目次
対象者の基本データ
病名 | 慢性疲労症候群 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
ある日、食後の強い疲労感、背部痛、ふらつきなどの症状が出てきたそうです。
当初は大したことが無いとお考えになり、通院中の病院で薬を処方されていました。
ただ、症状が徐々に悪化し、疲労感に加え強い頭痛で動けない日も出てきて、不安になり病院を転院されました。
病名が確定するまでに時間がかかりましたが、慢性疲労症候群と診断されました。
強い疲労感のため1日の中での活動時間も短くなり、お仕事にも影響が出てきて、やがて働けなくなり生活ができなくなるという不安を強くお持ちになるようになりました。
ネットで障害年金の制度をご覧になり請求を決められましたが、外出も困難になってきた現状では、自分での提出準備はとてもできないということで、当事務所に代行を依頼されることとなりました。
申請結果
まずは慢性疲労症候群の特徴として、発症から確定診断をされるまでに、病院を転々とするなど、時間がかかるケースがよくあります。
同時にその期間で様々な症状が出ます。
従いまして、どの時点を初診日と考え、「受診状況等証明書」を取るかが請求のポイントになると考えました。
難病では確定診断を受けた病院を初診とする傾向があります。
本事例では、慢性疲労症候群と関連性のある症状で病院を受診した日を初診日として「受診状況等証明書」を依頼しました。
また、診断書のご依頼の際は、ご相談者の日常生活の状況等ヒアリングして先生の参考資料を添付させて頂きました。
又、慢性疲労症候群の診断書には重症度分類(PS0~PS9の10段階)の記載が必要であることも医師に伝えました。
完成した診断書は、ご相談者の状態が正確に反映された、満足できるものでした。
結果は、障害厚生年金3級に認定となりました。
【ポイント1】慢性疲労症候群のPS値
慢性疲労症候群の疲労・倦怠の程度は、厚生労働省が発表したPS値で分類します。
『PS値』と『疲労・倦怠の程度』は以下のとおりです。
PS0:倦怠感がなく平常の生活ができ、制限を受けることなく行動できる。
PS1:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 倦怠感を感ずるときがしばしばある。
PS2:通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、 全身倦怠の為、しばしば休息が必要である。
PS3:全身倦怠の為、月に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
PS4:全身倦怠の為、週に数日は社会生活や労働ができず、 自宅にて休息が必要である。
PS5:通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、 週のうち数日は自宅にて休息が必要である。
PS6:調子のよい日は軽作業は可能であるが、 週のうち50%以上は自宅にて休息している。
PS7:身の回りのことはでき、介助も不要ではあるが、 通常の社会生活や軽作業は不可能である。
PS8:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、 日中の50%以上は就床している。
PS9:身の回りのことはできず、常に介助がいり、 終日就床を必要としている。
【ポイント2】難病の場合の初診日の決め方
難病の場合は発症から確定診断までかなり時間がかかり、その間様々な症状が現れます。
そこで、どの時点を初診日として、「受診状況等証明書」を取るかが大きなポイントになります。
考え方としては、次の3つの時点があると思えます。
①体調が悪く最初に受診した日
②初めて難病と関連のある症状が出てきて受診した日
③確定診断された病院を初めて受診した日
病気によっては、③が初診と認められることもあるようです。
この事例では、②を初診と考え請求しました。
ただし、①と②で迷うケースもあるかと思います。
そんな場合は、「受診状況等証明書」を2枚取り、検討することも大切です。
実際にこの事例でも、初診の確定が難しく、①の病院からも「受診状況等証明書」を取りました。
ただ、その内容から、慢性疲労症候群とは関連性が無いと判断できたので、②を初診するに至りました。
障害年金は初診日主義です。初診日については丁寧に考えていきましょう。
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