目次
障害年金の更新を控えている方
現在障害年金を受給されている方で「どのように障害年金の更新手続きを行えばいいのかわからない」や「障害年金の更新が通るかが不安」と悩まれている方もいらっしゃると思います。
特に、初めての更新が控えている方は不安なことも多いと思います。
更新についての情報は意外と少ないので、分からないことが多いからあれこれ考えてどんどん不安になる。
さらには、それが原因で体調も悪くなる、という方も多いのではないでしょうか。
他にも更新時によくある不安として「前回と病院が変わった」「仕事や一人暮らしを始めた」というように前回の申請の時と変化がある方は、更新の際にとくに注意が必要となります。
本記事では、「障害年金の更新」について徹底解説していきたいと思います。
更新が「必要な人」と「不要な人」
障害年金には更新が必要な方と、そうでない方がいます。
当事務所でのセミナーでの質問や感想で、「障害(しょうがい)年金」と聞いて「生涯(しょうがい)年金」という字を思い浮かべて「一生涯貰えると思ってました」というご感想を頂くことも結構あります。
実際はほとんどの方が「有期認定」といって、1年から5年ごとに更新手続きが必要な方となります。
更新期間が、どうやって決められているのか具体的な基準については公表されていませんが、年齢やこれまでの病歴、障害の種類や症状などによって決まるとされています。
それに対して「永久認定」となると、更新をしなくても受け続けることが出来るようになります。
永久認定は、手足の欠損のように、今後障害が変わらないことが明らかな場合に認められやすいです。
精神の障害でいうと、知的障害の場合に認められるケースがあります。
発達障害は、稀にある程度です。
うつ病での永久認定は、障害年金専門の社労士事務所として10年活動してきて1、2回見たことがある程度です。
ご相談の中で「どうしても永久認定にしてほしい」と言われることもありますが、それはこちらの判断ではどうすることも出来ません。
データで見る更新
毎月の収入を障害年金に頼っているという方にとっては、更新が認められなければ大問題となります。
万が一を考えると不安になるのも当然だと思います。
ここで皆さんに知っておいて頂きたいことがあります。
それは「障害の状態が以前と変わっていなければ、基本的には更新は認められる可能性が高い」ということ。
再認定(更新)の確率
実際、厚生労働省が公表しているデータによると、令和元年度の更新では94.9%が継続して支給されて、2.9%の方が等級アップとなっているんですね。
合わせると97.8%の方が、これまで通り、又は年金が増えたという事になってます。
こうやって数字で見ると思ったより高く感じる方も多いと思います。
特に、検査数値など基準が明確な病気や障害の場合、その基準さえ満たしていれば、ほぼ確実に更新が認められます。
また精神疾患のような基準が曖昧なものであっても、障害の状態が以前と変わっていなければ基本的に等級は維持されるケースが多いです。
97.8%の方がこれまで通りということは、2.2%の方は不支給か等級ダウンになっていということです。
「自分がその2.2%になるんじゃないか?」と不安になる方いらっしゃると思います。
そんな方のために、この動画をつくったんです!ゼヒ最後までみていってください(^^)
更新の審査の難度
続いてが、私の事務所内での感想としてのお話です。
障害年金を一番最初に請求することを裁定請求といいます。
この裁定請求と更新は同じ障害認定基準に照らして審査がされています。
でも、なぜか更新のほうが通りやすい気がするんですよね。
例えば、先日あった事例では、精神疾患を持つ方がフルタイムで就労していても、これまで通り2級で更新が認められました。
障害年金は必ずしも「働いていたら不支給」ということではありません。
しかし、最近の傾向として、初めての請求(裁定請求)の場合は、フルタイムでなくても就労している方が不支給になるケースが多いと感じることがあります。
