障害年金に関してよくある「線維筋痛症でもらえる障害年金の金額はいくら?」という質問にお答えします。
「線維筋痛症」の認定基準
障害年金の受給の基準は「障害認定基準」に定められています。
線維筋痛症の認定の目安は、障害認定基準の『第7節 肢体の障害 第4 肢体の機能の障害』で以下のように記されています。
※【令和4年4月1日改正版】国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第7節 肢体の障害 第4 肢体の機能の障害
認定基準
線維筋痛症は「肢体の機能の障害」に該当します。
肢体の機能の障害については、次のとおりとされています。
令別表 | 障害の認定 | 障害の状態 |
国年令別表 | 1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする 病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする 病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの | |
厚年令別表第1 | 3級 | 身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
線維筋痛症でもらえる障害年金の金額
障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。
障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、障害の程度(障害等級1級~3級)が定められています。
障害等級3級の場合、初診日が国民年金に該当する方は障害年金の受給対象にはなりません。
線維筋痛症は「線維筋痛症の重症度分類試案(厚生労働省研究班)」により、症状の度合いをステージⅠ(軽度)~ステージⅤ(重度)の5段階に分類されています。(日本年金機構ホームページ:線維筋痛症の障害状態について診断書を作成されるお医者様へ)
必ずしもステージと障害年金の等級は一致はしないですが、目安としては以下のようになります。
- ステージⅡ~Ⅲ:3級
- ステージⅢ~Ⅳ:2級
- ステージⅤ:1級
それぞれの受給額を以下にご説明します。
障害年金の金額
障害年金の支給額は、毎年4月分から翌年3月分まで同一額が支給されます。
2024年度の年間支給額は以下の通りです。
1級 | 2級 | 3級 | |
基礎年金 | 1,020,000円 +子の加算 | 816,000円 +子の加算 | 無し |
厚生年金 | 1,020,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額×1.25 +配偶者の加給年金額 | 816,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額 +配偶者の加給年金額 | 報酬比例の年金額(最低保証612,000 円) |
※報酬比例部分の年金額は、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。(報酬比例部分の詳しい計算方法は、日本年金機構ホームページ『報酬比例部分』をご参照下さい。)
子の加算
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持されている子がある場合は、 子の人数に応じて、加算が行われます。
生計の維持とは
「生計を維持されている」とは、原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。
- 生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)
- 収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)
対象となる子
- 受給権者によって生計を維持されている 「18歳到達年度の末日までにある子」
- 受給権者によって生計を維持されている 「20歳未満で障害等級の1級または 2級に該当する程度の障害の状態にある子」
子の加算金額
1人目・2人目(1人につき) | 3人目以降(1人につき) | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) | 78,300 円 (月額 6,525 円) |
※各期支払額の1円未満の端数は切り捨て、切り捨てた端数の合計を2月期の支給額に加算して支払われます。
配偶者の加算(障害厚生年金の1級・2級のみ)
障害厚生年金1級又は2級の受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれる場合、配偶者の加算がおこなわれます。
障害基礎年金の受給権者と障害厚生年金3級の受給権者には配偶者の加算はありません。
配偶者の加算金額
1級・2級 | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) |
(障害年金の金額に関しましては『障害年金の金額は?』のページでも詳しくご説明していますのでご参照下さい)
線維筋痛症での障害年金の受給金額の事例
当事務所で、線維筋痛症での障害年金申請をサポートさせていただいた方で、受給が決まったケースをご紹介します。
※年間受給金額は、支給決定された時点の金額です。
【事例1】年間受給金額:約152万円 (障害厚生年金1級)
病名 | 線維筋痛症 |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約152万円 |
障害の状態 | ・線維筋痛症の重症度分類試案:ステージⅤ ・全身の持続的な痛み:交通事故後に始まり、痛みが全身に広がった。 ・歩行困難:痛みと機能的な制限により、自力での歩行は不可能であり、常時車椅子を使用。 ・車椅子への移乗も単独では行えず、介助を要する。 |
申請結果 | 障害厚生年金1級 |
事例の詳細ページ:【事例1560】線維筋痛症|障害厚生年金1級(確定診断前が初診日と認められた事例)
【事例2】年間受給金額:約100万円 遡及金額:約241万円(障害厚生年金2級)
病名 | 線維筋痛症 |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約100万円 遡及金額 約241万円 |
障害の状態 | ・線維筋痛症の重症度分類試案:ステージⅢ ・触痛の為、補助用具の使用にも支障がある ・痛みの為、自力で身体を動かせず、終日臥床して過ごす日もある ・傷病が原因で退職に至り、現在も就労出来ない状態 |
申請結果 | 障害厚生年金2級 |
事例の詳細ページ:【事例739】線維筋痛症|障害厚生年金2級
【事例3】年間受給金額:約59万円(障害厚生年金3級)
病名 | 線維筋痛症 |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 | ・線維筋痛症の重症度分類試案:ステージⅡ ・発病以降、全身の関節痛、全身倦怠感、筋肉痛、睡眠障害、目の乾燥、口の渇き、思考力低下などの症状は継続している ・ふらつきがあり、荷物を持ちながらの歩行は出来ない ・普段補助用具は使用していないが、階段の昇降時は手摺りがなければ困難 |
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
事例の詳細ページ:【事例851】線維筋痛症|障害厚生年金3級
動画で事例紹介
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
線維筋痛症での申請のポイントを分かりやすくご説明していますので、是非ご覧ください。
線維筋痛症で障害年金の申請を検討されている方はお気軽にご相談下さい。
私は障害年金が受給できるの?
「説明が長くて読むのが大変・・・」「分かりにくい・・・」という方はお気軽にお電話かLINEでお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。