【事例836】双極性感情障害|障害厚生年金2級(治療中に傷病名が変更された事例)

双極性障害厚生年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性感情障害
性別 女性
支給額 年額 約142万円
障害の状態
  • 食欲もなく、1日1食程度しか食べられない
  • 発病後、体重も著減
  • 家族、特定の知人以外の他者との交流は出来ない
  • 傷病が原因で退職に至り、現在も就労は出来ない状態
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

2年程前より家庭内でのトラブルがあり、仕事も多忙で疲弊していました。

不眠や頭痛、意欲低下、不安等が増悪し、A病院へ受診されました。

当初はうつ病として治療を受けていましたが経過の中で活動性が亢進する躁状態の時期も認めたことから双極性感情障害に傷病名が変更されました。

現在も月1回程度通院を継続していますが、症状改善は乏しく、仕事は退職。

食事の用意を始め、家事の大半は近所に住む母や知人に毎日訪問してもらいサポートを受けています。

就労出来る状態ではなく、日常生活にもサポートが必要な状態で将来への不安を抱えていました。

通院中の病院で障害年金の申請を勧めらると同時に、当事務所に一度相談してみたらと勧められたこともあり、ご連絡をいただきました。

 

申請結果

今回のご相談者様は初診から現在に至るまでA病院へ通院をされていました。

治療中に傷病名に変化はありましたが、障害年金上の初診日は申請傷病である双極性感情障害と診断された日ではなく、「初めてA病院を受診した日」となります。(ポイント①)

手続きとしては、初診から現在まで同じ病院に通院されている場合、障害年金の所定の診断書様式には傷病の初診日記載欄があるため、初診日の証明となる受診状況等証明書の取得は省略することができ、診断書の手配から進めます。

A病院の初診日から1年6か月経過した日である障害認定日時点から請求する現在時点においてまだ1年以上経過していなかったため、請求方法は障害認定日による(本来)請求とし、必要となる障害認定日から3ヶ月以内時点の障害状態のわかる診断書の取得を行いました。(ポイント②)

診断書の取得に際しては、診断書の記載事項に沿ってご本人様より事前にヒアリングした内容を参考資料としてまとめ、主治医の先生に橋渡しを行いました。(ポイント③)

書類を整え、申請した結果「障害厚生年金2級」として障害認定日の翌月分から年金が支給されることとなりました。

 

【ポイント1】精神疾患で治療中に病名が変わった場合

障害認定基準の47Pに精神疾患の特徴を以下のように記載されています。

「精神の障害は、多種であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様である。

したがって、認定に当たっては具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断するとともに、その原因及び経過を考慮する。」

このことから、精神疾患の枠内で治療を行ってきた場合、途中でうつ病、パニック障害などのように病名が変わった時も一つの繋がった病気と考え、最初に病院を受けた日を初診として手続きを行います。

 

【ポイント2】障害認定日から1年以内の請求方法

障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。

診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。

認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。

なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。

  • 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
  • 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚

以下の動画でも「申請方法に応じた診断書の枚数」についてご説明していますので是非ご覧ください。

 

【ポイント3】診断書(精神の障害用)

精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。

診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。

診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。

伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。

以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。

 

その他の精神の事例

 

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