こう考えると、やはり更新はちょっと審査が緩めなのかな?と感じることもあります。
SNSなどでは、同じような状態の方が「支給停止になった」という投稿されているのも目にすることもありますので、あくまでもケースバイケースとなります。
ただ、必要以上に更新を恐れる必要はないということをご理解いただければと思います。
更新の期間の長さ
続いてが令和4年の更新期間の統計です。
こちらは全ての障害をまとめたデータになります。
このデータを見ると5年更新が多いことが分かります。
わくわく社会保険労務士法人の更新実績データ
令和4年度の精神のみのデータは発表されていませんでしたので、直近3年間のうちの事務所での更新期間を集計してみたましたので、ここでご紹介させていただきます。
元にしているデータの数が各年ごとに、数百件レベルなので、全体でみた時に一致しているのかは疑問ではありますが、少しでも参考になればなって思いました。
2022年、2023年、2024年と、どの年をみても2年更新が一番多くなっています。
当事務所の実績で1年更新が多い理由は、症状が軽い方の相談も積極的に受けていることが考えられます。
直近で特に気になるのが、2024年は5年更新が大幅に減っていること。
偶然なのか、または今後の傾向になるのか、様子をみていきたいと思います。
更新の期間に関する不安
更新が認められたとしても、「前回より更新期間が短くなった」「周りの人と比べて自分の更新期間が短い」という理由からと不安になるという声を聞くこともあります。
私としては、期間が短いからネガティブに捉える必要はないと考えています。
障害年金を受給できていることをポジティブに考えるのが気持ちも楽になるのではないかと思います。
例えば障害年金を受けることで
・無理して働かなくて良くなり療養に集中できるとか
・受けれなかった治療を受けれるようになったとか
障害年金を失うことを考えて不安になるよりも、今、障害年金を受け取ることで、少しでも何か前進につなげていただけると良いなと思います。
更新のタイミングの確認
ここからは具体的な更新のやり方についてご説明してきます。
まずは更新期間の確認方法についてです。
初めて更新を迎える方と、2回目以降の方で変わってきます。
初めての更新の方
まず、今回が初めての更新だよっていう方は、年金証書をお手元に用意してください。
右下に「次回診断書提出年月」と書かれている欄があるので、それが更新のタイミングになります。
もし、この日付の部分がアスタリスクとなっていれば、「永久認定」という意味です。
有期認定の場合でも、再発行した年金証書には更新の日付がアスタリスクで出てきます。
これは永久認定になった訳ではないので、間違えないようにご注意ください。
2回目以降の更新の方
つづいて更新が2回目以降の方についてです。
前回の更新後にこのようなハガキが届いています。
その中に、更新年月が記載されています。
更新の都度、年金証書が届くと思われている方も多いのですが、更新の結果の通知は、このようなハガキが届きます。
先ほど同様に日付部分がアスタリスクになっていれば、有期認定から永久認定に変わったということになります。
これは知的障害ではよくある事なんですが、最初は有期認定で、更新のタイミングで永久認定に切り替わるケースもあります。
本記事をお読みいただいている方の中には、年金証書や前回の更新の決定ハガキを失くされて、いつが更新なの分からないという方もいらっしゃると思います。
そんな場合は年金事務所に問い合わせると教えてもらえますので、ぜひ確認してみてください。
更新のタイミングを忘れていたとしても、期限の3カ月前になると日本年金機構から「更新のお知らせ」が届きます。
郵便の確認を漏らさなければ更新を忘れるということは無いと思います。
とはいえ、いつが更新なのかを事前にわかっていた方が心の準備ができますよね。
そこで更新がわかった段階でGoogleカレンダーなどに登録しておくのがオススメです。
