1型糖尿病では障害年金はもらえない

障害年金に関してよくある「1型糖尿病では障害年金はもらえませんか?」という質問にお答えします。

1型糖尿病で障害年金をもらえるのか

1型糖尿病の方は、要件を満たすことで障害年金を受給できる可能性があります

障害年金を受給するための要件

障害年金を受給する場合、障害の種類に関わらず以下の3つの要件を満たす必要があります。

初診日要件

障害または死亡の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日を「初診日」と言います。

障害年金を受給するためには、初診日に国民年金、厚生年金、共済年金といった公的年金に加入している必要があります。(初診日要件)

ただし「20歳未満の方」と「60歳以上65歳未満で日本国内に在住されている方」は、年金未加入の間に初診日がある場合であっても障害年金の受給対象となる場合があります。

保険料納付要件

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの期間で、国民年金の保険料を「納付した期間」と保険料が「免除されていた期間」をあわせた期間が3分の2以上ある必要があります。(保険料納付要件)

ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。

障害状態該当要件

障害の状態が、障害認定日に、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当している必要があります。(障害状態該当要件)

ただし、障害認定日に障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取ることができる場合があります。

1型糖尿病で受給できる障害年金の等級

1型糖尿病の方が障害年金を申請した場合、障害年金何級を受給できる可能性があるのでしょうか。

障害年金3級

1型糖尿病で、糖尿病の治療を行ってもなお 血糖コントロールが困難な症状の方は3級と認定される可能性があります。

症状、検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定される可能性があります。

参照:平成28年6月1日から「代謝疾患(糖尿病)による障害」の認定基準を一部改正します

血糖コントロールが 困難と判断される基準

90日以上継続してインスリン治療を行っているもの

②以下のいずれかに該当するもの

  • 空腹時または随時の血清Cペプチド値が0.3ng/ml未満を示す
  • 意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるもの
  • インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシスまたは高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あるもの

③日常生活の制限が一定程度のもの

例外的に2級

障害年金認定基準には糖尿病について3級にしか検査数値などの具体的記載はありません。

「なお、症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。」という記載はあるのですが、2級が認められることはほとんどありません。

しかし、以下のように訴訟で2級が認定されるケースもあります。

    1型糖尿病の申請でよくある問題

    1型糖尿病の方でも障害年金を申請するために問題が出るケースがあります。

    どのようなケースがあるのかをみてみましょう。

    初診日が証明できないケース

    糖尿病の特徴は、10年~20年と長い期間をかけてゆっくりと進行し、最終的に慢性腎不全に至る事が多いということです。

    障害年金を請求するためには、初診日を特定することが重要です。

    しかし、糖尿病が悪化して障害年金の申請を試みた時には既に病院が無くなていたり、カルテが破棄されているという理由で、本来なら受給出来た障害年金を諦めていたというケースも珍しくありません。

    当事務所にご依頼頂いた方でも、初診が25年以上前でカルテが廃棄されていたため、初診日の証明が出来なかったという方はたくさんいらっしゃいます。

    初診日の証明は「受診状況等証明書」という様式を用いて行います。

    この受診状況等証明書は必ずカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できない場合は「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」という書類を提出します。

    この「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

    【事例598】1型糖尿病|障害厚生年金3級(初診日が証明できなかった事例) - 全国障害年金サポートセンター

    対象者の基本データ 病名 1型糖尿病 性別 女性 支給額 年額 約59万円 障害の状態 90日以上継続して必要なインスリン治療を行っている 頻繁に低血糖となるため、横にな…

    Cペプチド値

    糖尿病では、認定の目安としてCペプチド値が最もわかりやすい目安です。

    ただし、Cペプチド値を測定していなくても、意識障害により自己回復できない重症低血糖の所見が月1回以上ある場合やインスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上あれば3級認定の可能性が高くなります。(ただし、診断書の一般状態区分表がアに該当しないこと)

    当社の事例でも認定日の頃にCペプチド値を測定していなかった方で、遡及請求が認められた事例があります。

    Cペプチド値が0.3ng/mLを超えていたことで等級に該当せず不支給となってしまった場合でも、その後、Cペプチド値が0.3ng/mL未満となったことで、再度申請をして障害厚生年金3級が認められた事例もあります。

    結論

    1型糖尿病で、糖尿病の治療を行ってもなお 血糖コントロールが困難な症状の方は、3級と認定される可能性があります。

    糖尿病での障害年金申請事例」では、当事務所でサポートさせて頂いた事例をご紹介していますので、是非ご参照ください。

    1型糖尿病を患っている方で障害年金の申請に関して何か気になる点などございましたら、お気軽にご相談ください。

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