目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約122万円 遡及金額 約312万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
8年ほど前に、仕事上のストレスから、抑うつ症状、不安・焦燥感が現れ、メンタルクリニックを受診されました。
うつ病と診断され、抗うつ薬を処方されます。
しかし、症状が改善せず、週に2~3日しか出勤できなくなります。
会社の配慮のもと何とか仕事を継続していましたが、症状悪化により休職に追い込まれます。
日常生活も、妻の介助・支援を受けていましたが、現在は離婚して一人暮らしをしています。
ただ、とても一人では家事や身の回りのこともできず、週に数回、母親に訪問してもらいサポートを受けています。
仕事に復帰できるかどうかも分からず、経済的に年老いた母親に頼ることもできず、将来への不安をお持ちでした。
そんな時、弊社のYouTubeをご覧になり、申請のご相談を頂くことになりました。
申請結果
本事例では、発症から現在までの病歴、就労状況、日常生活の状況から考えて遡及請求での申請となりました。
まず、医証取得のために、通院歴をお尋ねしました。
そうしますと、初診(A病院)→障害認定日(A病院)→現在(B病院)と通院されており、初診から障害認定日頃までは同じ病院を受診されていることがわかりました。
この場合は、受診状況等証明書は不要なため、手続きとしましては、障害認定日、現在それぞれの診断書取得から始めました。(ポイント①)
診断書作成依頼する際は、前もって障害認定日そして現在それぞれについてご相談者様からヒアリングした内容を資料としてまとめ医師に橋渡ししました。
同時に、本事例では、障害認定日頃は正社員として「フルタイム勤務」していたこと、そして、現在は休職中だが「独居」している事が申請において高いハードルでした。(ポイント②、③)
そこで、障害認定日頃の診断書依頼の際は、「週に2~3日しか勤務できていないこと、病状から職務遂行能力がないこと」、現在の診断書依頼の際は、「昔の人間関係のトラウマから実家に戻れず余儀なく独居となっている事、そして、週に数回母親に訪問してもらい日常生活のサポートを受けていること」を医師にお伝えし診断書に記載して頂きました。
勿論、病歴就労状況等申立書にも就労、独居については詳述し、診断書との整合性を確認した後、申請しました。
結果は、「障害厚生年金2級」に認定され、障害認定日頃は、正社員でフルタイム勤務されていましたが、遡及も3級に認定となりました。
【ポイント1】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
以下の動画でも「医証の枚数」のご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント3】単身の精神疾患の審査について
うつ病や発達障害などの精神疾患で障害年金を請求しようとする場合、単身で生活している場合は注意が必要です。
というのも、精神による障害年金は日常生活をどの程度周りから助けてもらっているかが審査の基準になるためです。
もし、このような一人暮らしに該当する場合は、やむを得ない理由や身内・友人その他福祉サービスの利用状況などを訴えることで認定の可能性があります。
一人暮らしの申請事例は以下のページでご紹介していますので、ご参照下さい。
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