カレンダーへの登録時のポイントとして、更新の期限を「障害年金 更新 期限」と登録するのはもちろんですが、期限の3カ月前の月初に『障害年金 更新 手続き開始』と登録しておくと、いつから更新手続きがスタートするから目に見えてわかるのでオススメです。
例えば8月末が期限だったら6/1と8/31にそれぞれ登録しておくといった感じです。
更新のお知らせ
お預かりしている更新の案内があるので実物を使って、この中身を解説していきます。
更新の月というのは必ず誕生日の月となります。
そして更新月の3か月前の月末に届きます。
8月末の更新なら7.6.5なので5月末に届いて6.7.8の3ヶ月で準備していく形です。
「更新のお知らせ」は、先ほどご紹介した縦長封筒で普通郵便で届きます。
封筒には表裏ともに障害年金というキーワードは入っていないので、ぱっと見た目では更新の診断書が入っているというのは分かりません。
中身は基本的には3つです。
【更新のお知らせ1】提出用の封筒
診断書が完成したらこの封筒を使って送る事になります。
表面には切手が必要なのと裏面にはご自身の住所やお名前が必要になります。
この封筒を無くした場合には、他の封筒を使ってもOKです。
その場合はコチラが宛先となりますので、間違いが無いように記入してください。
【更新のお知らせ2】障害状態確認届(診断書)等の提出について
2つ目が、小さい紙で更新の案内が入っています。
この内容について本記事の中でほとんど解説していきますのでここでは省略します。
もし更新について不明点がある場合のには裏面に連絡先が書かれているのでここに聞いてみるとよいかと思います。
呼吸器系の障害の場合、診断書だけでなくレントゲンの提出が必要になります。
そのときには、「障害状態確認届(診断書)等の提出について」の裏面の下の部分が整理票になっているので、レントゲンフィルムに貼り付けて提出するようにしてください。
【更新のお知らせ3】障害状態確認届
そして最後が一番大切な障害状態確認届です。
障害状態確認届といっても実際は診断書です。
障害年金を一番最初に請求したときに使った診断書に比べて、更新の時は少し厚手の紙で出来ています。
表面の上の部分に提出期限や注意点が追加されている違いはありますが、内容自体は全て同じです。
今回は精神の診断書での見本を使って説明をしていますが、皆様の病気に合わせた診断書が入っています。
もし、精神と目の障害のように複数の障害を合わせて申請した方は、更新の際も複数の診断書が届くので、それぞれの診断書を合わせて準備をして期限内に提出することになります。
更新手続きの流れ
ここからは更新手続きの流れをご説明します。
障害年金の更新の流れは、以下のの順番で進めます。
①更新の書類を受け取る
②病院で受診して診断書の作成を依頼
③完成した診断書を受け取って問題がなければ提出
手続き自体は簡単なので、後ほど説明するような注意するケースでなければ、社労士に頼まなくてもご自身でできる内容になっています。
それではここからは先ほどの手順について、もう少し深掘りして説明していきます。
【更新の流れ1】書類を受け取る
まずは、年金機構から障害状態確認届が届きます。
googleで「年金機構 年間予定」と検索すると、こんな予定表を見ることが出来るのはご存知でしょうか。
【 主な行事・通知書発送の年間予定表 】 (2024年4月1日~2025年3月31日)
2024年8月を例にすると、8/23金曜日に11月が期限の方の診断書が発送されるとわかります。
ということは、発送予定日の翌週の月曜か火曜日には届くだろうと予想することが出来るわけです。
万が一、発送週の翌週末まで待っても届かない場合は、年金事務所へ相談されるのが良いと思います。
届かない理由の一つに引っ越しがありますが、マイナンバーを登録している方は、住民票さえ異動していれば自動的に新しい住所に書類が届きます。
もし、マイナンバーを登録していない方は引っ越しをしたらすぐに住所変更届を提出するようにしてください。
【更新の流れ2】受診と診断書作成依頼(注意!)
