目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう)・不安障害 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約77万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
35歳の時にパートを始め、慣れない作業にストレスを抱えたことからパニック発作となったそうです。
以降、度々パニック状態となることから心療内科を受診『不安障害』と診断されました。
薬を服薬しながら就労、家事、育児を続けていましたが、発症から約10年後に急激に悪化したそうです。
幻覚や被害妄想などの症状が出現し家に閉じこもるようになり、パートも辞めてしまいました。
それから50歳となった現在まで、症状はほとんど変わらず寝たきりの状態が続いており、家事は家族が代わりにおこなっているとの事です。
少しでも症状が良くなればと他の病院に転院したところ、主治医より障害年金を受給出来る可能性があると教えて貰い請求を検討し始めました。
しかし自力では到底できず、また家族も仕事などで日中動けないことから、代わり申請をお願いしたいと当事務所にご連絡がありました。
申請結果
当事務所にご相談いただく前に、お住まいの近くの社労士事務所に相談されたとの事でしたが、傷病名を告げると「難しい」と断られてしまったとのお話でした。
断られた理由をお聞きすると、どうやら傷病名が問題であると推測出来ました。
ご相談者さまは当初のお電話にて『不安障害と診断されている」と仰っており、不安障害を含む神経症は原則として障害年金の対象外のため、申請しても不支給となる可能性があります(ポイント①)
しかしここで諦めるのは早いと思い、現在の症状をお伺いしたところ、希死念慮や自殺企画といった精神障害(うつ病)などの症状が見られました。
もしかすると他の精神障害を併発している可能性があると考え、主治医に他の傷病名が無いか確認して貰ったところ、不安障害に加えて『うつ病』を併発していると確認が取れ、申請にこぎつけることが出来ました。(ポイント②)
どうやら診察中にも伝えられていたそうですが、緊張などから耳に入っていなかったとの事です。
同様に、ご自身の症状や生活状況も上手く伝え切れていないとの事でしたので、緊張や不安が無いようにアンケートに記入して頂く形にて詳細な状況をヒアリング。
お聞きした情報をメモにまとめ、主治医にお渡しして診断書にも反映していただきました。(ポイント③)
ご相談者さまに合わせた形で、しっかり実態を反映した内容にて申請した結果『障害基礎年金2級』との認定を得ることができました。
【ポイント1】強迫性障害などの神経症
強迫性障害、PTSD、パニック障害などを神経症と呼びます。
これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。
ただし、うつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。
【ポイント2】神経症の他に精神障害を併発していないか確認を!
当初は不安障害や社会不安障害などの神経症と診断されていた方が、その後にうつ病や双極性障害といった精神障害へ変更されることがあります。
診察時にわざわざ病名の確認をするケースが少ないことから、病名が変更された後も、当初の病名のままだと思い込んでいるケースも少なくありません。
治療期間が長い場合や転院した場合などは、病名が変わっているケースが多いため『現在の病名』を確認することをおススメします。
【ポイント3】医師への説明
医師に、ご自身のつらい症状を上手に話せなかったり、努めて明るく振舞おうとしたりして、実際の状態を診断書に反映していただけない場合があります。
口頭での説明が難しい場合は、日常生活の状況についてのメモを持参するなどして、医師に伝えることも大切です。
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