【事例421】両特発性大腿骨頭壊死(人工関節)|障害厚生年金3級

両特発性大腿骨頭壊死(人工関節)|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 両特発性大腿骨頭壊死(人工関節)
性別 男性
支給額 年額 約65万円
遡及金額 約32万円
障害の状態
  • 病気が原因で就労できない。
  • 身体障害者手帳 無し
  • 両股関節に人工関節挿入
  • 屋外では常時、杖を利用している。
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、令和1年11月頃、突然、左鼠径部に激痛が走り、しばらく様子を見ていましたが症状は徐々に悪化し、歩行も困難になってきたため受診されることになったそうです。

病院で精査の結果、両大腿骨頭壊死診断され両股関節人工関節挿入術を受けることになります。

人工関節挿入後は痛みなども改善しましたが、屋外では杖を利用しており、就労を続けることに限界を感じて退職となりました。

今後の就労の見通しも立たず経済的な不安を抱えていらっしゃいましたが、病院で人工関節を挿入した場合は障害年金の対象になることを教えて頂き申請をお考えになりました。

ただ、思った以上に手続きが煩雑であり、とても自分では準備ができないと思い当事務所にご相談を頂く事になりました。

 

申請結果

ご相談者様からご依頼を頂いた時点では、初診日から1年6ヵ月経過していませんでした。

しかし、人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日を障害認定日とし障害年金を申請出来ます。<障害認定日につきましてはポイント①、障害認定日の特例につきましてはポイント②をご参照ください。>

そこで、初診の病院から「受診状況等証明書」(初診の証明)を取り寄せ、続けて、現在、受診されている病院に「診断書」を依頼し現在の障害の程度を記載して頂きました。

「診断書」以来の際は、ご相談者様の日常生活の動作や補助用具の使用状況等を主治医の先生にお伝えしました。

また、人工関節挿入置換術を受けた日を明記して頂く事もお願い致しました。

また、「診断書」には一定時点の情報しか記されていないため、「病歴・就労状況等証明書」に発症から現在までの具体的な状況を記載することで全体の流れが読めるようにしました。

すべての書類が不備なく揃い、スムーズに申請することができました。

結果は、想定通り『障害厚生年金3級』に認定されました。

また、本事例は永久認定となりました。

 

【ポイント1】 障害認定日とは

障害の程度の認定する日を『障害認定日』と言います。

障害認定日は原則として、初診日から1年6ヵ月後の日です。(※特例もあります)

障害認定日の状態が障害等級に当てはまると、障害年金が支給されます。

また障害認定日に等級に該当しない場合でも、今後症状が悪化して等級に当てはまるようになった時には請求することが可能です。

なお、何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていたときには認定日請求(遡及請求)という方法にて、最大5年間分の貰い忘れていた障害年金を受け取れる可能性があります。

 

【ポイント2】人工関節はいつから請求できる?

原則的には障害年金は初診日から1年6ヶ月経過後に障害年金が請求できる様になります。

しかし、人工関節は障害認定日の特例が認められています。

初診日から1年6ヶ月以内に手術を行った場合はその日以降であれば障害年金の請求が可能となります。

また、障害年金を貰えたのを知らずに長年来た場合であっても、この特例に該当する場合であればもらい忘れていた障害年金を最大5年分まで遡って受給出来る可能性があります。

 

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