【事例132】軽度精神遅滞・自閉性障害|障害基礎年金2級

軽度精神遅滞・自閉性障害|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 軽度精神遅滞・自閉性障害
性別 男性
支給額 年額 約78万円
遡及金額 約142万円
障害の状態
  • 希死念慮がある
  • 浪費癖があり、金銭管理ができない
  • 精神障害者保健福祉手帳 2級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

中学3年生の頃、突然、登校中に目眩や吐気をもよおし学校も休みがちになり、やがて、不登校になってしまわれました。

それまでは、勉強は苦手でしたが、友人も多く、運動部でも活躍されていました。

このようなお子様の変化を心配されたお母様に付き添われメンタル系の病院を受診されたそうです。

10年間ほど受診を続けられていますが、症状は改善せず、引きこもり傾向は続いています。

他人とのコミュニケーションも取れず、仕事も月に数回のアルバイトしかできません。

現状では、正社員として就労することは難しく、経済的な不安を強く感じておられました。

そんな時、病院の相談員の方に障害年金の制度を教えて頂き、申請を決められます。

ただし、とてもご自身では請求準備が出来ないと思われ、ネットで当事務所のホームページをご覧になり代行のご相談を頂きました。

 

申請結果

ご相談者様のお話で、20歳の頃と現在とでは、症状が変わらないとお聞きしましたので、遡及請求を考えました。

20歳前傷病ですので、まず、20歳の誕生日の前後3カ月以内の診断書を依頼しました。(知的障害の場合は、出生日が初診となり、受診状況等証明書は不要となります。)

続けて、現在受診されている病院に診断書を依頼し、現在の障害の程度を記入して頂きました。

どちらの診断書も依頼する際には、ご相談者様の日常生活の状況や就労の様子をまとめた資料を主治医の先生に予めお渡ししました。

特に、就労については、単純で反復的な仕事で1ヵ月に2、3回しか就労できない事、同僚と顔を合わせず仕事ができる環境を用意してもらうなど手厚い配慮を受けていることを詳細にお伝えしました。

2枚の診断書は、ご相談者様の日常生活の状況が正確に反映されたものとなっており、就労に関しても、「労働能力は乏しい」と記入されており、等級該当に自信をもって、申請出来ました。

結果は、『障害基礎年金2級』に認定され遡及も認められました。

 

【ポイント1】20歳より前に初診日がある場合の障害等級

初診日が10代の場合などは「20歳前傷病」となります。

20歳前傷病は、年金未加入のため障害等級「2級以上」に該当する必要があります。

3級はありませんのでご注意ください。

 

【ポイント2】知的障害の初診日

精神発達遅滞(知的障害)は、知的機能の障害がおおむね18歳までに現れることが多いとされています。

そのため、初診日が20歳未満であると推定されます。

よって、原則として初診日を証明する必要が無く、申請に必要な『受診状況等証明書』も不要です。

(※)軽度の知的障害の場合は、初診日の証明を必要とする場合があります。

 

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