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障害年金の診断書の有効期限はいつまで?

障害年金の申請では、医師に作成してもらう「診断書」が必要ですが、この診断書には有効期限(どの時点の状態まで有効か)が定められています。
適切なタイミングの診断書を提出しないと、「せっかく作成した診断書が期限切れで使えない」といった事態にもなりかねません。
本記事では、本来請求(障害認定日から1年以内に行う認定日請求)・事後重症請求・遡及請求(障害認定日から1年以上経ってから行う認定日請求)・更新手続き(障害状態確認届の提出)のケース別に、診断書の有効期限(=何日以内の現症日が必要か)についてわかりやすく解説します。
また、現症日と作成日の違いや誤解しやすい点、「期限を過ぎたときはどうなるか」「3カ月以内とはいつから起算するのか」といった紛らわしい論点についても、公的機関の情報をもとに補足します。
本来請求で提出する診断書の有効期限

本来請求とは、障害認定日から1年以内に行う認定日請求のことを言います。(※後述:1年を超えた認定日請求は遡及請求と言います。)
提出する診断書は障害認定日から3か月以内の状態を記入したものが必要です。
たとえば障害認定日が3月15日であれば、その日から3か月後の6月14日までの間に受診した際の症状が記載された診断書を用意します。
診断書の現症日が障害認定日から3か月以内であれば、その診断書には基本的に有効期限はなく、障害認定日から1年以内であれば提出に使えます。
つまり、認定日から1年以内の請求であれば診断書は1通で足ります。
事後重症請求で提出する診断書の有効期限

事後重症請求とは、障害認定日時点では障害年金の等級に該当しなかった方が、その後65歳まで(請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出)に症状が重くなり等級に該当した場合に行う請求方法です。(※事後重症請求に関しましては『事後重症請求とは』のページで詳しくご説明していますので、ご参照ください。)
提出する診断書は請求日以前3か月以内の現症日がある最新のものを1通用意します。
診断書の有効期限は、その現症日から起算して3か月以内に年金請求を行うことです。
例えば診断書の現症日が3月15日ならば6月14日までに年金事務所へ提出しないといけません。
3か月を1日でも過ぎると原則受付けてもらえず、再度医師に診断書を作成してもらう必要が生じてしまいます。
そのため、診断書の取得後は他の書類と合わせてできるだけ早く提出することが大切です。
新規請求の場合、「障害認定日による請求」か「事後重症による請求」かで診断書の求められる時点が異なります。
「障害認定日による請求」では認定日から3か月以内の状態、「事後重症による請求」では請求日前3か月以内の状態が記載された診断書が必要です。
「事後重症による請求」の診断書は現症日から3か月以内に提出しなければならない点に注意しましょう。
遡及請求で提出する診断書の有効期限

遡及請求とは、障害認定日から1年以上経ってから請求するもので、本来受給できたはずの過去分について、障害認定日までさかのぼって請求する手続きです。
遡及請求では診断書が2通必要です。
- ①障害認定日時点の診断書(過去の診断書):障害認定日から3か月以内の現症日が記載されたもの。この診断書には有効期限は設けられていません。つまり、診断書自体が古くなっても、「障害認定日時点の状態」を証明するものとして提出可能です(※当時の症状を医師に遡って書いてもらう形になります)。
- ②請求日時点の最新の診断書(現在の診断書):請求日以前3か月以内の現症日が記載されたもの。現症日から3か月以内に年金請求の手続きをする必要があります。これは事後重症請求の場合と同じく、診断書の発行後は3か月を過ぎる前に提出しなければ有効と認められないという意味です。したがって、請求直近の診断書については有効期限は現症日から3か月と考え、計画的に準備しましょう。
まとめると、遡及請求では過去分の証明用(認定日頃の状態)と現在の状態証明用の2通の診断書が必要です。
前者は認定日当時から3か月以内の状態を記したもので期限はありませんが、後者は請求前3か月以内の状態で現症日から3か月以内に提出という期限があります。
更新(障害状態確認届)の場合の診断書有効期限