続いては病院へ行って、診断を受けて診断書の作成を依頼します。
診断書の作成を依頼するタイミングには注意が必要です。
この診断書には「提出期限の前3ヶ月間の症状」を記入してもらいます。
例えば、8月が更新月の場合、6/7/8月の状態を記入しています。
診断書の内容がいつの状態なのかというのは、「診断書の現症日」という欄を確認します。
精神の診断書の場合、表面の真ん中あたりにあります。
この日付が「提出期限の3ヶ月以内」になっている必要があります。
赤字の※印で「現症の日は、誕生月までの間に本人が診断を受けた日で記入してください」と書かれてていますが少しだけ不正確ですよね。
この表記だと誕生日月までの間であればいつでも良いって勘違いしそうですが、「提出期限の3ヶ月以内」なのでご注意ください。
何故この部分をこんなにしつこく説明しているのかというと、診断書が届いたら「急がなきゃ!先生、お願いします」とすぐに診断書の作成依頼を出してしまう可能性があるのではないかと思うからです。
これが注意しなければいけないポイントです。
期限の3ヶ月前の直前に診断書が届きますよね。
つまり、その時点では対象となる3ヶ月の中にまだ受診をしてないわけです。
にも関わらず、その状態で診断書の記載を依頼してしまうと、どうなると思いますか?
病院は診断書の依頼を受けたら、直近のカルテに基づいて作成されると思います。
お医者さんは治療のプロであって障害年金のプロではないですから、3ヶ月ルールを知らない先生が多いと思います。
そうなると、対象期間の前の状態で診断書を作成される可能性があります。
だからこそ診断書が届いたら、まず受診してから、その時の症状を記載してもらうようにしてください。
【更新の流れ3】書類の提出
診断書が完成したら、内容を確認しましょう。
問題なければコピーを取って、原本は同封されていた返信用封筒で郵送して提出します。
提出後は、だいたい3ヶ月ほどで審査結果が届くという流れになります。
障害年金は最初の請求(裁定請求)は準備する書類が多くて大変ですが、更新の手続きはシンプルです。
更新の8つのポイント
障害年金の更新手続きは簡単なのですが、ポイントがたくさんあります。
今回はその中でもとくに重要なポイントを8つご紹介したいと思います!
これらを押さえずに手続きを進めてしまうと、最悪の場合、障害年金が止まってしまうこともあります。
そうならないように、一緒にチェックしていきましょう!
【ポイント1】早め早めに動く
令和元年までは診断書が届いて1ヶ月以内に提出という感じで、かなり厳しい日程でしたので、今は本当に楽になりました。
ただ、逆に3ヶ月もあるので、「まだ大丈夫」と後回しにしていると、あっという間に期限が来てしまいます。
そうならないためにも更新手続きは、早め早めに動くのが重要です。
早めに動けば心に余裕もできますし、何かトラブルがあっても対応ができます。
早め早めに動いて、スムーズな更新を目指しましょう。
【ポイント2】提出期限を厳守
障害年金の更新には守らなければならない提出期限があります!
うっかり期限を過ぎてしまうと、年金の支払いが止まってしまいます。
障害年金が止まると、生活ができなくなる方もいらっしゃると思います。
更新は、それだけ重要な手続きですのでご注意ください。
提出期限に関してはよく質問をいただきますので、改めてお伝えします。
【質問1】期限の最終日の消印でも大丈夫ですか?
障害状態確認届(診断書)の上の部分にも「提出期限」の欄があります。
消印有効ではなく、「提出期限」というのがポイントです。
「提出」というのは年金機構に到着している事です。
書類は提出期限までに年金機構に届くように、余裕を持って提出しましょう。
【質問2】提出が少しでも遅れてしまったら、即年金が止まるのですか?
