【事例1776】知的障害・自閉症｜障害基礎年金１級

対象者の基本データ

当事務所スタッフによる事例紹介動画

当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。

当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。

ご相談までの経緯

ご依頼者様は出生時に特に異常はありませんでしたが、生後間もなく呼吸状態が悪化し、ICUでの治療が必要となった経緯があります。

その後、2歳から3歳ごろに精神科で治療を開始し、後に「コフィン・シリス症候群」という難病を要因する知的・発達障害であることが診断されました。

この病気は感染症にかかりやすく、重篤化するリスクが高い為、健康管理が不可欠でしたが、ご本人様は障害の為に理解力等に乏しく、ご家族様は生後から現在まで常時のサポートに徹する状況が続いていました。

ご依頼者様をサポートするご家族様より20歳になる3ヶ月前にご相談をいただき、一緒に手続きを進めて行く事となりました。

申請結果

診断書では日常生活能力の判定と程度が最も重い評価となっており、常に家族の援助が必要な状況であることを反映していただくことができました。

精神の傷病の場合、日常生活能力の判定・程度より等級の目安がガイドラインとして示されており、今回の診断書の日常生活能力の判定・程度の場合、等級の目安は１級相当となります。

しかし、ガイドラインはあくまでも目安である為、必ずしも１級と認定されるわけではございません。

ガイドラインの目安の通り審査してもらうためには現在に至るまで長期に渡り、日常生活に常時の支援が必要な状態にあるのかを明確に示す必要があると考え、診断書の記載内容だけでは把握できない具体的な日常生活状況について、病歴就労状況等申立書にてご家族のサポートの様子が伝わるよう詳述しました。

結果として、有期認定（5年更新）として障害年金1級に認定されました。

1級の認定が得られたことは安心しましたが、ここまで長期に渡るご家族様のサポートの様子が見て取れる状況に有期認定であったことには疑念が残る結果となりました。

次回更新年月に関しては不服申立ての対象とはならない為、手続きとしては完結となりますが、今後更新の際には永久認定で認定される事を願うばかりです。

今回の申請を通して、知的障害や発達障害を持つ方の申請には、ご家族様からみた客観的な状態把握の重要性を改めて再認識しました。

状況を把握したうえで、その現状を的確に反映した申請書類を作成することが、適正な認定を得るための鍵となります。

今後もこうしたケースにしっかりと向き合い、最適な支援を提供していきたいと考えています。

【ポイント１】知的障害の障害認定日

知的障害の場合は出生日が初診日となります。

そのため、障害認定日は他の20歳前傷病と同様に「20歳の誕生日の前日」となります。

そして、認定日請求や遡及請求の際には、障害認定日前3ヵ月から障害認定日以降3ヵ月以内の診断書が必要になります。

なお、知的障害の場合、他の傷病と違い「受診状況等証明書」（初診日の証明）は不要です。

【ポイント２】日常生活の能力判定

精神で障害年金を申請する場合、裏面の日常生活能力の判定が大切になります。

この欄は適切な食事や身辺の清潔保持などの7項目を、出来るから出来ないまでの4段階で評価するというものです。

判断の注意ポイントとしては、一人暮らしを想定して、問題なくできるのかどうかで判断する事が大切になります。

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