【事例768】双極性障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

双極性障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 双極性障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 頼れる身内がおらず、一人暮らしをしている
  • 他者との交流が困難で社会的支援も受けられず、日常生活は破綻している
  • 引き籠り傾向が強く、就労できない
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は幼少期からコミュニケーション能力が低く、自分から友人を作れず、学生時代はクラスでも孤立していたそうです。

家庭では、母親からのDVも受けていました。

高校を中退し就職しますが、職場での人間関係が構築できず、短期間での転職を繰り返していたそうです。

その後、結婚し出産されますが、夫との関係もうまくいかず離婚となります。

離婚後は、お子様の養育などの悩みを誰にも相談できず、イライラ感が強まり、お子様に暴力をふるうようになります。

その後も子供への愛情がわかず、暴力も続き自分で自分が怖くなり、精神科を受診されました。

薬物療法、精神療法を受けるも症状は改善せず、今では就労することもできません。

将来のことを考えると不安になり希死念慮も強まります。

そんな時、主治医の先生から障害年金を勧められ、すぐに年金事務所で申請書類を取り寄せ、初診の病院で「受診状況等証明書」を取得します。

しかし、その後の手続きはとても自分ではできないと思い、弊社にご相談を頂くことになりました。

 

申請結果

ご相談者様は、頼れる身内がおらず「一人暮らし」を続けておられます。(ポイント①)

また、対人交流が困難なため、知人やヘルパーに家事や身の回りのことの介助・支援を受けることもできません。

ただ、現状について詳細にお尋ねすると、日常生活は破綻している状況で、食事も毎月1回の買物でまとめ買いしたインスタント食品ですませていることなどがわかりました。

ご相談者様のように、一人暮らしで誰からもサポートを受けていない場合は、「日常生活は自立している」とみなされてしまい、障害年金の審査において不利になる可能性があります。

そこで、診断書を依頼する際には、次の3点を医師に伝えました。(ポイント②)

①一人暮らしをしている理由
②知人やヘルパーに助けを求められない理由
③日常生活が破綻している状況

完成した診断書には、3点について的確に記載がされていました。

最後に病歴就労状況等申立書に日常生活の状況を具体的に記載し申請しました。(ポイント③)

結果は、2ヵ月足らずのスピード審査で、『障害基礎年金2級』に認定されました。

 

【ポイント1】『単身』で生活している場合(精神の障害)

精神の障害では、生活での支障が審査に大きく影響します。

認定される方の多くは、生活に大きな支障があるため周囲の支援や援助が必要な事が多く、単身で生活することが困難なケースが殆どとされています。

このような経緯から、一人暮らしをしている場合『自立した生活を送れている』と評価される可能性があります。

しかし単身生活であっても、家族等以外(ヘルパー等)の生活支援がある場合、支援がなくて日常生活が成り立っていない状況の場合は申請内容に反映することで認定の確立を上げることができます。

 

【ポイント2】医師は診断書を書くプロではない

医師は病気の治療に関するプロであって、診断書を記載するプロという訳ではありません。

とくに障害年金の診断書は、障がい者手帳等と異なり特別な訓練などもありません。

そこで大切になるのが「障害年金上の評価方法」をしっかりお伝えすることです。

 

【ポイント3】病歴就労状況等申立書

医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。

これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)

また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。

 

その他の精神の事例

 

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