目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
---|---|
性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
職場の対人トラブルから全身倦怠感や動悸、呼吸困難、腹痛、嘔気、痙攣等の身体症状が出現するようになったそうです。
徐々に気分が落ち込み、食欲不振、意欲低下などの症状が出現したため、精神科を受診したところ「うつ病」と診断され、仕事はドクターストップにより、間もなく休職となりました。
薬物療法・精神療法による治療を継続されていますが、抑うつ症状は一進一退の状態で勤めていた職場は退職となり、現在は傷病に配慮された職場で週に数日のアルバイトに出ています。
負担の少ない業務を担当するも、対人関係のストレスや抑うつ症状の悪化があると何日も絶食が続いたり、安定した食事、栄養の確保が困難で、また希死念慮が強く家庭内でも見守りが必要な状態です。
半年程前に職場での対人トラブルに巻き込まれ、症状が著しく悪化。
職場の配慮の下で何とか就労を継続していますが安定した就労は困難なため、貯金を切り崩して生活をしており、将来への不安が大きい中で知人から障害年金の申請を勧められました。
しかし就労をしているため障害年金の受給は難しいのではないかと不安を抱えていました。
そんな中でLINE@より当事務所にご相談いただきました。
申請結果
現在の状況をヒアリングさせていただき、就労をされているものの、就労によって日常生活への支障が非常に大きい状況でしたので、主治医の先生にもご相談の上、ぜひ申請チャレンジされるようにお勧めいたしました。
後日、サポート希望のご連絡をいただき、当事務所で申請を進めさせていただくこととなりました。
ご相談者様の場合、初診から現在まで同じ病院で通院を継続されていましたので受診状況等証明書は省略でき、診断書のみで申請出来るケースとなります。(ポイント①)
事前にヒアリングした診断書作成に必要となる情報を参考資料としてまとめて主治医の先生に橋渡し、診断書の作成依頼を行いました。
完成した診断書には具体的な日常生活状況また就労による日常生活への影響について詳述されていたため、病歴就労状況等申立書では現在の日常生活状況についてはあまり詳細に記載せず、病歴の背景や経過についてしっかりと記載するようにしました。(ポイント②)
申請の結果、「障害厚生年金3級」として認定されました。
就労をされているため、障害年金の受給は難しいとご相談いただいた際に懸念されていましたが、就労状況を適切に申請書類に反映することで今回のケースのように受給できる可能性もあります。(ポイント③)
就労=不支給と諦めることなく、一度ご相談いただければ幸いです。
【ポイント1】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
以下の動画でも「医証の枚数」のご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】病歴就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。
【ポイント3】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
その他の精神の事例
精神の障害の新着事例
よく読まれる精神の障害の事例