【事例157】前頭側頭型認知症(ピック病)|障害基礎年金1級 

前頭側頭型認知症(ピック病)|障害基礎年金1級

対象者の基本データ

病名 前頭側頭型認知症(ピック病)
性別 女性
支給額 年額 約97万円
遡及金額 約156万円
障害の状態 ・日常生活は家族の介護があって成り立っている
・炊事・家事といったことから、自身の身の回りのことも介護が必要な状態
・自宅で一人にすることも危険であり、デイケアサービス等を検討している
申請結果 障害基礎年金1級

 

ご相談までの経緯

Tさんはご主人がサラリーマンの専業主婦でした。

3年ほど前より「財布の中が小銭であふれる・目的地を忘れる」といった異変が現れだしました。

年齢からくるものかと思い、最初は気にしていなかったとのことです。

ところが、ある日を境に料理の作り方がわからなくなりました。

もともとTさんは料理上手だったため、ご主人が心配して病院に行くことを勧めました。

幸いにも最初に受診した病院にて「前頭側頭型認知症(ピック病)」との診断がつきましたが、有効な治療法が無いとのことから、セカンドオピニオンを受けました。

やはりどこの病院も同じ意見で、出来ることはリハビリで進行を遅らせる事だけでした。

診断から1年足らずで急激に症状が悪化し、日常生活の全てに介護が必要な状態となりました。

治療費や介護費用など経済的な問題から当事務所に相談にこられました。

 

申請結果

Tさんは自身の身の回りのこと(トイレ・風呂・着替え・食事等)を含む、日常生活全てにおいて介護が必要な状態でした。

しかし、当初の診断書では障害状態が「実際よりも軽く」評価されていました

そこで「家庭内での様子」や「介護内容・時間」などを細かくヒアリングし、書面にまとめて医師に確認していただきました。

また、障害年金上の「障害状態評価方法」も改めてご説明させていただいたところ、無事に実態を反映した診断書が出来上がりました。

結果、障害認定日は「2級」に認定、事後重症請求は「1級」に認定されました。

 

【ポイント1】医師は診断書を書くプロではない

医師は病気の治療に関するプロであって、診断書を記載するプロという訳ではありません。

とくに障害年金の診断書は、障がい者手帳等と異なり特別な訓練などもありません。

そこで大切になるのが「障害年金上の評価方法」をしっかりお伝えすることです。

 

【ポイント2】 認知症の申請方法は1つではない

認知症は、Tさんの病気(前頭側頭型認知症)に加えて、アルツハイマー型やレビー小体型認知症など複数に分かれます。

認知症の種類や経過によって様々な症状があり、必要に合わせて診断書を追加することも検討します。

たとえばレビー小体型認知症には、パーキンソン症状により「肢体」に障害が出ることもあり、このような場合は「精神の障害+肢体の障害」と2つの診断書を取得して請求することもできます。

 

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