これについては、くれぐれも期限は必ず守るという前提の上で、実際に当事務所であった事例を一つご紹介します。
期限がギリギリの状態の中、診断書を確認すると、どうしても訂正が必要なところがありました。
「期限を優先してそのまま出す」又は「後悔のないようにしっかりと訂正を行う」かを選択しなければいけませんでした。
本当に症状が軽微であればそのまま提出という事もあるかもしれませんが、このケースでは、しっかりと訂正して正しい状況を伝えたいと考えました。
結果的に2週間程度期限を過ぎての提出となりましたが、障害年金が止まることなく継続して受け取ることができたという事例がありました。
ただし、これは、その時々の審査の混雑状況によって順番などの関係があるので、くれぐれも「2週間までなら大丈夫なんだ」と解釈しないようにしてください。
大切なのは、遅れないようにするです。
【ポイント3】必要に応じて補足資料を添付する
障害年金の更新は診断書を提出するだけで完了するので、手続き自体は簡単です。
しかしこれは逆に言うと「診断書のみ」で審査が行われるということです。
そのため「本当にその診断書だけで正しく今の障害状態を表せているのか」がポイントとなります。
もし診断書だけでは伝わらなかったり、より詳しく伝えたいことがある場合は、補足資料を用意してご自身の現在の状況を適切に伝えることを心がけましょう。
例えば前回の審査以降の日常生活の様子やエピソードを病歴・就労状況等申立書にまとめるのもおススメです。
こういった補足資料が実際の審査にどれぐらいの影響があるのかの正確なところはわかりませんが、何も無い状態よりも、詳しく状況が伝えられるので、当事務所では必要に応じて積極的に添付するようにしています。
【ポイント4】診断書の内容は必ずチェックする
日本年金機構に診断書を郵送する前に、必ず診断書を自分の目で見て確認して「ご自身の障害状態が適切に反映されているのか」をチェックしてください。
もしここで診断書とあなたが自覚している症状にズレがあると、納得できない結果になる可能性もあります。
適切に審査をしてもらうためには、適切に障害状態を伝えることが必要です。
自分だけで確認するのが心配だという方は、最後のチェックだけ見てもらえる社労士事務所もあるので
そういったところに依頼する方法もあります。
【ポイント5】控えを保管する
提出する書類一式や結果はコピーやスマホ撮影をして必ず大切に保管するようにしておいてください。
保管方法はご自分の保管しやすい形で結構ですので、後で見返せる状態にしておきましょう。
また次で話す転院の際にこの「控えの保管」が役立ちます。
【ポイント6】転院のタイミングは慎重に
主治医との相性や引っ越しの都合などで、障害年金の受給中に転院を検討しているという方もいらっしゃると思います。
障害年金の更新時期が近い場合は、転院のタイミングに注意が必要です。
転院のタイミングが更新前のギリギリになってしまうと、お医者様が患者さんのことを正しく理解する時間が足りなくて診断書が書けない、ということにもなりかねません。
私は転院してスグに診断書を書いてくれる病院を知りません。
そのため転院をする際は更新日から逆算して計画的に行うようにしましょう。
転院の際は紹介状や先ほど解説した補足資料を積極的に提出するようにしてください。
【ポイント7】主治医の指示に従った通院を行う
ほとんどの障害の場合、定期的な通院が必要だと思います。
たまに「通院していないけど、更新を通すにはどうしたらいいの?」という質問をいただくことがありますが、この質問に対する答えは「通院してください」という回答になります。
障害年金というのは、治療を続けているけれど障害が残っている場合に支給されるものです。(※知的障害や手足の欠損のような治療が不要な障害を除きます)
自己判断で通院治療をやめても良い程度なのであれば、それほど障害が重たくないと判断されても仕方ないと言えます。
お医者様と合わない、治療方針が納得がいかないといった理由があるのかもしれませんが、障害年金を更新するためには通院や治療は絶対に必要なことですので、必ず医師の指示に従って通院や治療を続けるようにしてください。
【ポイント8】最終チェック
ポイントの最後は提出直前の最終チェックです!
- 封筒の裏面に自分の住所と名前は記載していますか?
- 間違いなく診断書は封筒に入っていますか?
- 封はしましたか?
