目次
対象者の基本データ
病名 | 双極性障害(そうきょくせいしょうがい) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約131万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
最初に体調が崩れたきっかけは、高校を卒業する頃の両親の別居や、父の他界により悩むことが多くなったことでした。
その後も常に不安状態にありましたが、病気とは思わず通院はせずに、一人で抱えていたといいます。
会社勤めをしていた26歳頃より症状が悪化していきました。
他人のお金を自分の物であると勘違いをして使い込んでしまったり、仕事上のストレスから耐えきれないほどの不安な心理状態を感じるようになった為、A病院へ受診をされました。
そこでは、うつ病と診断され、抗うつ剤・睡眠導入剤による薬物療法とカウンセリングを行いました。
その後は病院を転々として、ご相談の時点ではF病院へ通われていました。
通院後も自殺念慮、過呼吸、動悸、不眠、感情の不安定、錯乱、早朝覚醒といった症状が更に強くなっていったそうです。
お仕事については早い時点から主治医から禁止と言われていました。
しかし、生活への不安などから医師に内緒で働いては体調が悪くなり退職。
また不安になって働いて、すぐに退職ということを繰り返されていました。
家に閉じこもった生活を送られていましたが、誤ってガラスに突っ込んでしまうというエピソードもあり、お母様からの助けのお陰で何とか生活ができている状況でした。
医師から、「障害年金の可能性があるから一度社労士に相談してみてはどうか?」と勧められ、当事務所へ相談に来られ、当事務所で申請のサポートをさせて頂いた結果、無事障害厚生年金3級が認定されました。
※初回の申請に関しましては『双極性障害|障害厚生年金3級(4回転院していた事例)』でご紹介しております。
その後、2回目の更新を行う際に、更新とはいえ障害年金が止まってしまうリスクを最小限にしたいという思いでご連絡を頂きました。
2回目の更新では障害厚生年金3級から2級への等級の改定が認められました。
※2回目の更新に関しましては『双極性障害|障害厚生年金2級(更新で3級から2級に認められた事例)』でご紹介しております。
今回3回目の更新を迎えるにあたり、就職して仕事をされている事から障害年金が停止となる可能性がありました。
しかし体調に波があり、長期間の就労が出来たことが無かった為、もし障害年金が止まってしまうと、それがきっかけで体調が悪くなるのではという不安を抱えられて、当事務所へ更新申請のサポートのご依頼をいただきました。
申請結果
精神による障害の場合、就労は審査に影響があるとされています。(ポイント①)
これまでにも就労を理由として等級が下がったり、年金が停止となったという相談が多く寄せられており、就労が審査に及ぼす影響は年々増していると感じています。
しかし、一言で就労といっても、元気いっぱいでフルタイム働けるのか、上司や周りからフォローを貰いながら何とか働いているのかでは大きな違いがあります。
そこで、更新の少し前から日常の様子に加えてお仕事の状況についてもヒアリングをさせて頂きました。
そこで見えた状況について、申立書にまとめて診断書と合わせて提出を行いました。
更新の手続きは、一番最初に障害年金をもらう手続き(裁定請求)に比べると必要な書類や手間が少ない分、楽と感じる方も多いと思います。
しかし、更新であっても手を抜かずに以下のようなポイントをしっかり抑えて手続きを行いました。
- 症状について先生に伝えられているか?
- 診断書だけでは見えない仕事の様子を審査に伝えられているか?
その結果、無事に障害厚生年金2級にて更新が認められました。
【ポイント1】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
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