【事例535】統合失調症|障害基礎年金2級(現在受給中で遡及請求のみおこなった事例)

統合失調症基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 女性
支給額 遡及金額 約253万円
障害の状態
  • 病状が悪化すると家族との会話も全く成り立たない
  • 薬はその都度手渡しで家族が管理している
  • 通院も自発的に行えず、常時家族の付添い・見守りが必要
  • 病識がなく、治療にも抵抗を見せることがある
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

25年程前より、突然被害関係妄想を生じるようになり、同居されているご家族様が様子がおかしいことに気づき、医療機関への受診を始められました。

「統合失調症」と診断され、治療を継続していましたが、症状改善は乏しい状態が続いており、日常生活の殆どすべてを家族の援助にて過ごしています。

2年程前にご家族様で障害年金の手続きを行い、事後重症として障害基礎年金2級を受給されていました。

障害認定日当時に通院していた病院のカルテが破棄されており診断書が取得出来ないために一度は遡及請求は諦めていましたが、何とか遡及請求が出来る方法がないかと当事務所にご相談いただきました。

 

申請結果

事後重症請求は既にご家族様で申請し受給されていましたので、今回の手続きは”障害認定日による請求のみ”のサポートとなります。(ポイント①)

既に請求している事後重症の請求内容の確認と認定日請求による受給の可能性があるかどうか追加でヒアリングを実施しました。

障害認定日による請求を認めてもらうためには、『初診日から1年半経過した日から3ヵ月以内(以下、有効期間といいます)の障害状態が確認出来る』ことが必要となります。

今回のご相談者様の場合、有効期間内ではB病院にのみ受診歴がありましたがB病院では既にカルテが破棄されており、有効期間内の診断書を取得することは出来ませんでした。

そのため、有効期限内での受診歴はないものの、有効期間に最も近い期間でカルテが残存しているA病院へ診断書の作成を依頼することにしました。

診断書を依頼したA病院で治療を受けていた主治医の先生は幸いにも有効期間内のB病院でも治療を受けていた主治医の先生であり、ご相談者様の病状経過等を覚えていらっしゃいました。

そのため、作成していただく診断書内にも障害認定日頃の状態を推定で記載して頂くとともに、有効期間内の病状経過をみていた医師であることも付記していただきました。

加えて障害認定日頃の有効期間の診断書がなくても、障害状態が確認できるものとして、代理人申立てを補足書類として添付し、請求しました。

結果、無事「障害基礎年金2級」として認定され過去5年間分の年金を遡って支給されることとなりました。

 

【ポイント1】事後重症決定後の障害認定日請求

障害年金は、条件が整えば最大5年分をさかのぼって請求することができます。これを『認定日請求』と言います。

障害認定日請求を知らなかった場合や病院の事情などで診断書を取れない場合などは、とりあえず今後の年金(事後重症請求)だけを先に手続きし、認定後、追って障害認定日請求をすることも出来ます。

 

【ポイント2】障害認定日の診断書がない場合の障害認定日による請求

障害認定日による請求を行う場合、原則として障害認定日頃の診断書が必要となります。

しかし、これはあくまでも原則論であり、必ずしも医証によらずとも、障害の程度を判断するための合理的な資料等が得られる場合には認定される余地があると考えられます。

障害認定日頃の診断書が得られないからといってすぐに諦めることなく、医証以外の方法で認定を得られないか一度検討する価値はあると思います。

ただし、全ての傷病で医証がなくても受給ができるというものでは有りませんので、ご注意ください。

 

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