返信用の封筒は上ではなく横が開くタイプです。封を忘れたら途中で落ちてしまう可能性があるので、必ず封をしたか確認しましょう。 - 切手は貼っていますか?
郵便事故というのはほとんど無いのですが、できれば普通郵便で送るよりも書留にしましょう。
裁定請求と違い、更新は受付の控えがもらえません。
万が一届いていなかったとしても、「まだ届いていませんよ」という連絡はありません。
その面からも、追跡機能で到着確認が出来たほうが安心できると思います。
更新の審査結果について
それでは、気になる審査結果についてご説明します。
更新の審査結果は以下の3のパターンがあります。
- 等級アップ
- 等級維持
- 等級ダウン・支給停止
それぞれ受け取る通知が変わるため、どのパターンに該当するとどんな通知が届くのかも合わせて解説していきます。
【更新のパターン1】等級アップ
1つ目の更新のパターンは、「等級アップ」です。
前回の申請時よりも体調が悪化している場合は、等級が上がることがあります。
3級が2級になるのが等級アップです。
等級がアップすると、このような「支給額変更通知書」が届きます。
「支給額変更通知書」は「これからの年金額がこのように変更されます」という通知です。
改定されるのは、更新の提出期限の翌月の年金からです。
例えば、8月生まれの方は、9月分から新しい等級の金額が支給されることになります。
提出期限が8月だとすると、その翌月から改定なので9月分から改定になります。
改定決定の通知が届くのは、一般的には10月又は11月になります。
この結果待ちの間に経過した月分はどうなるのかというと、改定にともなう差額が後から振り込まれるので安心してください。
【更新のパターン2】等級維持
2つ目の更新のパターンは「等級維持」です。
これは、これまでと同じ障害等級で引き続き年金を受け取れることになります。
3級だった方は3級のまま、2級だった方は2級のままというパターンです。
等級維持の結果通知はこのようなハガキで届きます。
このハガキが届けば「無事に今まで通りの等級で更新が認められた」と安心していただいて大丈夫です。
年金の支給についてはこれまで通り偶数月の15日に振り込まれます。
【更新のパターン3】『等級ダウン・支給停止』
3つ目の更新のパターンは「等級ダウン・支給停止」です。
残念ながら、このパターンは、障害の程度が軽くなったと判断されて、等級が下がったり、場合によっては支給が停止されてしまったケースです。
この場合も、パターン①の等級アップと同じように「支給額変更通知書」が封筒で届きます。
気になる減給または支給停止の時期ですが、これは「更新の期限の翌月から数えて4ヶ月目から」となります。
例えば、8月末が期限だった場合、9月、10月、11月は今まで通りの金額が支給されますが、12月分から減額または支給停止になってしまいます。
更新結果の勘違いポイント
毎年、6月の頭になると「年金額改定通知書」という書類が届きます。
年金は毎年度、物価の変動などによって金額が調整されます。
その調整の結果「今年度の金額はこうなります」というお知らせが、この「年金額改定通知書」です。
つまり、更新の結果とは全くの別のものです。
更新の結果を待っている間にこの通知を見ると、「更新が通ったんだ!」と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、更新結果とは別なので混同しないようご注意ください。
更新の決定に納得出来ない時
更新の結果、納得がいかない決定になることもあります。
その場合の行動としては大きく2つあります。
1つは「不服申し立て」という手続きです。
「不服申し立て」を行うことで、内容が覆ることもありますが、非常に難易度が高いと言えます。
不服申し立てを認められた場合、止まっていた障害年金を一括で受け取ることが出来ます。
ただし、更新前が3級で更新後が3級の方が2級でない事に不満という「更新前と更新後で等級がアップしなかったことを不服とするケース」は、本来はこの不服申立ては出来ません。
そこで、更新の際に額改定請求書を一緒に提出しておくことで、このケースでも不服申立てが出来るようになります。
2つ目が、障害年金が止まった後に症状が悪化して障害年金を再開する手続きを行うことです。
障害年金が止まった時は障害年金を受給する権利が完全になくなったと思われるかもしれませんが、そうではありません。
年金は止まっているけれど、障害年金を受給する権利は残っています。
もし症状が悪化して、障害年金を受け取れる症状になったのであれば、診断書を取得して、もう一度審査をお願いすることもできます。
更新で注意が必要な3つのケース
さて、ここまでは障害年金の更新に関することをお話してきましたが、状況によっては更新手続きで特に注意が必要なケースがあります。
ここからは、更新で注意が必要なケースを3つご紹介していきますので、
皆さまも当てはまるモノがないか、ぜひ確認してください!
