【事例369】注意欠陥多動障害・パニック障害・軽度知的障害|障害基礎年金2級

注意欠陥多動障害・パニック障害・軽度知的障害|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 注意欠陥多動障害・パニック障害・軽度知的障害
性別 女性
支給額 年額 約131万円
障害の状態
  • 病気が原因で就労が出来ない。
  • 希死念慮がある。
  • 人ごみではパニック発作、過呼吸発作が起こるため外出が困難でひきこもり傾向が強い。
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

平成22年頃に、職場の人間関係や育児の事で悩む日が続き不眠になったそうです。やがて、過呼吸発作やパニック発作が起こり受診となります。

病院で不安障害と診断されました。薬物治療により病状は徐々に改善しましたが、妊娠され胎児への薬の影響も考え一時的に受診を中断されていましたが、1年後に過呼吸発作が頻繁に起こるようになり希死念慮まで出てきたため再び受診することになりました。

その後、症状が改善しないため転院されたところ、パニック障害を指摘されました。

現在も受診を継続されていますが、何事にも全く意欲がわかず、家事、育児も満足にできません。

電車やバスにも乗れなくなり外出も困難な状況です。

ご家族へ負担ばかりかけている事を心苦しく感じておられ、今の自分にできることはないかを市役所の福祉課の方にご相談されたところ、障害年金の申請を勧められました。

ただ、自分で申請の準備は無理と判断され、ネットで当事務所のホームページをご覧になりご相談のお電話を頂きました。

 

申請結果

ご相談者様は、障害認定日(初診日から1年6ヵ月経過した日)の頃は出産のため受診歴がなく、事後重症請求となります。(請求方法はポイント①をご参照ください。)

まず、初診の病院に「受診状況等証明書」を作成して頂き、続いて、現在の病院へ「診断書」を依頼しました。

ここで大きな問題が生じます。

当初、ご相談者様からは「うつ病」とお聞きしてました。

ところが、完成した「診断書」の傷病名は「パニック障害」になっていました。

「パニック障害」は神経症に分類され障害年金の対象外です。(神経症についてはポイント②をご参照ください。)

このままでは申請ができません。

しかし、ご相談を頂いた当初より、ご相談者様の症状には発達障害の特徴がみられました。

そこで、主治医の先生に発達障害の検査とIQの測定をお願いしました。

その結果、注意欠陥多動障害及び軽度知的障害と指摘され、「診断書」の傷病名に追記して頂き、時間は要しましたが無事に申請することができました。

審査の結果、『障害基礎年金2級』に認定されました。

 

【ポイント1】「事後重症請求」と「遡及請求」

本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。

『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。

つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。

注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。

遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。

 

【ポイント2】強迫性障害などの神経症

強迫性障害、PTSD、パニック障害などを神経症と呼びます。

これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。

但し、うつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。

 

その他の精神の事例

 

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