障害年金を受給中の方も、定期的な更新手続き(障害状態確認届の提出)が必要です。
多くの方は1年〜5年ごとに診断書の提出による障害状態の確認(再認定)を受ける「有期認定」となっており、更新時には再度診断書を提出します。
この更新時の診断書にも有効な期間(鮮度要件)が定められています。
更新時の診断書の現症日
診断書の現症日は、提出期限の前3か月以内でなければなりません。
つまり、更新用の診断書は提出期限日(指定された提出締切日)から遡って3か月以内の時期に受診したものを医師に書いてもらう必要があります。
たとえば提出期限が8月末日の場合、診断書に書かれる現症日は同年5月末日以降(6月・7月・8月中)である必要があります。
この3か月間の患者さんの状態を診断書に記入してもらうイメージです。
更新時の診断書の作成期間
更新時の診断書の作成期間ルールは2019年に変更されました。
以前は提出期限の1か月以内の現症日が必要でしたが、2019年8月以降の提出分から「前3か月以内」の現症日に緩和されています。
そのため、現在は提出期限に対して3か月の余裕がありますが、提出月よりあまりに早く受診しすぎると無効になる点は引き続き注意が必要です。
「更新のお知らせ」が届いたらすぐに受診したくなりますが、現症日が早すぎると診断書が無効になる可能性がありますので、提出期限の直前3か月間に受診・作成してもらうようにしましょう。
提出期限を過ぎてしまった場合
提出期限を過ぎてしまった場合は要注意です。
障害状態確認届(診断書)の提出が遅れたり、記載内容に不備がある場合、年金の支払いが一時停止されることがあります。
提出期限日は消印有効ではなく、期限日までに年金機構に到着することが求められます。
万一期限に間に合わなかったり診断書に不備があったりした場合は、できるだけ早く年金事務所に相談して指示を仰ぎ、速やかに正しい診断書を提出するようにしてください。
提出が遅れた場合でも、後日適切な診断書を提出すれば支給は再開されますが、その間の年金は停止となりますので注意しましょう。
「現症日」と「作成日」の違い
ここまで何度か現症日という言葉が出てきましたが、普段聞き慣れない方には少し紛らわしいかもしれません。
現症日とは、その診断書に書かれた症状が「いつ時点の状態か」を示す日付です。
一方で作成日は、医師が診断書を実際に作成(署名)した日付です。
多くの場合、現症日と作成日は同日か近い日になりますが、場合によっては診察日(現症日)から日を置いて作成されることもあります。
診断書の有効期限を考える上で重要なのは「現症日」です。
たとえば診断書の現症日が3月15日であれば、その日から起算して3か月後の6月14日までに提出する必要があります。
仮に3月15日に診察を受け、その後3月20日に医師が作成日を記入していても、現症日が3月15日である以上、有効期限の起算日は3月15日になります。
現症日と作成日を混同しないよう十分注意しましょう。
診断書には必ず現症日が明記されていますので、受け取ったらその日付が要件を満たしているか確認することが大切です。
また「3か月以内」の起算点も誤解しやすいポイントです。
ケースによって起算となる基準日が異なりますので整理しましょう。
- 障害認定日請求の場合は基準日=障害認定日です。認定日から3か月以内の現症日である診断書を用意します。
- 事後重症請求の場合や遡及請求の現在診断書では基準日=年金請求日(提出日)です。請求日から遡って3か月以内の現症日の診断書を提出します。
- 更新時の場合は基準日=提出期限日です。提出期限日前3か月以内の現症日の診断書を提出します。
認定日請求なら認定日から、請求時の診断書なら請求日から、更新なら提出期限からそれぞれ3か月以内となります。
混乱しやすい点ですが、公的機関の案内でも明示されていますので、該当するケースの基準日をしっかり押さえましょう。
診断書の有効期限比較表
それでは、新規請求・遡及請求・更新それぞれで「診断書の現症日が何カ月以内である必要があるか」を一覧表で整理します。
以下の表のとおり、障害認定日時点の診断書と直近(最新)の診断書で要件が異なります。
自分のケースではどれに当てはまるか照らし合わせてみてください。
| 請求・手続きの種類 | 障害認定日時点の診断書 (提出が必要な場合) | 直近の診断書 (現在の診断書) |
|---|---|---|
| 新規請求(認定日請求) | 障害認定日から3か月以内の現症日が記載された診断書 (有効期限:障害認定日から起算して1年以内) | 提出不要 |
| 新規請求(事後重症請求) | 提出不要 | 請求日以前3か月以内の現症日が記載された診断書 (有効期限:現症日から起算して3か月以内) |
