も重く、遡及請求を視野に入れ申請の方針を立てました。

まず、「受診状況等証明書」(初診日の証明)を取り寄せました。

また、必ずしも必要ではありませんが、肝臓の病気ですので、「初診日に関する調査票」も準備しました。

次に、遡及請求をするため、障害認定日以降3カ月以内の診断書を依頼しました。

この時は、移植前でもあり、2級以上に該当する内容の診断書となっていました。(ご相談者様は、初診日において国民年金に加入されていました。従いまして、障害基礎年金の対象となり2級以上に該当しなければ年金は支給されません。)

そして、現在の診断書を取り寄せました。

勿論、移植後という事もあり、肝機能は障害認定日の頃と比べると大幅に改善され、診断書の検査成績なども正常値となっていました。

しかし、肝臓移植については、「術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定する」となっています。

そこで、診断書内容をフォローするため、「病歴・就労等申立書」に移植後のご相談者様の日常生活の状況や自覚症状について細かく記載しました。

これで、自信をもって申請することが出来ました。

結果は、『障害基礎年金2級』に認定され、遡及も認められました。

 

【ポイント1】障害認定日とは

障害の程度の認定する日を『障害認定日』と言います。

障害認定日は原則として、初診日から1年6ヵ月後の日です。(※特例もあります)

障害認定日の状態が障害等級に当てはまると、障害年金が支給されます。

また障害認定日に等級に該当しない場合でも、今後症状が悪化して等級に当てはまるようになった時には請求することが可能です。

なお、何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていたときには認定日請求(遡及請求)という方法にて、最大5年間分の貰い忘れていた障害年金を受け取れる可能性があります。

 

【ポイント2】 初診日に関する調査票

以下の傷病のように、初診日が特定しにくい場合に「初診日に関する調査票」の提出を求められることがあります。

内容は「自覚症状を初めて感じた時期」や「健康診断での指摘の有無」といった質問に回答する形式となっています。

目的は「本人が申立てている初診日の判断が妥当かどうか」を確認するためのものです。

調査票の対象となる傷病

  • 心臓の病気
  • 肺の病気
  • 腎臓、膀胱の病気
  • 肝臓の病気
  • 糖尿病
  • 先天性股関節疾患
  • 先天性障害(眼、耳)

 

その他の肝疾患の障害の事例

 

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