目次
対象者の基本データ
病名 | 統合失調症(とうごうしっちょうしょう) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約98万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金1級 |
ご相談までの経緯
Mさんは10代の頃より、精神的に不安定で自傷行為などがあり、精神科に通院していました。
高校へ進学しましたが、幻聴、被害妄想、衝動性、注意転導性などがあり、対人トラブルが多く、数ヶ月で退学に至り、アルバイトを転々としていました。
しばらくは精神科への通院を継続していましたが、薬の副作用が強く、服薬が怖くなり、受診を自己中断。
体調が優れない為、内科で投薬治療を受け対処していました。
しかし症状は著しく悪化傾向にあり、内科での投薬治療に限界を感じ、再び精神科での治療を始められることとなりました。
現在も治療を継続していますが、陽性症状に加え、慢性的な希死念慮や抑うつ気分も有しており、連日自傷行為を繰り返しており、同居の家族の全面的な支援なしには危険な状態です。
そんな中でご本人様を支援するご家族様より当事務所にご相談いただきました。
申請結果
ご家族様からMさんの状況をヒアリングし、すぐにでも障害年金申請されることをおすすめしました。
初診日が10年以上前ということもあり、弊社にてお手続きサポートさせていただくこととなりました。
障害年金は初診日主義ですので、通常一番最初に受診した医療機関で初診日の証明が取得できなければ最悪申請することが出来なくなってしまいます。
しかし、Mさんの場合では20歳前に3か所の病院へ通院歴があり、20歳前に厚生年金加入期間がありませんでしたので、A病院、B病院、C病院のいずれかで初診日証明が取得できれば、具体的に初診日が特定できなくても障害年金の申請には差しさわりのないケースでした。(ポイント①)
幸いC病院にて初診日の証明となる受診状況等証明書が取得でき、初診日証明書類を整えることができました。
診断書には受診状況等証明書の内容を間違いなく反映していただくため、初診日証明書類が整った後、診断書の作成依頼へと進めました。
診断書を作成していただく主治医の先生には事前にヒアリングした状況を参考資料としてまとめ橋渡しし、的確にMさんの状況が反映された診断書を取得することができました。(ポイント②)
申請後、2か月程のスピード審査で「障害基礎年金1級」として認定されました。
【ポイント1】20歳前傷病に係る初診日証明の緩和等級
2019年2月1日より20歳前傷病に関する初診日を証明する手続きが緩和されました。
これまでは障害認定日が20歳到達日以前であることが確認できた場合でも、出来る限り初診時の医療機関の証明により、初診日を特定する必要がありました。
しかし、この改正の取扱い後より、次の要件を満たしている場合には、初診日を具体的に特定しなくとも、審査の上、本人の申し立てた初診日が認められます。
①2番目以降に受診した医療機関の受診日から、障害認定日が20歳到達日以前であることが確認できる場合
②その受診日前に厚生年金の加入期間がない場合
この取扱いは初診日が障害認定日の起算点となることと初診日時点での被保険者要件が明らかに確認出来れば、具体的に初診日が特定出来なくても障害年金の請求には影響しないため、このような取扱いがされたと考えられます。
【ポイント2】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。
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