| 遡及請求(過去分の請求) | 障害認定日から3か月以内の現症日が記載された診断書 (有効期限:なし) | 請求日以前3か月以内の現症日が記載された診断書 (有効期限:現症日から起算して3か月以内) |
| 更新(障害状態確認届) | 提出不要 | 提出期限前3か月以内の現症日が記載された診断書 (有効期限:更新手続き提出期限まで) |
(注)上記は原則的な必要枚数・要件です。初診日や認定日の時期によって特例がある場合もありますので、詳細は年金事務所や専門家にご確認ください。
期限を過ぎてしまった場合の対応
診断書の現症日から3か月を過ぎてしまった診断書は、原則として申請に使用できません。
新規請求(事後重症や遡及の現時点診断書)の場合は、受付窓口で「期限切れ」と判断され差し戻されてしまいます。
その際は恐縮ですが改めて医師に診断書の作成を依頼し直す必要があります。
診断書の作成には時間と費用がかかるため、こうした二度手間にならないようスケジュール管理が重要です。
では、うっかり期限を過ぎてしまった場合にどのように対処すればよいでしょうか。
直近の診断書(現在の診断書)
本来請求、事後重症請求、遡及請求で提出する「請求日以前3か月以内の現症日が記載された診断書」の有効期限を過ぎてしまった場合、速やかに担当医に相談し、最新の状態で新しい診断書を再発行してもらいましょう。
その際、「○月○日現在の状態でお願いします」と現症日の指定を改めて依頼します。
現症日が更新されれば、そこから再び3か月間は有効になります。
再取得には費用負担も発生しますので、なるべく早めに準備し直してください。
障害状態確認届(更新手続き)
提出期限に間に合わず、診断書の現症日も期限を過ぎてしまった場合、一時的に障害年金の支給が止まる可能性があります。
すぐに年金事務所へ連絡し、指示を仰いでください。その上で、できる限り早く新しい診断書を提出します。
提出が遅れた理由によっては、年金機構から催促や再提出の案内が届くこともあります。
基本的には、新しい診断書を提出すれば支給は再開されますので諦めず対応しましょう(ただし遅れた期間の年金は後からまとめて支払われるとは限らないため注意が必要です)。
障害認定日請求の認定日時点診断書の場合
前述のとおりこの診断書自体に有効期限はありません。
しかし、障害認定日から1年以上経って請求する場合は追加の現時点診断書が必要になるため、結果的に請求時点の診断書で期限管理が必要です。
過去の診断書が用意できても現在の診断書が期限切れでは受理されませんので、遡及請求の項をご参照ください。
なお、精神の障害に関する診断書は特に病状の変化が起きやすいため、診断書の鮮度が厳しく見られる傾向があります。
症状が日々変わる精神疾患では、数か月前の診断書では現状を正確に反映していない可能性が高いためです。
その分、期限ぎりぎりより新しい現症日で出す方が安心です。
主治医と相談しながら、できるだけ最新の状態を反映した診断書を提出しましょう。
まとめ
最後に、障害年金の診断書提出においてどのケースでも共通する重要ポイントを整理します。
ここだけは押さえておきましょう。
- 診断書の「現症日」を必ず確認しましょう。現症日とはその診断書が示す症状の時点日付です。申請時にはこの日付が各ケースで定められた期間内かどうか確認することが何より重要です。提出前にもう一度、現症日の日付が要件(3か月以内など)を満たしているかチェックしてください。
- 診断書取得から提出までのスケジュール管理を徹底しましょう。診断書は発行日ではなく現症日から起算して有効期限が決まります。取得したらすぐ提出が基本です。「他の書類を準備しているうちに3か月過ぎてしまった」ということのないよう、計画的に準備を進めましょう。もし期限を過ぎてしまったら、遠慮せず早めに年金事務所や主治医に相談し、必要な対処を行ってください。
- 提出期限を守りましょう(更新手続きの場合)。更新時に案内される提出期限は厳守が求められます。期限内に間に合うよう、余裕を持って診断書を依頼・受領し、提出の準備を進めてください。提出が遅れると年金の支給停止など不利益がありますが、正しい手続きを踏めば再開可能です。不安な場合は事前に専門家(社会保険労務士)等に相談することも検討しましょう。
障害年金の診断書の有効期限は少し複雑ですが、本記事で解説したポイントを押さえれば大丈夫です。
「いつまで有効か」を意識して、早め早めの行動を心がければ、きっと手続きもスムーズに進むはずです。
困ったときは公的機関や専門家の力も借りつつ、適切な診断書で無事に請求・更新手続きを乗り切りましょう。
読者の皆さまの不安が少しでも解消し、障害年金の手続きに役立てば幸いです。


