知的障害で障害年金をさかのぼって請求(遡及請求)はできますか?

回答:はい、知的障害の場合でも条件を満たせば障害年金の遡及請求は可能です。

障害年金とは、障害のある方に国の年金制度から支給される給付で、知的障害も対象に含まれます。

知的障害のうち、先天性(生来性)の知的障害(精神遅滞)と整理される場合は、原則として出生日が初診日として取り扱われます。

そのため加入実績に関係なく国民年金の障害基礎年金を請求でき、親御さんがお子さんのために保険料を納めていなくても大丈夫です。

この場合の障害認定日(障害状態を正式に認定する日)は20歳の誕生日の前日となり、その日以降であればいつでも障害年金の申請が可能です。(※ただし、頭部外傷や高熱など後天的な原因で知的障害となった場合は、原因となった傷病の初診日が初診日となるなど、取り扱いが異なるため注意が必要です。)

障害基礎年金では障害等級1級または2級に該当することが支給の条件であり、軽度の障害(等級に該当しない場合)では知的障害があっても残念ながら障害年金は受給できません。

知的障害の等級認定は、知能指数(IQ)のみで決まるものではなく、日常生活のさまざまな場面でどの程度の援助が必要か等を踏まえて総合的に判断されます。

そのため、日常生活で身辺の処理にも援助が必要な場合などは2級相当となる可能性がありますが、最終的には診断書や日常生活状況等の資料に基づいて審査されます。

遡及請求とは何か?

遡及請求とは、障害年金の支給開始時期を本来もらえるはずだった時点までさかのぼって請求することです。

障害年金は、本来、障害認定日の翌月分から支給されます(20歳前に障害が発生した場合は20歳到達の翌月から)。

請求書(申請書)は障害認定日以降であれば提出できますが、遡及して受け取れる年金は、原則として時効により過去5年分が上限です。

つまり、障害認定日から5年以上経ってから請求した場合でも、直近5年分の年金を遡及して受け取ることは可能ですが、それより前の期間分は失効して受け取ることができない決まりです。

知的障害のお子さんの場合、20歳で受給資格が発生してから数年経っていても、最大5年分までならまとめて遡及分を受け取れる可能性があります。

以下に、請求するタイミングによる受給開始時期の例を示します。

請求時期の例受け取れる障害年金の期間(例)
20歳になった直後に請求した場合遡及分なし。20歳到達の翌月分から通常どおり支給開始。
25歳で請求(5年遅れ)した場合20歳~25歳の5年分を遡及受給(5年分を一括で受け取る)
30歳で請求(10年遅れ)した場合25歳~30歳の5年分を遡及受給(20歳~25歳の最初の5年分は時効で受け取れない)

上記のように、請求が遅れても直近5年までの年金はまとめて受け取ることができます。

しかし、5年を超えて前の分は請求できません

そのため、お子さんの障害年金をまだ受給していない場合は、できるだけ早めに請求の手続きを行うことが望ましいでしょう。

知的障害で遡及請求するための条件

知的障害のお子さんに障害年金を遡及して受給させるには、20歳時点で障害年金の受給要件を満たしていたことを証明する必要があります。

具体的には、20歳の誕生日の前日(障害認定日)においてお子さんが障害等級1級または2級に該当していたことを、医師の診断書によって証明することが条件となります。

遡及請求(障害認定日による請求)を行うには、「障害認定日(20歳時)前後3か月以内」の日時における状態を記載した医師の診断書が必要です。(※障害認定日(20歳時)と年金請求日が1年以上離れている場合は、障害認定日頃の診断書に加えて、請求日前3か月以内の現症の診断書も併せて必要になります。)

この診断書により20歳当時から障害状態が基準を満たしていたと認められれば、20歳到達時にさかのぼって年金支給が認定されます。

支給開始は障害認定日の翌月分からとなり、過去にさかのぼれるのは上記のとおり最大5年分までです。

一方、20歳当時に医療機関を受診しておらず、その時点の診断書が用意できない場合は、残念ながら障害認定日にさかのぼった請求(遡及請求)は難しくなります。

その場合は、現在の状態についての診断書を準備し、事後重症による請求(初めて請求する時点以降の年金を受ける方法)を行うことになります。

事後重症請求では、現在の障害状態を示す診断書(申請前3か月以内のもの)を提出し、請求した月の翌月分から障害年金の支給が開始されます。

この方法では過去の未受給期間についての年金は支給されず、今後の分のみ受け取る形になります。

知的障害で障害年金を受給する際、多くの方が20歳時に診断書を取得していないケースがあります。

しかし知的障害は先天性の障害であり、20歳時点でも現在と同程度の障害状態にあった可能性が高いため、医師にお願いして当時の状況について診断書を書いてもらえる場合もあります。

