目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 遡及金額 約380万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、元々、気分の浮き沈みがあったそうですが、日常生活や就労に影響を及ぼすほどではなかったそうです。
ただ、15年ほど前に、今までにない激しい気分の落ち込み、焦燥感や不眠の症状が現れ出勤も困難になり退職に追い込まれます。
退職後も症状は改善せず、奥様の勧めもあり心療内科を受診します。
病院でうつ病と診断され、薬物療法、精神療法を受けることになります。
その後は、症状が軽減すると就労、そして症状が悪化し退職を繰返しています。
ご本人だけでなく奥様から見ても、今後、安定した就労は期待できません。
この様な状況で、治療に専念するために、ご夫婦で社会保障の制度を模索されていました。
たまたま、知合いの方が障害年金を受給していることを知り、弊社にご相談頂くことになりました。
申請結果
本事例では、ご相談者様は遡及請求をご希望でした。
遡及請求では、障害認定日頃の診断書と現在の診断書の2部必要になります。<ポイント①>
なお、ご相談者様は初診から現在まで同じ病院に通院されておられますので、「受診状況等証明書」(初診日の証明書)は不要です。<ポイント②>
手続きとしては、診断書の取得から始まります。
必要な2部の診断書はともに同じ病院で記載して頂くため、スムーズに取得でき、その内容も障害認定日頃そして現在それぞれのご相談者様の状態を正確に反映したものになっていました。
診断書では伝えられない日常生活の状況などについては、「病歴就労状況等申立書」で補足説明しました。<ポイント③>
また、障害認定日から5年以上経過後の遡及請求のため「障害給付 請求事由確認書」のほかに「年金裁定請求の遅延に関する申立書」などの必要書類を整え申請しました。
結果は、2ヵ月足らずのスピード審査で『障害基礎年金2級』に認定され、最大5年間分の遡及も認められました。
【ポイント1】「事後重症請求」と「遡及請求」
本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。
『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。
つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。
注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。
遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。
以下の動画でものポイントをご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
以下の動画でも「医証の枚数」のご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント3】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
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