【注意が必要な方1】転院した方
障害年金の更新では、前回の申請時と更新時の病院が違う場合は注意が必要です。
病院によって診断書の書き方や評価が異なることがあります。
以前と同じ症状でも「改善した」と判断される事もあります。
例えば、
- A病院は障害年金に詳しかったけどB病院はなんだか頼りない
- 同じ病気でも、A病院では詳しく検査をしてくれるのに、B病院では簡単な診察だけで終わってしまう
というケースも実際にあります。
しかし、転院したからといって必ずしも不利になるわけではありません。
大切なのは、転院先のお医者様にあなたのこれまでの状況をしっかりと伝えることです。
転院したら全部丁寧に聞いてくれるだろうと受け身で考えると万が一がありますから注意してください。
具体的には以下の方な方法が良いと思います。
- 紹介状で転院する
- 過去に提出した診断書のコピーや病歴就労状況等申立書を持っていく
これらがあれば、新しいお医者様の治療にも役立ちますよね。
たまに頂くご質問に「転院したんだけど、新しい先生は診断書を書いてくれますか?」というご質問がありますが、これは当事務所ではわかりません。
相談者様の状態や経緯、お医者様がどのような方なのか全くわからないので、申し訳ないのですが、このご質問には回答ができません。
早めから障害年金について主治医に話しておくようにしましょう。
【注意が必要な方2】働き始めた方
更新の中でも、就労に関するご質問は特にたくさんいただきます。
障害年金は「障害によって、どれだけ生活や就労に支障が出ているか」という点が見られます。
代表的なものでいうとうつ病などのメンタル疾患があります。
メンタル疾患の場合、「働けている=障害の状態が良くなった」と判断されてしまう可能性があります。
更新の場合、「今は働けるということは、症状が改善したので支給は停止します」となることもありえます。
しかし、働けているからといって、必ずしも生活や就労に制限がないとは限りません。
・職場で周りのサポートを受けなが、なんとか働けている
・症状に波があって、体調の良いタイミングだけ簡単な仕事をしている
という方もいらっしゃると思います。
つまり「働いている」=「生活や就労に制限がない」とは限りません。
だからこそ更新手続きでは、仕事の種類や内容、仕事をする上でどんなサポートを受けているかなど
「なぜ働けているのか?」をしっかりと診断書に反映してもらったり、補足情報で審査側に伝えることが重要になります。
就労に関しては『「働きながら障害年金をもらえる人」をわかりやすくご説明します』で詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。
以下の動画でも深掘りしていますので、気になる方は是非ご覧ください。
(※「働きながら障年申請」という就労関連の専門サイトも用意していますので、あわせてご参照下さい)
【注意が必要な方3】一人暮らしを始めた方
就労と同様に、一人暮らしでも障害年金を受給することはできますが、ここでもうつ病などのメンタル疾患の場合には注意が必要です。
うつ病を例にしてみると、症状が重いほど食事、洗濯、お風呂などの日常生活に支障があります。
診断書では症状が非常に重いけれど、一人暮らしをしていると「本当は症状が軽いのかな?」と見られる可能性があります。
実際は以下の様な事情の方も多いと思います。
- 家族といると症状が悪化するからやむなく一人暮らしをしている
- 障害福祉のサービスを使っているからなんとか生活出来ている
- 家族や親族から定期的な支援を受けている
- 訪問介護、訪問看護などを受けている
- 今現在は援助を受けていないが本当なら受ける必要がある
「なぜ一人暮らしが出来ているのか」を明確にすることで、審査で考慮してもらうことができます。
こういったことを主治医に伝えて、しっかりと診断書に反映してもらうことが重要です。
一人暮らしに関しては『「一人暮らしで障害年金をもらえる人」をわかりやすくご説明します』で詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。
以下の動画でも深掘りしていますので、気になる方は是非ご覧ください。
障害年金の更新に関する8つの「よくあるご質問」
最後に、障害年金の更新に関してよくある質問を8つご紹介します
【質問1】等級の見込みが知りたい
ご自身の症状がどのくらいの等級に該当するのか気になる方は当事務所の公式LINEより自動診断が出来ます。(精神疾患の方のみ)
【質問2】更新期間中に障害が治った場合は何か手続きが必要ですか?
