【事例464】持続性気分障害(気分変調症)|障害厚生年金2級

持続性気分障害|障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 持続性気分障害
性別 女性
支給額 年額 約109万円
遡及金額 約182万円
障害の状態
  • 病気が原因で就労できない
  • 精神障害者保健福祉手帳 なし
  • 引きこもり傾向が強く、外出は通院など必要最低限なものに限られる
  • 独居だが、知人のサポートにより、なんとか日常生活が成立っている
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

ご家族がおらず、20年来、余儀なく一人暮らしをされている方よりご相談を受けました。

ご相談者様によると、3年ほど前、「約束を守ったり、友達と会話をしたり、買物を楽しむ」など普通に出来ていたことが急にできなくなったそうです。

しばらく症状が継続し、日常生活だけでなく、お仕事にも支障が出てきたため医療機関を受診しました。

病院では、気分障害と診断され、仕事も休職し、薬物療法、精神療法を受け治療に専念していました。

しかし、症状は改善せず、仕事も退職せざるを得ない状況となります。

収入が途絶えたため、障害年金の申請を考え社労士事務所に相談されましたが、「一人暮らし」をしている場合は認定が難しいと言われ申請を断念されました。

しかし、知人に教えて頂いた当事務所のホームページで、「一人暮らし」でも認定される可能性があることが分かり、お問い合わせ頂く事になりました。

 

申請結果

本事例では、「一人暮らし」が認定の鍵でした。

「一人暮らし」をしているという事で、家事や身の回りの事はできていると判断される可能性が大きいです。

その為、診断書においても判定が軽くなり、不支給に繋がる恐れがあります。<「一人暮らし」につきましては、ポイント①もご参照下さい。>

そこで、まず、ご相談者様に、「一人暮らし」をしている理由と、日常生活のサポートの有無を詳しくお尋ねしました。

すると、次のことが分かりました。

  • 元々、頼れる親族がおらず、中学卒業後から、一人暮らしをせざるを得ない状況であった。
  • 日常生活においては、近所の知人に頻繁に訪問してもらいサポートを受けることでなんとか成り立っている。

以上の点を、医師に説明し、診断書に正確に反映して頂ければ認定の可能性は有ると判断し手続に着手しました。

ご相談者様の場合、初診から現在まで、日常生活の状況に変化がなく、就労もできていません。

そこで、遡及請求を選択しました。
<請求方法につきましては、ポイント②をご覧下さい。>

遡及請求では、障害認定日と現在の診断書が必要です。

診断書の依頼の際は、詳細な資料を作り医師に橋渡しをしました。

完成した診断書には、独居であるが知人のサポートで日常生活が成り立っていると記載があり、相談者様の現状についても正確に反映されていました。

また、病歴就労状況等申立書にも、一人暮らしをしている理由、及び、同居人はいないが知人のきめ細やかなサポートにより、なんとか日常生活が成立っていることを記載しました。

すべての書類が整い、自信を持って申請することができました。

結果は、『障害厚生年金2級』に認定され、遡及も認められました。

 

【ポイント1】精神疾患で一人暮らしのケース

精神で障害年金を申請するにあたり、一人暮らしをしているという点はチェックポイントです。

というのは、一人暮らしができているという事実のみで、日常生活において「助言や指導が不要」=「(自分で)できる」と判断され、病状が重くても不利益な認定となるケースが増えているためです。

その場合は、一人暮らしをすることになった理由や周囲の援助、福祉サービスからの支援などをしっかりと伝えられるように作成していくことが大切です。

 

【ポイント2】「事後重症請求」と「遡及請求」

本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。

『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。

つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。

注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。

遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。

 

その他の精神の事例

 

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