目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約133万円 遡及金額 約765万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
Mさんは結婚してしばらく不妊に悩まれていたとのことです。
家族からは「焦らなくていいよ」と声掛けを貰うも、不安定さを抱えられていました。
産婦人科で相談したところ、専門外という事でメンタルクリニックを紹介されました。
メンタルクリニックへ通院開始後、1ケ月ほど経過した頃に妊娠がわかり、これで不安も解消されると考え通院を中断されたそうです。
その後、無事に出産を終えるも、その直後から不安定な症状が現れ、産婦人科の医師よりメンタル疾患の可能性を指摘されました。
その後、ご主人の転勤に伴い病院も転々としながら、途中で入院治療を行うも症状の改善が見られませんでした。
家事全般を家族の助けを必要とする生活から自分を責めてしまうことが多かったといいます。
次第に、「自分は役に立たないのに治療をするなんて出来ない」と治療を拒むようになったため、安心して治療に専念してほしいというご家族より当事務所へご相談にこられました。
申請結果
障害年金の手続きは初診日証明がとても重要です!(参考ポイント①)
これが出来なければ障害年金自体が不支給になる可能性があります。
また、初診日が証明出来ないと障害認定日が確定出来ない(参考ポイント②)事になり、当時の症状がどれだけ重症であっても、遡って障害年金を受給することは難しくなります。
Mさんの事例はまさに『初診日の証明が出来ないけれど、過去まで遡って請求する』という請求でした。
初診で通院したA産婦人科からは既に10年以上が経過しており、カルテなどの証拠が何も残っていませんでした。
またB病院への紹介も口頭での紹介だけだったため、何もありませんでした。
こういった場合は、お薬手帳・診察券・レシートなどのような些細な証拠もすべてをかき集めて審査員に「確かにそうだよね!」と納得していただくよう請求を組み立てていきます。
確かな証拠とは言えないものの、今回も母子手帳などの資料を用いて間接的に初診日を証明していきました。
これだけでは証明不足と考え、病歴就労状況等申立書には発症時の様子やこれまでの経緯、エピソードなどを分かりやすくまとめ、整合性のある一貫した主張をしていきました。
その結果、遡りも含めて障害基礎年金2級として認定を受けることが出来ました!
【ポイント1】初診日の証明
障害年金は初診日主義とも言われています。
つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。
カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。
そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!
【ポイント2】認定日請求(遡及請求)
何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていた場合には認定日請求(遡及請求)という方法があります。
認定日請求(遡及請求)とは、障害認定日(原則的には初診日から1年6ヶ月後)の状態が定められた症状に該当すると、貰い忘れていた障害年金を一括で受け取れる可能性があります。
なお、遡って受給ができるのは時効の関係上、最大で5年までと決められています。
【ポイント3】加算の条件「生計維持関係」とは
生計維持とは「生活(家計)が同じ」ということです。
障害年金を受けることができるようになったと時、要件を満たすことで『子の加算』や『配偶者の加算』が付くことがあります。
原則として同居していることが条件ですが、もし住民票の登録地が異なる場合でも、家計等が同じであることを証明できれば加算が付く可能性があります。
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