障害年金を受けている間に症状が劇的に改善する事もあると思います。
更新期間中に障害が治った場合でも、次回の更新までは障害年金を受け続けることができます。
そして、更新のタイミングで止まるという事になります。
更新を待たずに止めてって手続きも可能なので、希望の方は年金事務所に相談をしてみてください。
【質問3】働いている事はバレますか?
この質問にはお答えできません。
当事務所では、働いている場合は働いている、一人暮らしの場合は一人暮らしとありのままの申請をしています。
【質問4】更新期間に不満がある場合はどうしたらいいですか?
更新期間が期待通りじゃなかった場合であっても、そこに対しての不服申立ては出来ないことになっています。
【質問5】主治医がパソコンで作成した診断書で大丈夫?
最近はほとんどがパソコンで作成されています。
そんな際には障害状態確認届ではなくて通常の障害年金用の診断書のフォーマットで受け取ることがあります。
それでも全く問題ありません。
ただその場合の注意点があります。
主治医がパソコンで作成した診断書を年金機構に送る時は、空の障害状態確認届も一緒に提出するようにしてください。
【質問6】審査では前回の診断書を参考にしていますか?
私も審査の内側の様子は全くわからないので想像での回答ですが、見ている可能性はあると思います。
ただ、前回と今回の診断書の詳細まで見比べて確認することはないのではないかと考えてます。
審査の件数的にも現実的ではないように思えます。
当事務所としては、更新時点での症状をしっかりと診断書に反映して出すだけだと考えています。
【質問7】年金生活者支援給付金は更新は必要ですか?
障害年金2級以上を受けている場合には障害年金に加えて年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
この給付金には支給要件さえ満たしていれば更新は不要で受け続けることができます。
【質問8】65歳以降も更新が必要なのか?
65歳になると老齢年金と障害年金の有利な方を選択することができます。
詳しくは以下の動画で解説をしています。
(『【不安解消】障害年金受給中のあなたへ!老後の年金はこうなる!』のページでも動画の内容をテキスト情報として掲載しています)
65歳から老齢年金を選択すると更新手続きが不要になります。
では、65歳以上の方が障害年金を選択すると更新はどうなるでしょうか。
障害年金は障害に対して支給されるものなので、65歳を超えた場合でも障害が改善すればもらえなります。
65歳を超えた場合でも障害の程度を確認するため、障害年金は更新が必要になります。
まとめ
本記事では「障害年金の更新」について解説させていただきました。
「どのように障害年金の更新手続きを行えばいいのかわからない」「障害年金の更新が通るか不安」など
本記事を通して、少しでも障害年金の更新に関する理解を深めていただけましたら幸いです。
障害年金のことを知りたいけど、「説明が長くて読むのが大変・・・」「分かりにくい・・・」「私の場合、どれに当てはまるのか分からない・・・」という方はお気軽にお電話かLINEでお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。