目次
対象者の基本データ
病名 | 注意欠陥多動性障害(ADHD) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、ご自身で裁定請求をされ、現在、障害厚生年金3級を受給されています。
今回、初めての更新となりますが、離婚して一人暮らしになったことと、障害者雇用で働き始めたことで不支給になるのではないかと不安になり、ネットで弊社のホームページをご覧になりお問い合わせいただきました。
申請結果
更新にあたり、ご相談者様の不安は、「一人暮らし」と「就労」でした。(ポイント①、②)
まず、現在の日常生活の状況、就労状況についてお話を伺い次のようなことがわかりました。
<日常生活>
1年ほど前に離婚、頼れる身内もおらず余儀なく一人暮らしをされていますが、買物、掃除、炊事、洗濯などの家事も適切にできず、食事や清潔保持など最低限のことさえ疎かになっています。
そのため、生活水準は低下しており、社会保障制度の利用も進められていますが対人交流が困難なため受け入れることができないとの事です。
<就労状況>
障害者雇用で保護的環境下で、部品仕分けやファイル作成など単純な作業に従事されています。
しかし、作業に当たっては、こだわりが強く、指示されたやり方で作業ができずミスも多発しているとの事です。
職場では最低限のあいさつ程度しかできず、上司や同僚との交流もできていません。
また、連続勤務が困難なため、週に2日は半休を特別付与されていますが、それでも、月に4~5日は体調不良で欠勤となっております。
以上の内容から、ADLの低下も明らかで、就労も職場の配慮のもとで何とか継続できていることがわかりました。
そこで、障害状態確認届(以後、診断書と呼びます。)を依頼の際は、一人暮らしになった経緯、日常生活及び就労状況について資料を作成し医師に橋渡しをしました。(ポイント③)
完成した診断書には、提出した資料の内容が正確に反映されていました。
また、更新の際は不要ですが、診断書だけでは伝えられない日常の様子などについては病歴就労状況等申立書に詳述し、診断書に添付して提出しました。
審査の結果、更新も認められ、4年後の更新まで継続して障害年金受給となりました。
【ポイント1】『単身』で生活している場合(精神の障害)
精神の障害では、生活での支障が審査に大きく影響します。
認定される方の多くは、生活に大きな支障があるため周囲の支援や援助が必要な事が多く、単身で生活することが困難なケースが殆どとされています。
このような経緯から、一人暮らしをしている場合『自立した生活を送れている』と評価される可能性があります。
しかし単身生活であっても、家族等以外(ヘルパー等)の生活支援がある場合、支援がなくて日常生活が成り立っていない状況の場合は申請内容に反映することで認定の確立を上げることができます。
【ポイント2】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント3】障害年金と更新
障害年金は基本的には期限を区切られて都度更新の手続きが必要となります。
これを有期認定といいます。
有期認定は1~5年ごとに「障害状態確認届」という診断書付きの現況届の提出が必要です。
「次回の診断書の提出はいつ頃なのか?」は、障害の状態や、これまでの治療の経緯によって1年後、2年後・・など決められます。
病名によって決められているわけではありません。
次の更新手続きがいつなのかは年金証書や結果の通知はがきを確認しておかれるとよいでしょう。
障害年金の更新に関しましては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
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