実際には当時のカルテや記録がないと医師も証明が難しいため、遡及請求が認められるかどうかは個別の状況によります。

以下に、障害認定日請求(遡及請求)と事後重症請求の違いをまとめました。

請求の種類障害認定日による請求(遡及請求)事後重症による請求
対象となるケース20歳時点で障害等級1~2級に該当し、その状態を証明できる場合20歳時点で障害等級に該当しなかった、または当時の状態を証明できない場合
提出する診断書障害認定日(20歳時)の状態を記載した診断書請求時点の現在の状態を記載した診断書
年金の支給開始時期障害認定日の翌月から(遡及分として過去最大5年分を一括受給)請求した翌月から(遡及受給はなし)

上記のように、20歳時の証拠が用意できれば遡及請求によって過去分をまとめて受け取れますが、証拠がなければ事後重症請求で将来分のみの受給となります。

知的障害は症状が大きく改善することが少ない障害ですので、できれば20歳を迎える頃に医師の診察を受けて診断書を準備しておくことが理想的です。

しかし、既に20歳を過ぎている場合でも諦めずに、まずは現在の状態で請求を行い、可能であれば当時の状況について医師に相談してみるとよいでしょう。

請求手続きのポイントと注意点

障害年金の申請には必ず医師の診断書が必要であり、福祉サービスで交付されている療育手帳(知的障害者手帳)では代用できません。

療育手帳は障害者福祉制度における支援のための証明ですが、障害年金の審査では医師が作成する診断書によって障害の程度を証明する必要があります。

したがって、お子さんが現在医療機関にかかっていない場合でも、申請を検討する段階で一度専門の医師(精神科医や小児神経科医など)に受診し、診断書の作成を依頼する必要があります。

知的障害で医療機関に通院していない場合は、診断書を依頼する前に何度か通院し、医師に普段の様子や困りごとを知ってもらってから書いてもらうことがおすすめです。

診断書には知的障害による知的機能の状態だけでなく、日常生活でどのような支障があるか、家族の援助状況なども詳しく記載してもらうことが重要です。

普段の生活上の困難さや介助の状況はご家族が一番把握されていますので、日常生活での困りごとや周囲のサポート内容を医師にしっかり伝え、診断書に正しく反映してもらうことが大切です

障害年金の審査では、この診断書の記載内容が等級認定の判断材料となります。

また、知的障害の場合は先述のとおり初診日が出生時と取り扱われるため、通常提出が求められる受診状況等証明書(初診日証明書)は不要となります。

必要書類としては診断書のほか、年金請求書、病歴・就労状況等申立書、ご本人の戸籍抄本などがあります。

詳細は日本年金機構の窓口や公式サイトで案内されていますので、事前によく確認しましょう。

障害基礎年金の請求書の提出先は、原則として住所地の市区町村役場の窓口です。

ただし、初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合など、状況によっては年金事務所(または街角の年金相談センター)が提出先となることがあります。

不明点がある場合は年金事務所で相談できるほか、障害年金の専門知識をもつ社会保険労務士等に依頼することもできます。

まとめ

知的障害のお子さんでも、20歳を迎えていれば障害年金の請求が可能であり、条件を満たせば過去にさかのぼって年金を受け取ることもできます

ただし、遡及できるのは法律上直近5年分までであり、それより古い分は受け取れません。

遡及請求を成功させるには、20歳時点の診断書という確かな証拠を用意する必要があります。20歳当時に診断書が用意できなかった場合でも、諦めずに現在の診断書で請求を行えば、請求した時点から将来の年金を受け取ることが可能です。

障害年金の受給によって、お子さんの将来の生活費や療育費の一助にできる場合がありますので、受給資格があるのであれば早めに手続きを進めることをおすすめします。

「もらえるはずの年金を受け取れないままになっていた」ということがないよう、本記事の情報を参考にご家族でぜひ一度障害年金の請求をご検討ください。

困ったときは年金事務所や専門家へ相談しながら進めれば安心です。

お子さんとご家族の経済的な負担を軽減し、将来への備えとして障害年金制度をぜひ活用してください。

知的障害の障害年金申請に関するよくある質問

傷病
知的障害での障害年金申請で「病院探し」が重要な理由は?
知的障害での障害年金申請で「病院探し」が重要な理由は?
傷病
知的障害の診断書を作成してくれる病院を見つける方法は?
知的障害の診断書を作成してくれる病院を見つける方法は?

