うつ病で障害年金を申請される場合の注意点などは『【社労士が解説】うつ病で障害年金を申請するポイント』でも詳しくご説明していますので、是非ご参照ください。
目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約100万円 遡及金額 約539万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
10年程前に再婚し、二世帯住宅に住み始め、義両親からの干渉があり、次第に精神的に不安定となっていた。
無気力感、希死念慮、易怒性、不眠などの症状を認めるようになり、A病院を受診しました。
「うつ病」と診断され、薬物療法、精神療法による治療を継続していましたが、症状は不安定で薬の量が増える一方でした。
家族からは薬の量が異常ではないかと心配され、B病院へ転医しましたが、症状は悪化。
再びA病院へ戻り、現在も治療を続けています。
就労はとても出来る状態ではなく、通院の為の外出さえも辛く、家族の付き添いがなければ通院治療を継続することも困難です。
家族への負担を考えると自責的な思考に陥り、不安、焦燥感が強まり、一層落ち込みが酷くなる悪循環でした。
役所へ行った際に障害年金制度を知り、ネットで見つけた弊社にご相談をいただきました。
申請結果
今回のご相談者様の通院歴はA病院→B病院→A病院と、初診日時点と現在通院している医療機関が同じであったため、初診日の証明となる受診状況等証明書を取得する必要はなく、診断書の作成依頼より進めました。(ポイント①)
初診以降、現在至るまで徐々に症状が悪化していたことから、遡及請求を行う為、初診日から1年6月経過した日(障害認定日)時点の診断書1通と現在時点の診断書1通の計2通の診断書の作成依頼をします。
各診断書の作成依頼に当たって、発育・養育歴、教育歴、職歴、障害認定日時点及び現在時点の就労・日常生活状況等をご本人様より事前にヒアリングした内容を基に診断書作成時の参考資料としてまとめ主治医の先生に橋渡しを行いました。(ポイント②)
完成した診断書には初診から現在に至るまでの治療経過、病状、具体的な日常生活状況等、ご本人様の実際の状況が的確に反映されていました。
そのため、病歴就労状況等申立書は簡潔にまとめて申請しました。
結果、「障害基礎年金2級」として遡及請求も認められ、過去5年間分受給出来ていなかった年金も遡って支給されることとなりました。(ポイント③)
【ポイント1】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
以下の動画でも「医証の枚数」のご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。
【ポイント3】認定日請求で過去の分を受給
何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていた場合には認定日請求(遡及請求)という方法があります。
認定日請求(遡及請求)とは、障害認定日(原則的には初診日から1年6ヶ月後)の状態が定められた症状に該当すると、貰い忘れていた障害年金を一括で受け取れる可能性があります。
なお、遡って受給ができるのは時効の関係上、最大で5年までと決められています。
認定日請求(遡及請求)の事例は以下のページでご紹介していますので、ご参照下さい。
以下の動画でも遡及請求のポイントをご説明していますので是非ご覧ください。
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