【事例894】左変形性股関節症(人工関節)|障害厚生年金3級

変形性膝関節症(人工関節)|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 左変形性股関節症(人工関節)
性別 女性
支給額 年額 約58万円
障害の状態
  • 左股関節に人工関節装着
  • 就労は軽作業のみ可能
  • 30分以上の歩行は困難
  • 身体障害者手帳なし
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、出産後に左股関節に痛みを感じるようになり受診されます。

検査で左変形性股関節症と診断され、痛み止めを処方され、経過観察となります。

しかし、徐々に症状が悪化し、30分程度の歩行さえできなくなります。

医師からは、治療としては人工関節しかないと言われ、人工関節置換術を受ける決心をしました。

手術後に就労が続けられるか経済的な不安をお持ちでしたが、ネットで人工関節を装着すると障害年金をもらえるということがわかり、申請を検討されます。

ただ、手術後に年金事務所や医療機関に何度も足を運ぶことが難しいと思い、電話やメール、LINEだけで手続きを進めることが可能な弊社にお問い合わせを頂きました。

 

申請結果

ご相談者様は初診日が15年ほど前ですので、まず、今までの受診歴や治療経過について丁寧にヒアリングさせて頂きました。

手続きにあたっては、遡及請求の可能性についての検討から始めました。(ポイント①)

遡及請求は、初診日から1年6ヵ月経過した日の障害の程度で審査されます。

その当時は痛みが出たときに不定期に通院し、薬の処方を受けておられました。

痛みも薬の服薬ですぐに解消し、日常生活も支障なく過ごしておられたことがわかり、等級に該当することは難しいことをご相談者様にお伝えし、事後重症請求で申請することになりました。

本事例は、人工関節装着ということで、原則、3級に認定されます。(ポイント②)

また、事後重症請求では申請の翌月から年金が支給されるために、人工関節装着後1日でも早く申請することがポイントになります。

ご契約後は、手続きもスピードを意識し、手術前には初診日の証明を取得し、病歴就労状況等証明書の作成やその他の必要書類も全て整備しました。

診断書も、手術日のカルテに基づいて速やかに書いて頂くよう事前にお願いしておきました。

手術後は、速やかに診断書も取得でき、事務所内で申請書類をチェックし申請しました。

結果は、1カ月ほどのスピード審査で、「障害厚生年金3級」に認定されました。

事後重症請求では、申請日の翌月から障害年金が支給されます。

従いまして、申請が遅れればその分、支給される年金が減ってしまいます。
本事例のように、1日でも早く申請されることをお勧めします。

 

【ポイント1】「事後重症請求」と「遡及請求」

本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。

『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。

つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。

注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。

遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。

以下の動画でものポイントをご説明していますので是非ご覧ください。

 

【ポイント2】人工関節は原則3級

人工関節は「原則3級」と決められています。

ただし、症状によって上位等級(2級以上)に認定される可能性もあります。

また3級に該当するためには初診日に厚生年金や共済年金に加入していることが条件となります。

つまり、初診日が国民年金・20歳未満・第3号といった障害基礎年金が対象の場合は人工関節の手術のみでは障害年金の受給は出来ないというものになります。

 

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