知的障害の障害年金申請に関する説明ページと動画

知的障害の障害年金申請に関しましては、以下のページと動画でも説明していますので、是非ご覧ください。

2026年2月1日時点で当社宛にお送り頂いた依頼者様からのご感想が645件あります。

その中から、わくわく社会保険労務士法人を選んで頂いた理由として書いて頂いたものの一部をご紹介します。

【理由1】対応が良かった

N.Y 様

一度地元の社労士さんに相談したのですが、「厚生年金は初診証明ができないととても難しい!」との返事で、私も半分、諦めていました。
ですが、YouTubeでよく見ていたわくわくさんに一度相談してみようと思い立ち、電話をさせて頂きました。
受けてくれた方が、とても前向きなご意見で、私も勇気をもらい、こちらにお願いすることに決めました。
N.Y 様からのご感想

Y.S 様

神経質な部分があり、ささいな事でも気になってしまうのですが、この程度のことをわざわざ聞かない方が良いかな…と思いがちなのですが、貴社は聞いても親切に答えてくださり、本当に何でも聞いて大丈夫だなと安心感しかないです。
優しい文章で送ってくださるので、良い人達だな〜と思っています ^_^
Y.S 様からのご感想





【理由2】遠隔でも安心してお願いできた

O.C 様

遠方でも、郵送とLINEでやりとりできると実感して決めました 。
遠方なので、直接お会いしての相談ではなかったけど、TELとLINEと郵送で、安心して進めることができました。
不安な事、わからない事など、TELやLINEで問い合わせると、いつも迅速な対応、解答で、素晴らしかったです。
O.C 様からのご感想

S.T様

遠方からの依頼だったため、お互いに顔が見えない状態でしたので不安もありましたが、担当者様のLINEでの対応がよかったため安心して進められました。
不明な点等の問い合わせや進捗状況についても、レスポンス良くご回答いただけました。
S.T様からのご感想

【理由3】事務所に行かずにLINE、電話、メールだけで完結する

O.S様

対面や電話が苦手なのもあり、LINEと郵送でやり取りできるところがとても良く、自分には合っていると思いました。
LINEで翌日にはご連絡を頂けたので、とてもスムーズに安心してやり取りができました。
O.S様からのご感想

S.M 様

全てLINEでのやり取りで良いということで、わくわくさんにお願いしました。
対面でのやり取りや、社労士事務所に行く事が、体調的にも難しいので、すごくありがたかったです。
受給できるのか、結果が出るまでの間不安もあったのですが、分からない事など、全てLINEで丁寧に答えて頂いて、心強かったです。
S.M 様からのご感想

【理由4】他の事務所では断られたけれど受けてくれた

N.H様

初めは、地元の社労士さんに依頼しようとしたが、現状フルタイムで働いているということで、ことごとく断られていた。
困り果てていたときに、こちらの事務所にたどり着き、可能性はあるのでやってみましょうと受けて下さった。
N.H様からのご感想

S.Y 様

1度落ちたため、他の事務所では断られ、こちらの社労士さんにたどり着きました。
他の社労士さんは話を聞くだけで無理と断られ続けてましたが、こちらの社労士さんに相談して、通る可能性はあると言って頂けて安心しました。
S.Y 様からのご感想

【理由5】書類がわかりやすい

匿名 様

申請の状況などをLINEで聞けたり、送られてきた記入しないといけない書類に関しても質問を気軽にすぐできたり、付箋で分かりやすく書いてあったりと、丁寧な所が良かったです。
匿名様からのご感想

O.M様

必要書類も丁寧に詳しい説明(付箋などで)がしてあり、難しいのはなかったです。
また、書く場所など分からない時も優しく教えて頂き、申請までほとんどおんぶにだっこで、私は楽をして待っているだけでした!
O.M様からのご感想

【理由6】すべて任せられる

匿名 様

他の社労士さんにも数件問い合わせたが、難しい質問の繰り返しばかりで、診断書は本人がもらう必要があったので、フルサポートで対応してもらえる事が決め手です。
匿名様からのご感想

H.C 様

近くの社労事務所へ相談に行きましたが、自分の場合は難しいと。
「病院にカルテが残っていないか」「自分で調べて」とか「通学していた学校に資料が残っていないか調べてみなさい」と。
全部自分でやらされた挙句、「今は忙しいから無理」と「私のケースは難しいので、受理される自信がない」とか「ご自身で申請されたら?」と断られてしまいました。
(わくわく社労士事務所は)全部お任せで申請する事ができました。
前の社労士さんには、いろいろ働かされたので、本当に何もしなくていい事に驚きでした。
不安なことはありませんでした。
H.C 様からのご感想

【理由7】口コミが良かった

H.Y様

ネットでいろいろな社労士事務所さんを調べていた中で、わくわく社会保険労務士法人さんのクチコミを見たのが決め手でした。
自分と同じような悩みから救われたというクチコミがたくさんあり、実際利用した人達の声にいちばん説得力があったからです。
H.Y様からのご感想

K.Y 様

ホームページを見て口コミの内容でお願いしてみようと思いました。
良い口コミばかりでなく低評価のものもあったのですが、その対応の内容が心打たれるものがあり、信念を持ってられるのだと思い決めさせて頂きました。
K.Y 様からのご感想

障害年金に関するお問い合わせ
障害年金に関するお問い合わせ
電話で問い合わせ
LINEで無料相談